2026年6月14日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、高度な自動化が進む「黒灯工場」の台頭と、それが中国の若者の就職市場に与える影響について報じた。「黒灯工場」は「ライトオフファクトリー」または「ダークファクトリー」とも呼ばれ、照明を消しても稼働できる完全自動化された無人工場のことを指す。
記事は、中国浙江省寧波市にある電気自動車(EV)メーカーの極氪(ジーカー)の工場では生産ラインが高度に自動化されており、885台のロボットが配備されていると紹介。責任者の許乃平(シュー・ナイピン)氏が「電気を消しても溶接工場の一部のエリアでは作業が平常通り進行する」と説明したことを伝えた。
そして、中国の指導層が人口減少を背景に将来懸念される熟練労働者不足に対応するため、ロボット技術や人工知能(AI)に期待を寄せていると指摘。米国のブルッキングス研究所で中国の産業政策を専門に研究するカイル・チャン研究員が、中国はすでにEVやバッテリーの検査といった製造業の分野で人型ロボットの導入を始めており、それらを製造業の中核に据えて工場の競争力を高める計画を立てていると分析したことに触れた。
また、中国労働社会保障部のデータによると、昨年、一般事務、法律、金融の分野の職における需要が10~30%減少した一方で、アルゴリズムエンジニアやデータアナリストなどAIに関連する職種に対するニーズは増加していることが明らかになったと紹介している。
一方で、この急速な変化により、多くの新卒の若者たちが仕事を探す際、自分の学歴や専攻が市場の要求と一致していないことに気づくという試練に直面していると指摘。チャン研究員が「中国共産党の指導層は若者の失業率に懸念を抱きつつもなお、製造業やハイテク分野で高度なスキルを要する雇用を創出したいと考えている」と述べたことを伝えた。
記事はこのほか、中国の国営メディアが新技術分野における様々な進展を報道し続けており、インターネット上にはロボットがダンスやカンフーを披露する映像が流れていることに言及する一方で、ロボットを動かすには人間の手が不可欠であることを指摘。浙江省杭州市にあるレストランの厨房には数台のロボットシェフがスタンバイしているものの、事前にすべての食材を準備しておくアシスタントシェフのサポートがあって初めて成り立つものであるとした。
そして「客は人間が作った料理を好む。ロボットは客寄せパンダにすぎず、レストランを効率よく回転させているのは厨房の職人やフロアの接客係なのだ」と評している。(編集・翻訳/川尻)











