中国メディアの新京報によると、福建省厦門市の消毒・害虫駆除会社が劇毒性の農薬「ジクロルボス(DDVP)」を規定に反して長期間にわたり消毒作業に使用していたことが明らかになった。同社はこれまで、数十の飲食企業にサービスを提供していた。

報道によると、問題となった会社は厦門緑林森環境科技有限公司で、同社従業員は消毒作業においてジクロルボスなどの劇毒性の農薬を食器やテーブル、椅子などに直接噴霧していた。一部現場では、近くに食材が置かれている状況でも同様に作業していた。

同社従業員によると、作業時に食器に直接噴霧することもあり、店側に洗浄するよう知らせることもなかった。ある従業員は「自分たちが消毒した飲食店には、死んでも食べに行かない」と語った。

過去には、同社による消毒作業後に食材の魚介類が死んだと訴えた飲食店もあった。これに対し、同社の責任者は「海鮮の水槽付近では薬剤を噴霧していない。気候や水槽内の酸欠が原因」などと主張していた。

劇毒「ジクロルボス」で飲食店消毒、テーブルや食器に噴霧も=業者「自分は死んでも食べに行かない」―中国

新京報の記者が潜入取材を行ったところ、同社内で箱詰めされた大量のジクロルボスと、そのボトルからはがされた大量のラベルを発見した。同社で約2年間勤務していた元従業員によると、同社ではジクロルボスをペットボトルに入れて使用するよう規定されており、元の容器に入れたまま持ち運ぶ際は必ずラベルを剥がすよう言われていたという。

また、過去に従業員が、使用する消毒薬の変更を提案したことがあったが、社長はコストが高すぎることを理由に却下。関係者によると、規定に合致する害虫駆除薬「プロポクスル」は1本およそ25元(約590円)なのに対し、ジクロルボスはわずか数元(1元=約24円)程度だという。

厦門市の市場監督管理局が検査を開始したのは7月31日だったが、その日の夜も同社は複数の飲食店で作業を続けていた。

その際、表向きには規定に合ったプロポクスルに変更していたものの、残留液体からはやはりジクロルボスの成分が検出された。作業を終えた翌日、いずれの飲食店も通常通り客を入れて営業していた。

8月24日、厦門市湖里区合同調査チームは状況を発表した。調査チームは同社が使用していた薬品などを抜き打ち検査し、証拠を確保・押収した。現在、湖里区にある同社の営業所は閉鎖されている。また、同社は消毒・害虫駆除の営業資格を取得していなかったといい、厦門市の複数の部門が調査に介入している。

事態が明らかになった後、同社のサービスを受けた飲食店の多くが営業を停止し、店内清掃を行っている。ある飲食店の従業員は「こうしたことは店として把握していなかった」と語り、別の店の従業員は「本部が現在、状況を確認している。その結果を受けて今後の対応策を発表する」としている。(翻訳・編集/北田)

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