2026年9月16日、中国メディア・華爾街見聞は、韓国政府が製造業におけるフィジカルAIの大規模な振興計画を始動させ、今後5年間で1兆4131億ウォン(約1600億円)を投じて「K-製造工場」の海外輸出を目指すと報じた。

記事が韓国紙・ソウル経済新聞の報道として伝えたところによると、韓国科学技術情報通信部は16日、ソウルで全羅北道および慶尚南道におけるフィジカルAI研究プロジェクトの開始説明会を開催し、26~30年の5カ年研究開発ロードマップを発表した。

製造企業が蓄積してきたノウハウや現場の「暗黙知」データを初めて国家の研究開発体系に組み込み、AIの役割を従来の異常検知から生産プロセスの直接制御へと進化させる狙いがあるという。

記事は、両地域のプロジェクトで技術実証を行い、成熟した成果を全国の製造拠点へ普及させる方針だと紹介。慶尚南道プロジェクトでは「大型動作モデル」の開発に注力し、作業員とロボットの動作データや物理法則、空間情報を統合してAIが実際の生産設備を制御することを目指すとした。

そして、慶尚南道プロジェクトを担当するソウル大学のチャ・ソグォン教授の話として、すでに13社が自社工場で使用している暗黙知データの共有に合意したと伝え、データを収集・処理して工程ごとに物理モデルを構築し、類似の生産ラインを持つ他企業へ横展開していく計画だと説明した。

一方、韓国科学技術院(KAIST)のチャン・ヨンジェ教授が主導する全羅北道プロジェクトでは、異なるメーカーのロボットや設備を統合運用する「工場編成」に焦点を当て、AIが工場配置や物流ロボットの経路を設計し、3次元デジタルツインでの事前検証を経て、AIが設計・建設・運用に関与する完全無人工場「ダークファクトリー」の実現を推進すると解説。25年の概念実証では従来は専門家3~4人が約1カ月を要していたロボット工場設計がわずか3時間で設計できたと紹介した。

また、チャン教授が工場を「多様なロボットで構成された1台の巨大ロボット」と位置付け、設備の一元管理による工場全体の連携を目指していると指摘。チャン教授によると、半導体・ディスプレー部材・装置メーカーのShinsung E&Gが200億ウォン(約22億6000万円)の投資を決定し、関連エコシステムの構築に参加すると伝えた。

記事によると、韓国政府の最終目標は2地域での実証にとどまらず、検証済みの技術を全国の製造拠点へ展開し、工場の設計や設備制御、生産管理を網羅した「K-製造工場」として海外市場へ輸出する体制を確立することにあるという。(編集・翻訳/川尻)

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