大熱狂のワールドカップを楽しんでいるさなか、Instagramに突然現れた、かわいいペンギンと黒いカラス。日本代表の試合をニュース番組風に速報し、勝てば喜び、負ければバーでやけ酒。ときには懐かしい音楽に合わせて踊り、サッカーを取り巻く空気を少し斜めから眺めている。アカウント名は「BBJ FAM」。企業の広告なのか、キャラクタービジネスなのか、それとも誰かの遊び心から生まれた作品なのか。調べてみると、その作者は、ファッション、映像、音楽、スポーツを横断し、世界を舞台に活動してきたクリエイター松井英樹さんだった。かわいいだけでは終わらない、この不思議なショートアニメの正体を追った。
W杯の応援に盛り上がってたら出てきたInstagram。「これ何?」
世界中がワールドカップに熱狂するなか、Instagramに突然現れた、ちょっと悪そうなペンギンたち。
画面には「BBJFAM NEWS」の文字。スタジオの大型モニターには試合映像が映し出され、青いペンギンのBBJr.と仲間たちが、その行方を見守っているシーンもある。ペンギンとは別に、日本を応援する大きな黒いカラスがスタジアムへ降り立つ壮大な映像もある。
日本代表が勝てば、ニュース番組のように大きく速報。ベスト8が出そろえば、早起きのつらさをにじませながら大会の動きを伝える。試合が終わったあとにはバーへ移動し、黒いカラスが青いカクテルを前に、見るからに複雑そうな表情を浮かべている。
応援して、喜んで、悔しがって、少しぼやく。
BBJ FAMのキャラクターたちは、試合結果だけでなく、ワールドカップを見守る私たちの感情まで代わりに演じているようだ。
大会公式のキャラクターなのか。企業の広告なのか。それとも、誰かの遊び心から生まれた作品なのか。
かわいくて気になるけど......この少し不思議なショートアニメは、いったい何なのだろう。
かわいい顔をして、意外と辛口 !?
BBJ FAMの面白さは、かわいいキャラクターが試合結果を知らせるだけではないところにある。
日本代表を応援する一方で、アルゼンチンやフランスなど海外の試合もニュース番組風に紹介する。試合の熱気を伝えながら、ときにはサッカー界を取り巻く空気へ、少しだけ斜めから視線を向ける。
誰かを強く批判するわけではない。それでも、短いセリフやキャラクターの表情には、「確かにそう見えるかもしれない」と思わせるユーモアがある。
とりわけ印象に残るのが、試合後のバーの場面だ。
黒いカラスは青いカクテルを手に、見るからに不機嫌そうな顔でカウンターに座っている。投稿には「涙堪えてお酒を煽る……」という言葉。別の場面では、BBJr.たちが早くも4年後について語り合っているという。
勝敗の裏側にある、ファンの高揚や落胆までを描く。かわいさと哀愁。応援と皮肉。その間を行き来する距離感が、BBJ FAMの味になっているのかもしれない。
懐かしい音楽も、ひとつの演出に
映像とともに印象に残るのが、音楽の使い方だ。
往年の楽曲や、思わず聞き覚えを感じるメロディーを、キャラクターの動きや場面に重ねている。曲を知っている世代には、その組み合わせ自体が笑いのポイントになる。
ビートルズの「All My Loving」に合わせたモノクロの演奏シーンでは、ペンギンたちが楽器を手にバンドを結成。スポーツニュースの世界から突然、昔の音楽番組のような空間へ飛び込んでいく。
音楽は単なるBGMではない。
「なぜ、この場面にこの曲なのか」という選択そのものが、映像へのツッコミであり、キャラクターの感情表現にもなっている。
誰が作っているのかと思ったら……
この不思議な世界を作っているのが、クリエイターの松井英樹さんだ。
松井さんは海外のファッションメゾンでデザインに携わり、その後はビジュアルプロデュース、写真、映像、音楽、イベント演出など、さまざまな分野を横断して活動してきた。スポーツ選手のビジュアル制作にも関わり、人や作品をどのように見せるかを考えてきた人物でもある。
「ファッションデザイナー」「写真家」「映像作家」といった一つの肩書だけでは説明しにくい。
服、写真、映像、音楽、空間を組み合わせ、見る人が入り込める“世界そのもの”を作ってきたクリエイターといった方が近いだろう。
その視点でBBJ FAMを見直すと、数十秒の動画に多くの要素が詰め込まれている理由が見えてくる。
キャラクターの表情、ニュース番組やバーといった舞台設定、短い言葉、音楽の選び方。さらに現在は、キャラクターを使ったTシャツなど、ファッションへ広げた表現も発表している。
BBJ FAMは、単なるSNSアニメではないことはよくわかった。
松井さんがこれまで培ってきたファッション、映像、音楽、スポーツの経験が、小さなキャラクターの世界に凝縮された作品なのだろうか。では、なぜいま、ペンギンたちにサッカーやスポーツを語らせるのか。
キャラクターに込めた思いや制作の舞台裏については、改めて松井さん本人に聞いてみたい。
BBJ FAMは、実は、冬のスポーツの祭典にもでかけていた...!
投稿を遡ると、BBJ FAMが追いかけてきたのはワールドカップだけではなかった。
冬季オリンピックの時期には、さまざまな競技や大会を取り巻く出来事を題材に作品を発信している。
世界的なスポーツイベントに現れ、選手や競技を応援する。その一方で、誰もが感じているけれど、うまく言葉にはできない空気まで、小さな物語としてすくい取っていく。
スポーツニュースなのか。風刺アニメなのか。懐かしい音楽と映像を掛け合わせた作品なのか。それとも、キャラクターを軸にしたファッション表現なのか。
おそらく、そのどれか一つではない。
ワールドカップが終わったあと、BBJr.と仲間たちは次にどこへ向かうのだろう。ちなみに渋谷の街かどでは発見されている(筆者目撃)。
まだ多くの人には知られていないBBJ FAM。松井英樹さんならではの視点を携えたペンギンたちが、次はどんな場所に現れ、何を見せてくれるのか。
今後も、少し追いかけてみようか。
(Qoly 編集部)

![ワールドサッカーダイジェスト 2024年 9/19 号 [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/61iNZutK1hL._SL500_.jpg)




![[ミズノ] フットサルシューズ モナルシーダ NEO SALA CLUB IN ホワイト/レッド 26.5 cm 3E](https://m.media-amazon.com/images/I/51KyBx5v2JL._SL500_.jpg)

![[ミズノ] フットサルシューズ モレリア TF ブラック/ホワイト 26.5 cm 2E](https://m.media-amazon.com/images/I/41P+itybOvL._SL500_.jpg)


