2000年以上前の中国・前漢時代に、現在の「仕切り鍋」を思わせる珍しい青銅器が作られていた。

「四連銅鼎」と呼ばれるこの器物は、同じ大きさの四つの鼎をつなげたもの。

四つを同時に使い、それぞれで別の料理を作れるようになっている。サイズは高さ22センチ、口径21.5センチ、胴径27.5センチ、全幅62センチ。

鼎は古代中国で広く使われた調理器具で、食材を煮るほか、祭祀や宴席にも用いられた。「四連銅鼎」には四つの「ふた」があり、ふたと本体は軸でつながっている。料理の温度を保ち、ほこりや虫が入るのを防ぐ役割もあったとみられる。ただ、残念ながら現在は四つのふたのうち二つが失われている。

20文字の銘文から分かること

この器物で特に注目されるのが、一つの鼎に刻まれた20の文字だ。「銅連鼎四合容各三斗並重九十三斤館陶家霸田」とあり、材質や器物の名称、容量、重量、所有者などが示されている。

「館陶家」という文字について、専門家は歴史資料などから、漢の文帝と竇皇后の娘である館陶公主・劉嫖を指す可能性があるとみている。「霸田」は現在の陝西省西安市・覇陵周辺の地名とされる。器物の形や銘文の特徴から、制作時期は前漢初期から中期と推定されている。

2000年前に「仕切り鍋」?四つの鍋をつないだ中国・漢代の珍しい銅器
「四連銅鼎」

珍しい「四つの鼎」の一体化

漢代の鼎は通常、一つずつ独立した形で作られていた。3本脚の丸鼎や4本脚の方鼎が一般的で、四つの鼎をつないだものは極めて珍しい。

2000年前に「仕切り鍋」?四つの鍋をつないだ中国・漢代の珍しい銅器
「四連銅鼎」

実用性と独特のデザインを兼ね備えた「四連銅鼎」は陝西省の咸陽博物院で展示されており、2000年以上前の中国の食文化や青銅器製造技術を知る上でも貴重な資料となっている。(翻訳・編集/小林輝也)

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