神奈川県中学校体育連盟(中体連)の軟式野球専門部は1日、横浜市内のサーティーフォー保土ケ谷球場内で「神奈川県中学校部活動の現状と課題~今後の中学校野球に向けて~」をテーマに意見交換会を開催。休日における活動や今後の指導者の確保など、アンケートを通じて浮かび上がった現場の「生の声」を共有するとともに、今後の目指すべき方向性について話し合った。

 野球競技人口減が叫ばれる中、中学校の軟式野球は挑戦へのハードルも低く、初心者にとって身近なものであることは論をまたない。一方、今夏の甲子園1回戦で実現する横浜対沖縄尚学という注目のマッチアップにおいて、両校のエースで今秋ドラフト1位候補に挙がる157キロ右腕・織田翔希と、150キロ左腕・末吉良丞の両投手がともに中学時代、軟式野球部でプレーしていた事実を踏まえれば、競技力という観点からも日本野球界で、中学軟式野球が重要な位置を占めることは自明である。

 神奈川県中体連は各地区・ブロックごとに部活動の地域移行に関する現状や課題を報告するとともに、軟式野球部員2999人と顧問454人にアンケートを実施。現場のリアルな声をもとに、意見交換を行った。

 アンケートからは約4割が中学校から野球を始めていることが浮き彫りとなり、身近に野球ができる環境があることが、野球人口増への大きなファクターとなっていることが確認された。

 一方、教員側からは通常業務との両立や家庭との両立などの課題点が挙げられ、指導継続にあたっては休日指導の適正な報酬について、改善を望む声が7割を超えるとともに、指導者を複数置くためにも人材発掘が急務となるなど、持続可能な中学軟式野球に向けて活発な議論が展開された。

 会議に参加したDeNAの浦田晃仁野球普及・振興部地域コミュニティグループグループリーダーは「我々の役割はクッションやハブになること。うかがった話を持ち帰らせていただき、我々ができることを考えていきたい」と話した。DeNAではこれまでも、県内の中学軟式野球部に軟式ボールを寄贈するなど、普及活動に心血を注いでおり、引き続き野球振興に尽力する意向を示した。

 神奈川県野球協議会の副会長を務める、神奈川大学野球連盟の佐々木正雄理事長は「ここまで切実な思いをしながら、先生方が踏ん張っている。もっともっと中学野球の実態を知らなきゃいけないし、現実を発信していく必要がある。プロアマが一丸となって、中学軟式野球を大切にしていくべきだ」と持論を展開。

野球人口を増やすための大きな教育的役割を担う中学軟式野球を、今後も様々な形でサポートしていく。(加藤 弘士)

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