フランスメディアのRFIは、同じくフランスメディアのレゼコーの報道を引用して、北京市とその周辺の広い地域で11月15日から、個人によるドローンの所有や飛行が全面禁止されることになった状況を紹介した。所有するドローンを格安で手放す愛好家も多く、不満の声が発生しているという。
北京市政府は13日、同市人民代表大会常務委員会が、修正版「北京市無人操縦航空機管理規則」を採択したと発表した。北京市とその周辺300キロまでの地域では、警察や輸送などの専門用途以外のドローン使用が禁止され、個人の場合には所有も認められない。同規則の施行は11月15日とされた。
中国のインターネットでは、ユーザーがドローンを安値で販売する動きが強まった。中古品売買アプリの閑魚では、北京地区から売りに出されているドローンは1万機を超えており、価格は上海で売りにだされたドローンよりも400-600元(約9400-1万4000円)安い。
閑魚への投稿には、「アマチュアのドローン飛行グループはすべて消滅した」として、所属するグループのメンバーの一人は警察に呼び出され、ドローンが没収され、ドローンを二度と飛ばさないと誓約する書類に署名させられたと紹介する文章もあった。
多くの人が、近年になり大きく盛り上がった純粋に個人としての楽しみであるドローンの飛行を全面禁止する措置は行き過ぎだとして、不満の声を漏らすようになった。中国民用航空局(CAAC)によると、中国で2025年に使用されていたドローンは前年比51%増の320万機以上に達した。
北京市では2025年8月、ドローンの飛行禁止区域が設けられ、ドローンの所有者は特別許可を取得しなければ飛行ができなくなった。2026年5月には新型ドローンの販売が禁止され、業界最大手の大疆創新(DJI)などのメーカーに、該当する地域の店舗から製品を撤去させた。
北京市当局は、ドローンの禁止を「首都の安全防衛線を効果的に強固にし」、同地域の「空域安全管理」を強化することを目的としていると説明した。北京市では6月、レジャー用小型航空機が市内で最も高い建築物である中信大厦に突っ込む事件が発生した。
この事件は、北京市の上空が軍により厳重に管理されているにもかかわらず、安全の確保に問題があることを浮き彫りにした。また、ウクライナ戦争を例にとっても、軍事目的のドローンの使用はますます普遍的になっている。
いずれにせよ、個人によるドローン使用の全面禁止は、北京市に巨大な経済的損失をもたらすと予想されている。北京市政府はドローンを持つすべての個人に保有機を処分させる。指定した企業で売却する場合には、最大で1機あたり3000元(約7万円)を補償する。政府が開設した廃棄回収の窓口に持ち込んだ場合には、最大で200元(約4700円)を支払う。さらに、北京市以外に売却した場合は、郵送料を免除する。
北京市の措置は、経済界にも影響をもたらしていると考えられる。深センに本社を置くドローン大手のDJIは、世界の民用ドローン市場の70%から80%のシェアを占めている。DJIは株式未上場だが、同社傘下のInsta360社の株価は年初来、61%も下落した。
中国人の見方は、自嘲と完全な理解不能の間で揺れ動いている。











