雲南省大理ペー族自治州の湖・洱海は8月になると、透き通った水が波打つ湖面一面に水生植物の海菜花の白い花が浮かび、美しい景色が広がる。海菜花は優れた水質条件の下でしか生育しないことから、「水質のバロメータ」と呼ばれ、湖の水質を如実に反映する物差しとなる。
以前、農業面源汚染や水界生態系の劣化といった要素が重なり、洱海の海菜花はほぼ絶滅していた。しかし洱海において海菜花が分布している面積は2021年の9万平方メートルから今年8月には95万平方メートルにまで回復した。
大理白族自治州は近年、洱海の保護を統合的に推進し、54億800万元(約1270億円)を投じた「洱海山水プロジェクト」は全面的に完了し、生態系が修復された面積は4万4356ヘクタールに達した。また、雨水管や汚水管約30キロが新たに設置または交換され、汚水処理場19カ所、農村の汚水処理施設92カ所が常時稼働している。
水がきれいになり、美しい花が咲くと、関連産業も栄える。洱源県の海菜花の栽培面積は現在20ヘクタールに達し、年間延べ9万人以上の雇用を創出した。1ムー(1ムーは約6.7アール)当たりの生産量を1トン、加工買取価格を500グラム当たり2元で計算すると、労働者の収入は年間1200万元(約2億8200万円)に達し、現地の人々は自宅近くで仕事をして、収入を安定して増やすことができるようになった。栽培や収穫、加工、コールドチェーン、販売などを一つにつなげているのは小さくて白い海菜花の花で、湖面から食卓までが繋がる産業チェーンが形成されている。
また、洱海の周りに129キロの生態回廊が建設され、湿地や白族の歴史ある村、海菜花が美しく咲き誇る湾などが結ばれ、船に乗って花を観賞したり、サイクリングをしながら湖を観賞したり、湖で水揚げされた魚介類を食べたりするというのが大理ペー族自治州ならではの文化観光体験となっている。
毎年、花が咲く時期になると、中国各地から来る観光客でにぎわいを見せる。2025年に大理ペー族自治州を訪れた観光客は延べ1億2000万人以上、中長期滞在客は40万7000人に達し、85万人以上の雇用が創出された。そして、宿泊業の税収は前年比34.08%増の1億5400万元(約36億円)に達した。











