声優といえば、声の演技でキャラクターに命を吹き込む仕事。しかしときには演技の枠を超え、アフレコの前段階からアニメ制作に携わる方もいます。


2024年夏アニメでは、声優が企画や原案などを手がけている作品が2本放送中。視聴者からの評価は両極端で、一方は「ヤバい」との声が飛び交い、もう一方では「ありがたい」という感想が見られます。声優たちのこだわりや個性が詰まった、2つの作品をのぞいてみましょう。

■絵面も声もストーリーも「ヤバい」! キャラ原案・江口拓也の『エグミレガシー』
まず紹介するのは、「ヤバい」と評判の『エグミレガシー』。声優界きっての画伯として有名な江口拓也さんがキャラクター原案を手がけているアニメです。

江口さんといえば、シュールなタッチのイラストや、一度見たら忘れられない絵柄でたびたび話題になる声優。そんな江口さんがMASAKA株式会社とともに開発したカードゲーム『EGUMI LEGACY』がもとになり、アニメ版『エグミレガシー』が生まれました。

ストーリーの冒頭では、歌姫「エンドオブザワールド」が突如失踪。彼女の行方を捜索するなかで、登場人物たちのさまざまな思惑がぶつかっていきます。

ときにミステリー、ときにサスペンスめいたストーリーが展開されていますが、視聴者からは「絵面がやばすぎて話が頭に入らない」との声が。江口さんのイラストが動いてしゃべる映像だけでも、絶大なインパクトを生んでいます。

さらに「ヤバい」のが、豪華なキャスト陣です。
江口拓也さんはもちろん、斉藤壮馬さん、西山宏太朗さん、神尾晋一郎さん、青山吉能さんなどが出演。江口さんが所属する事務所・81プロデュースの声優陣が集結しています。

最初は「なぜこのキャラからこんなにいい声が!?」と面食らうかもしれませんが、だんだん声と見た目の親和性が高くなっていくのでご安心を。気づけば声とキャラのギャップがなくなり、自然と話に集中している自分がいるはずです。

そして中毒性のあるストーリーも「ヤバい」と好評。当初は不条理なギャグやカオスな展開が際立っていましたが、回を追うごとに「おもしろい」、「ちゃんとストーリーがある」と気づく視聴者が続出。現実と幻覚の境が曖昧になる描写のなかにも、伏線が仕込まれているように見えます。エンドオブザワールドはなぜ失踪したのか、そしてタイトルにもなっている「エグミレガシー」の正体とは……。
配信サイトにあわせてYouTubeでも期間限定で第1話~第6話が公開中。物語の真相をぜひ確かめてみてください!

■実写パートも「ありがたい」。津田健次郎×浪川大輔の『現代誤訳』
「ありがたい」との感想が多数見られるのが、『現代誤訳/超電導会議 ~Documentary of 現代誤訳~』。津田健次郎さんと浪川大輔さんが企画段階から全面的にプロデュースしたアニメです。


ひとつの作品で、声優の演技と素の顔をどちらも楽しめるのが特徴的。前半の『現代誤訳』では、着ぐるみ姿のキャラクターが、偉人が残した名言に新たな解釈を加えたコントを披露します。後半の『超電導会議 ~Documentary of 現代誤訳~』は実写パート。津田さんと浪川さんのトークや、アニメ制作の舞台裏を記録したドキュメンタリー映像が流れます。

「ありがたい」と言われている要素のひとつが、キャスト同士のやりとり。実写パートでは津田さんと浪川さんが、自身の演じているキャラクターとおそろいの着ぐるみ姿で登場し、アニメ制作を振り返ります。

企画会議のシーンやアフレコでのディレクションなど、ファンにとってはたまらない映像が盛りだくさん。本編では使われなかった浪川さんの仮ボイスなど、ここでしか見られない場面だらけです。そのため視聴者も「収録シーンや裏話が見られてありがたい」と、喜びの声をSNSに投稿しています。

続いての「ありがたい」ポイントは、声優陣の演技。本作は劇中劇としてコントが上演されるため、同じキャラクターが毎回別の役柄を演じています。コントによっては、女性役も登場。
しかしキャラクターは全員男性なので、男性声優が女性を演じることも珍しくありません。そのためほかの作品ではなかなか聴けない貴重な女性ボイスや意外な配役に、ありがたみを感じた視聴者も見られます。ちなみにYouTubeではアニメ本編の前日譚も公開中。キャラクターの意外な一面が描かれているので、ぜひチェックしてみてください。

また、肩の力を抜いて見られる「ゆるさ」もありがたい点。着ぐるみのビジュアルや、津田さんと浪川さんのリラックスしたトークなどに、ゆるさが詰まっています。なかには癒やしの時間として楽しんでいる視聴者も。コントでも実写パートでも笑顔になれる作品です。

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声優たちの持ち味が光る『エグミレガシー』と『現代誤訳』。未見の方はぜひ、各作品の「ヤバさ」や「ありがたさ」を体感してみてはいかがでしょうか。両作品とも本編は10分程度のショートアニメなので、スキマ時間で見るのもおすすめです!

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