◆第108回全国高校野球選手権神奈川大会▽5回戦 桐蔭学園3―0平塚江南(18日・平塚)

 右腕が、真価を発揮した。桐蔭学園の奥青空(そら)投手(3年)が大会初先発で9回を2安打14奪三振、無四死球の完封勝利。

投球数95球で「マダックス」(100球未満の完封)を達成した。平塚江南打線を圧倒し、チームを8強へ導いた。

 春までは外野も守っていた。奥は「バッティングが楽しかったので、やっていた」と明かす。打席に立ちたい思いは強かったが、夏を前にして、投手に専念。小倉丞太郎監督は「外野手に浮気した。『僕も打ちたいです』って。でもピッチャーとしてのセンスが高い。夏は両方やるとへばるので、ピッチャー軸でやっていこうというメッセージも込めて背番号を9から10にした」と決断の裏側を話した。

 飛躍のきっかけは、スライダーを磨いたことにあった。本人は「冬の前までは使い物にならず、自分でも投げるのを避けるようなスライダー」と振り返る。外部トレーナーから、ボールへの力の伝え方などを学び、「1番自信を持って投げられる球」に進化した。

そのスライダーを武器に、14個の三振を奪ったが「三振を取りたいということはない。打たれる確率が一番低い球を選択している」と回答。打者ごとに最善を選び続けた結果が95球での完封につながった。

 大会初先発に「試合前は緊張した」と話す。それでも「試合前に緊張したことで、試合中は緊張感はなかった」と冷静さを保ち、「回を重ねるにつれて完封を意識した。(達成できて)うれしい気持ちでいっぱい」と笑顔をみせた。

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