◆サッカー北中米W杯▽決勝 スペイン1―0アルゼンチン(19日、ニューヨーク・ニュージャージー競技場)

 スペイン(FIFAランク2位)が、決勝でアルゼンチン(同1位)を延長戦の末に1―0で破り、2010年南アフリカ大会以来、2度目の優勝を果たした。世界最長の国際Aマッチ38試合無敗で頂点に立った「無敵艦隊」を率いたのがルイス・デラフエンテ監督だ。

2021年の東京五輪男子サッカーでU―24スペイン代表監督として、準決勝で日本代表を破り銀メダルを獲得。W杯史上最年長65歳での優勝監督となった名将は、2022年11月にスポーツ報知の取材に応じ、日本代表の将来性、スペインサッカーの哲学、W杯優勝への思いを語っていた。

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 2022年カタールW杯1次リーグ(L)で日本とスペインの対戦が決まり、本大会直前に、東京五輪で日本と対戦経験があったデラフエンテ監督は本紙にメッセージを寄せた。当時はU―21代表を率いるなどスペイン連盟に籍を置いていた同氏。延長戦の末、1―0で森保一監督率いる日本を破った21年東京五輪準決勝【注】の記憶をたどりながら、日本サッカーの特徴、将来性について語った。

 「紙一重の勝利でした。日本はとても良いチームでした」とした同氏は、ピッチで感じた日本の印象について「個々のレベルが高く、戦術の理解度も高い。フィジカルに関しても、スピードとスタミナを併せ持っています。選手の質が高い国です」と振り返った。

 スペインとの試合後、日本の選手たちが「スコア以上の差を感じた」と話していたことを聞くと「それはチームが成熟していく上で、自然な経過です。心配無用。おそらく15年前は、日本とスペインの間に2、3段階の差があったと思います。

でも、今は1段階ほどではないでしょうか。運も味方につけば、日本はどんな相手にも勝てるチームになっています」と指摘。その後のカタールW杯で、ドイツ、スペインと優勝経験国を破る森保ジャパンの快進撃を予想しているかのようだった。

 日本が長年、世界の強豪チームと比べて個の力が足りないと言われる点については、反論した。「日本は規律を重視し、組織的な戦いができることが世界的に評価されています。裏を返せば個性がないという主張もできますが、私はそう思いません。規律や秩序があることは大きな強みです。私は、自分の率いるチームがそう評価されることを望みますよ。良いチームにとって、規律や秩序はなくてはならないものです」。日本の特徴を評価しつつ語った自身が目指すチーム作りは、まさに北中米W杯を制覇したスペイン代表そのものだった。

 スペインの伝統は、細かいパス回しでボールを保持して攻める「ティキタカ」。同氏は「スペインのプレースタイルは相手を疲れさせます。

そして両者が同じようなポテンシャルのチームだと、最後の数分まで力が残っているチームが往々にして勝ちます」とも語っていた。

 22年カタールW杯でルイスエンリケ監督が率いたスペインは、決勝トーナメント1回戦でモロッコにPK戦(0―3)の末敗れて16強で敗退した。それから4年、「我々の目標は優勝です。難しいことですが、我々の頭には、それしかありません」と力強く語っていたデラフエンテ氏は、「ティキタカ」をベースに、特定の選手に頼らない洗練された「組織力」で、圧倒的な「個」を持つメッシ擁するアルゼンチンを破り、世界一の称号を手にした。

 ◆ルイス・デラフエンテ 1961年6月21日、スペイン・アーロ生まれ。65歳。現役時代はセビリア、ビルバオなどで活躍し、スペイン1部通算254試合に出場。2015年1月に東京五輪世代の同国代表監督に就任し、15年U―19欧州選手権優勝、19年U―21欧州選手権優勝、21年東京五輪銀メダル。22年12月からA代表の監督を務める。

 【注】日本とスペインは東京五輪の準決勝で対戦。0―0で迎えた延長後半10分、オーバーエージのFWアセンシオ(Rマドリード)が決勝点を奪った。スペインは決勝でブラジルに1―2で敗れたが銀メダルを獲得した。

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