生成AI利用率は8割超も3人に1人が「コア業務活用」に課題 AI活用は汎用業務に集中
うるるBPOは、100名以上の規模の会社に所属するビジネスパーソン1,201名を対象に「生成AI導入後の利用実態と課題に関する調査」を実施し、その結果を公表した。

■全社的に生成AIの導入・利用が推奨されている層のうち、「日常的に利用している」のは64.3%にとどまる

職場における生成AIの導入・許可状況と、個人の業務における利用頻度の関係を分析したところ、全社的に生成AIの導入・利用が推奨されている1,029名のうち、「日常的に利用している(ほぼ毎日)」と回答したのは64.3%にとどまり、約3人に1人(31.8%)は「時々利用(月に数回程度)」にとどまっていることがわかった。

生成AIが全社的に導入・推奨され利用できる環境が整っているものの、利用頻度が少ない、あるいは全く利用していない層の合計が3割以上にのぼることから、日常利用が定着しない背景には、看過できない「壁」が潜んでいることがうかがえる。


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職場における生成AIの導入・許可状況と、個人の業務における利用頻度全社的に生成AIの導入・利用が推奨されている1,029名に現在業務で利用している生成AIツールを聞いたところ、「ChatGPT(OpenAI)」が55.2%で最も多く、次いで「Microsoft Copilot」が50.3%、「Google Gemini」が47.7%と続いた。

一方、「Claude(Anthropic)」は12.3%、「社内独自開発/カスタマイズ生成AI」は9.4%にとどまった。

Claudeの進化が話題に上がる中、主要3ツールの利用がいずれも約半数前後という高い普及率を示しており、複数の生成AIツールを並行して業務利用するビジネスパーソンが増えていることが読み取れる。

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現在業務で利用している生成AIツール

■組織として業務で生成AIを利用している人は8割を超える

個人での生成AIの利用状況について聞いたところ、「かなり利用している」(38.2%)と「やや利用している」(44.6%)を合わせると82.8%となり、8割以上のビジネスパーソンが日常的に生成AIを業務に取り入れていることが明らかに。

組織における生成AIの利用状況については、「かなり利用している」(32.6%)と「やや利用している」(48.3%)の合計が80.9%に達し、個人での利用と同様、組織レベルでも生成AIの利用が広く浸透していることがわかった。

生成AI利用率は8割超も3人に1人が「コア業務活用」に課題 AI活用は汎用業務に集中
個人での生成AIの利用状況・組織における生成AIの利用状況組織での生成AI活用に向けた取り組みについて聞いたところ、「生成AIが読み取りやすいデータ形式への整理・構造化(AI-Readyなデータ整備)」(45.0%)が最多。次いで「生成AIが参照する『ナレッジ』の集約・デジタル化」(43.7%)、「セキュリティ環境や社内ルールの策定」(40.9%)が続いた。

データ基盤やガバナンス整備を優先する一方で、「情報の正確性を検証するフローの構築」(30.6%)や「プロンプトの共有・テンプレート化」(26.9%)など、実務的な運用体制づくりも多くの企業が並行して進めていることがうかがえる。

生成AI利用率は8割超も3人に1人が「コア業務活用」に課題 AI活用は汎用業務に集中
組織での生成AI活用に向けた取り組み組織における生成AIの利用状況について「あまり利用していない/全く利用していない」と答えた人に、今後、組織における生成AI利用を促進するための現在の取り組み状況について聞いたところ、「取り組みを積極的に進めている」(2.6%)と「取り組みを進めている」(28.4%)の合計は31.0%にとどまった。

一方、「取り組んでいるが、あまり進んでいない」(31.4%)、「取り組んでいるが、全く進んでいない」(12.2%)、「取り組めていない」(25.3%)を合わせるとおよそ7割と、生成AI利用促進に向けた取り組みには課題があることがわかった。

生成AI利用率は8割超も3人に1人が「コア業務活用」に課題 AI活用は汎用業務に集中
今後、組織における生成AI利用を促進するための現在の取り組み状況生成AIを利用して、個人で「業務効率化ができており、生産性向上を実現できている」業務を聞いたところ、「汎用生成AIチャットを用いた文章作成(メール・資料の下書きなど)」が49.2%で最多に。

次いで「アイデア出し・文章言い換え」(45.8%)、「メール文のドラフト作成」(44.0%)、「データ入力・集計の簡易チェック」(37.8%)と続いた。

文章作成や編集といった比較的取り組みやすい業務で成果を上げる個人が多い一方、「業務プロセスの自動化」(16.9%)や「顧客対応の高度化」(12.9%)など、より高度な活用での成果実感はまだ限られていることがわかった。


生成AI利用率は8割超も3人に1人が「コア業務活用」に課題 AI活用は汎用業務に集中
生成AIを利用して、個人で「業務効率化ができており、生産性向上を実現できている」業務生成AIを活用して、組織として「業務効率化ができており、生産性向上を実現できている」業務を聞いたところ、個人の結果と同様に「汎用生成AIチャットを用いた文章作成」が47.0%でトップとなった。

次いで「アイデア出し・文章言い換え」(39.3%)、「メール文のドラフト作成」(40.3%)が続き、組織全体でも文章作成業務への活用が先行していることがわかった。

個人・組織ともに、まずは比較的ハードルの低い文書作成業務から生産性向上の効果を実感している一方、コア業務や高度な業務への展開はこれからという実態が示された。

生成AI利用率は8割超も3人に1人が「コア業務活用」に課題 AI活用は汎用業務に集中
生成AIを活用して、組織として「業務効率化ができており、生産性向上を実現できている」業務

■生成AIの組織活用における最大の課題は「簡易的な業務には使えているが、コア業務には使えていない」

生成AIを組織で利用して「業務効率化や生産性向上」を実現する上での課題について聞いたところ、「簡易的な業務には使えているが、コア業務には使えていない」(33.6%)が最多に。

次いで「生成AI活用を推進・相談できる専門人材がいない」(30.8%)、「従業員のリテラシーに差がある」(30.1%)、「生成AI活用のためのデータ整備ができていない」(27.1%)と続いた。

生成AIの導入自体は多くの組織で進んでいるものの、活用範囲が簡易的な業務にとどまり、コアな業務への展開が進まないという”AI活用の壁”が共通の課題として浮かび上がった。

また、専門人材の不足や従業員のリテラシーの差、データ基盤の未整備が、組織的な活用拡大を阻む大きな要因となっていることが明らかになった。

生成AI利用率は8割超も3人に1人が「コア業務活用」に課題 AI活用は汎用業務に集中
生成AIを組織で利用して「業務効率化や生産性向上」を実現する上での課題

■生成AI活用が進むほど改善や活用の幅を広げる取り組みに手が回らない実態も明らかに

組織における生成AIの利用状況と、生成AIを組織で利用して「業務効率化や生産性向上」を実現する上での課題を掛け合わせてクロス集計をしたところ、生成AIを「簡易的な業務には使えているが、コア業務には使えていない」と答えた404名のうち、生成AIを「やや利用している」層は50.2%と半数を占め、「かなり利用している」層(33.2%)を大きく上回った。

利用はしているが活用まで踏み出せていない層が、コア業務への展開の壁を最も強く感じており、活用の深化と利用頻度には関連性がある可能性が示唆されている。

「生成AI活用に向き合う余裕がない」と答えた197名では、生成AIを「かなり利用している」層が44.7%と全課題項目の中で最も高い割合を示した。

生成AIを積極的に使っているにもかかわらず、効果的・効率的な活用方法を深く探求する余裕が持てていないという実態を示しており、利用意欲が高い層ほど活用の質を高めることに向き合えていないというジレンマが浮かび上がった。

「生成AI活用のためのデータ整備ができていない」と答えた325名では、生成AIを「かなり利用」と「やや利用」の合計が86.0%以上に達しており、すでに一定の活用が進んでいる組織においても、次のステージに進むためのデータ基盤の不足が共通の課題となっていることが示された。

これらの結果から、「使う」ことはできていても「使いこなす」ための時間・環境・基盤が整っていないという構造的な課題が、組織の生成AI活用を阻んでいることが明らかになった。


生成AI利用率は8割超も3人に1人が「コア業務活用」に課題 AI活用は汎用業務に集中
生成AI活用の課題と組織での生成AI利用度【調査概要
調査名:業務現場における生成AI導入後の利用状況と課題に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査対象:100名以上の規模の会社に所属する係長以上の役職者1,201名
調査期間:2026年3月25日~26日
サンプル数:1,201名

※同分析は、職場での生成AIツール導入・許可状況と、現在の業務における生成AI利用頻度に関するスクリーニング設問(いずれも単一回答)のクロス分析結果である。

<参考>うるるBPO『生成AI導入後の利用実態と課題に関する調査
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