第108回全国高校野球選手権が5日に甲子園で開幕し、昨年に続いて暑さ対策で午後4時から開会式が行われた。選手宣誓の大役を務めた八王子実践(西東京)の矢沢陵磨主将(3年)は、言葉を選びながら7月末に起こった「令和8年熊本地震」への思いを込めて堂々の宣誓をした。

 憧れ続けた聖地で、選手宣誓の大役を務め上げた。八王子実践・矢沢主将の力強い言葉が、甲子園に響き渡った。「いま野球ができることは決して当たり前ではありません。だからこそ、高校球児はいい顔をして野球をしよう」。チームスローガンである「いい顔をして―」を盛り込んだメッセージに、大きな拍手が送られた。

 慎重に言葉を選び、大きな被害に見舞われた熊本への思いも込めた。「自然は何度も、何度も大きな試練を与えてきます」。被災者の受け取り方を考慮して、直接的な表現は避けた。「困難を乗り越えるためには前を向いて、仲間とともに支え合うというところにつながれば、という思いで入れました」と明かした。

 河本ロバート監督(40)からは「観客の方々をジャガイモだと思って頑張れ」と助言をもらい、200回を超える練習の成果を発揮。「自分には120点ぐらいあげたい」と胸を張った。初戦は第5日第3試合で、相手は鳴門渦潮(徳島)。

「いい顔をして一戦必勝で、自分たちの野球をしっかり披露して、まずは1勝を必ずつかみ取りたい」。次はプレーで万雷の拍手を浴びるつもりだ。

 ◆八王子実践・矢沢主将の選手宣誓全文

 宣誓 私たちは全ての方々に感謝を抱き、戦っていきます。人生には幾多の困難が待ち受けています。

人々が明日へ踏み出そうと歩みを進める度に、自然は何度も、何度も大きな試練を与えてきます。

しかし、困難は下を向く要因ではなく、前を向き、仲間とともに支え合い、道を切り開く大きな原動力である。私たちはそう信じています。

いま野球ができることは決して当たり前ではありません。だからこそ、高校球児はいい顔をして野球をしよう。

 いい顔の概念は状況によって変わります。

戦いに身を投じている時の緊張した顔。勝負に敗れ、涙をグッとこらえる顔。

感謝の気持ちにあふれた満面の笑顔。

 いい顔で日々を過ごすことは、周りの方々に元気や希望を与えられます。

移りゆくこの時代に、選手が、高校球児が大きな戦いを頑張るためには27個の最後のアウトを全員が頑張ってつかみ取ることだと思います。

 この聖地、甲子園で野球ができることへの感謝を胸に、多くの人々に感動と勇気を与えられるよう、全力疾走で駆け抜け、プレーすることを誓います。

 令和8年8月5日 選手代表 八王子実践高等学校野球部主将 矢沢陵磨    

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