独ドイチェ・ベレの中国語版サイトは9日、中国の5月の輸出が前年同月比19.4%増となったことに関連し、「半導体が貿易構造を再編か」とする記事を掲載した。
記事によると、中国の5月の輸出の前年同月比伸び率は19.4%で、4月の14.1%を上回ったことが税関総署が9日発表した貿易統計で分かった。
記事がAP通信やロイター通信の報道として伝えたところによると、INGのグレーターチャイナ担当チーフエコノミスト、リン・ソン氏は「世界的なハイテクブームの中、船舶、半導体、自動車、バッテリーへの需要が引き続き堅調で、ハイテクサプライチェーン全体の価格上昇が貿易額の増加を支えている」と分析した。
世界的な人工知能(AI)投資の急増が、中東の混乱によって予想されていた中国の輸出への打撃を相殺するのに役立った。しかし、エネルギーコストの上昇に関連した在庫積み増しは薄れつつあり、価格が上昇し、海外の買い手が停戦を待ちながら在庫を取り崩し始めている兆候が現れている。
ANZの中国担当シニアストラテジスト、シン・ジャオポン氏は「半導体価格の上昇が輸出を支え続けており、メモリ価格は前月比20%上昇し、集積回路の輸出は111%の伸びを記録した」と述べた。中国の自動データ処理機器の輸出額は前年同月比66.1%増、ハイテク製品は同50.9%増、自動車の出荷台数は39%増となった。シン氏は「今後を見据えると、AIの物語はまだ終わっておらず、半導体が中国の貿易構造を再編しつつある」と付け加えた。
一方で、他の分野では勢いが衰え始めている。5月の家具の輸出は前年同月比わずか1.9%増にとどまり、玩具は同7%減、靴類は同10.4%減となった。
工場活動に関する別のデータによると、5月の新規輸出受注は、4月の2年ぶりのピークから大幅に減少した。4月には海外の工場が供給確保に奔走する中、倉庫管理者らが「活況」を報告していた。
好調な輸出が中国経済を第1四半期(1~3月)に予想を上回る成長へと押し上げたが、輸出部門の一部に減速が見られることから、脆弱(ぜいじゃく)な国内需要が世界経済の低迷の影響を受けやすく、追加の政策支援が必要となる可能性が高まっている。
中国は、国内消費の強化を求める国際社会からの強い圧力に直面している。批評家らは、輸入原材料と再輸出への過度な依存が貿易を歪め、他の新興国を高付加価値製造業から締め出していると警告している。
経済協力開発機構(OECD)は先週の報告書で、中国企業の「市場シェア拡大の約60%は、受け取った補助金によって説明できる」と指摘した。
米連邦準備制度理事会(FRB)によると、中国の貿易黒字は対世界GDP比で1%を超え、20世紀後半に日本やドイツが記録したピークをはるかに上回っており、縮小の兆しはほとんど見られない。
中国の昨年の貿易黒字は1兆ドル(約160兆円)を超えた。今年5月は1054億3000万ドル(約16兆8688億円)と、前月の848億ドル(約13兆5680億円)や予測値の921億ドル(約14兆7360億円)を上回った。
5月の輸出は、欧州向けが前年同月比7.6%増、米国向けが同35.4%増、東南アジア向けが同24.3%増だった。
ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、ジャン・ジーウェイ氏は「中国と欧州などの主要貿易パートナーとの間の緊張激化のリスクに細心の注意を払う必要がある」と述べた。(翻訳・編集/柳川)











