いまだ衆院選前に掲げていた3党合流への道筋が描き切れない中道改革連合。参院に残る立憲民主は、所属議員に左派が多く公明とは距離があること、このままでは参院選で合流が有利にはたらく可能性が低いことから、中道への合流には相変わらず慎重だ。
国家情報局、安保政策、皇室…立憲で進む「左派の受け皿化」
「3党連携には、いろんな選択肢はあろうかと思う」
立憲の水岡俊一代表は1日の会見で、中道・立憲・公明の3党合流など今後のあり方について言葉少なに語った。
中道の小川淳也代表が、立憲の合流に対するスタンスを「腰が引けている」(のちに発言を陳謝)と評したほど、このところ中道と立憲の方針の違いが浮き彫りになり、距離が広がる事態となっている。
5月に成立した国家情報会議設置法をめぐっても、中道と公明は賛成したが、左派の多い立憲は参院で反対した。
「参院の立憲議員には、リベラル層から『絶対に反対して』とFAXや手紙が殺到したといいます。
衆院の立憲も一緒の党だったころは、野党第1党として幅広い有権者からの支持を得るためにも、左派に寄りすぎない路線をとることがありましたが、今は立憲だけで左派の支持を集められる独自の法案対応を行なうことができます。
安保政策も皇位継承も、立憲と中道の考えには隔たりがあります」(全国紙政治部記者)
もともと参院の立憲は衆院の立憲系議員より左派が多いため、参院立憲と中道とのスタンスの違いは大きくなるばかりだ。
さらに、立憲に残る自治体議員も、中道への合流には否定的な考えが目立つ。
「立憲には恩があるし、立憲がある限りは立憲の議員としてやっていく。中道に行くという選択肢はないし、それなら無所属のほうがましだ」(東京都内の立憲自治体議員)
「立憲が存在感を出すために、枝野幸男さんが立ち上げたときの原点に回帰してエッジを利かせていくことが大事だ」(別の立憲自治体議員)
クラファンは好調も、厳しい懐事情 公明の“乗っ取り”状態が徐々に
立憲が中道から距離を置いていることで、遠のく中道・立憲・公明の3党合流。
こうした状況にしびれを切らし始めているのが、公明だ。
公明にとっては、中道への合流は支持母体の創価学会幹部も含めて決めたことであり、参院も含めた合流は既定路線。
いっぽう、中道に合流した立憲側にとっても、早く公明の力を借りたいところだ。
中道は衆院選前の立憲と公明の合計議席数よりも大幅に議席数を減らし、衆参合わせた議員数が国民民主党を下回って野党第2党扱いに。政党交付金は年間数十億円規模で減少した。
クラウドファンディングは予想を上回る好調ぶりで9000万円以上(2026年6月4日時点)を集めているが、政党交付金の減少額と比べると焼け石に水。
クラファンも「公明側支持者からの寄付も多いのでは」との推測も出ている。
「民主党時代から使っている党本部が入るビルは借りる面積を狭くして、代わりの場所として賃料のかからない国会議員会館を使ったり、電気はなるべく消したりして、とにかく支出削減に必死。
国会でも、公明の力も借りて再び衆参合わせて野党第1党になり、存在感を発揮したいところだ」(立憲関係者)
こうした中で、「早く事態を打開したい。立憲が中道への合流をしぶるなら、3党で全く新しい新党を作り直すのでもいい」と、中道や支援団体の中でささやかれ始めた「新党」構想が報道されることに。
ただ立憲系ベテランからは「小川代表からは新党の話なんて全然聞いていない。いったいどうなっているのか……」との声が漏れる。
立憲の自治体議員からも「3党で一緒になったところで見栄えがよくない。各地から『中道結成で失敗したのに、あんなことをまたやるな』という声は出るだろうし、一緒になるくらいなら元の立ち位置でそのままやり続けるほうがやりやすい」と、懸念が広がっている状態だ。
立憲組の行く先は「社会党」か「ほぼ公明党」か、資金繰りの厳しい無所属か
今後、中道はどこに進んでいくのか。
新党構想のほかに取りざたされているのが、イメージを刷新するための党名変更や、公明だけの早期合流だ。
ただ、こうした手法には党内からは戸惑いの声も……。
「立憲民主党の創設者、枝野氏は『コロコロ党名を変えたり新党を作ったりするのは、有権者の信頼を失う』というのが持論だった。
たしかに、中道改革連合ができて間もないのに党名を変更しても、有権者からの期待は集まりそうもない」(中道落選者)
参院の立憲が合流に慎重なため、公明だけの早期合流も取りざたされているが、その構想にも「公明が立憲を乗っ取り、飲み込んでいく」との冷ややかな見方が。
「衆院も公明系が立憲系より多いし、そこにさらに参院の公明議員20人以上が加われば、公明系が立憲系の2倍以上いるような『ほぼ公明党』になる。
街頭では『立憲から中道に行った人は政策を曲げた』『みんな創価学会の信者になったのか』と言われるし、左派色が強い参院立憲組は後からなんてますます合流しにくくなるのでは」(立憲自治体議員)
そうなると、参院に残る立憲や、いまだ様子見が多い中道の立憲系落選者たちの行方どうなるのか。
全国紙政治部記者は「中道は公明の現職が多く、立憲系が公明に乗っ取られたような状態になりそうないっぽう、立憲は左派色が強くなり、幅広い支持を集められず“社会党化”して先細りしていく可能性がある。
だからといって無所属は資金面で厳しい。政治団体を作った枝野氏の動きも注目されているが、2017年に立憲を立ち上げたときにかなりの借金を負っており、資金的に新党結成は厳しいはず。立憲系の人たちはどの選択をしてもいばらの道となりそうだ」とみる。
中道・公明・立憲の行く末は……。7月の通常国会閉会後にも、どのいばらの道に進むか、それぞれの選択が迫られそうだ。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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