大阪市立美術館は台北の何創時書法芸術基金会が所蔵する中国・明時代の書画の名品を紹介する日本初の大規模展、特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」を10月9日~12月20日の会期で開催する。

台北が誇る書の至宝・何創時コレクションが日本で初めて大規模公開される。

総数およそ2500件のコレクションの中から、優品82件を一挙公開。うち72件、出品の9割近くが日本初公開作品だ。何創時コレクションが日本でこれほどの規模で紹介されたことはなく、貴重な展覧会となる。

呉(蘇州)派、華亭(松江)派の大家の書画は必見だ。明代中期に活躍した蘇州(江蘇省)の祝允明、文徴明、王寵、後期に書壇の主流を占めた松江(今の上海市松江区)の張弼、董其昌、陳継綬といった書道史を飾る明代中後期の大家の名品が並ぶ。

大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
祝允明「草書蚕衣五篇」(部分)明時代・嘉靖元年(1522)
大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
文徴明「行書陶淵明飲酒詩」(部分)明時代・嘉靖34年(1555)
大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
董其昌「草書論書与臨王羲之十七帖」(部分)明時代・万暦35年(1607)

明末清初の名家の条幅作品が充実しており、米万鍾、張瑞図、黄道周、王鐸、傅山、許友らの個性際立つ作品が勢ぞろいする。

大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
王陽明「草書七言詩」(部分)明時代・正徳14年(1519)
大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
張瑞図「草書王世懋詩」明時代・16~17世紀
大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
王鐸「臨王羲之意適帖」明時代・17世紀

■概要

何創時書法芸術基金会は何国慶氏によって1995年に台北で創設された財団で、2025年に30周年を迎えた。明・清時代の書を中心に多数の作品を蒐集し、展覧会・講座などの活動を通じて書芸術の振興を図っている。日本の書家や研究者が訪れることも多い。

今回はそのコレクションの中でも質量ともに最も充実している明代中期から明末清初の書に焦点をあて、日本初公開の作品を多数含む82件を精選して展示する。江戸時代には文徴明や董其昌らの書をもとに唐様が流行した。黄檗僧らがもたらした明末清初の書は今日の書壇でも手本として習われている。

明代の書は多様性に富み、個性あふれる作品がそろっており、躍動する筆墨の美を目にすることができる。

大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
傅山「草書酔後浪書」明~清時代・17世紀
大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
宋玨「隷書黒児像賛」明時代・万暦45年(1617)

■何創時コレクションとは

台北にある何創時書法芸術基金会は董事長(日本でいう理事長)で収蔵家の何国慶氏が1995年に父の名を冠して設立した財団。所蔵品は明・清時代の書を中核とし、王陽明、徐渭、王鐸、張瑞図、黄道周、倪元璐ら明代の賢人2000余人の書画作品2500余件を収蔵している。

大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開
倪元璐「行書李商隠詩」明時代・17世紀

同財団は年間を通じて展覧会や学術講座を開催し、国際的な芸術・文化交流の拡大に積極的に取り組んでいる。これまでに日本をはじめ重要な書の特別展にも作品を貸出し、東アジアの書道交流の架け橋を築いてきた。近年では展示室「創時講堂」や「オンライン博物館」を開設し、学術研究のために収蔵資料を公開することで、書道文化の発展を継承している。

大阪市立美術館で特別展「躍動する明代の書―台北・何創時コレクションの至宝」開催へ、9割が日本初公開

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