「文春オンライン」(22日)と「NEWSポストセブン」(23日)は、音楽プロデューサーの小室哲哉氏と歌手のKEIKO夫妻が“離婚調停中”であり、さらに小室が18年に不倫を報じられた相手女性との交際が継続中だと報じた。

 2人の歩んできた歴史は、まさに“天国と地獄”といえる。

マーク・パンサーを含む3人で組んだユニット・globeは1990年代に一世を風靡し、その勢いに押されるかのように小室氏とKEIKOは2002年に結婚。しかし、小室氏は08年に会社社長から5億円を騙し取った詐欺容疑で逮捕され、稀代のヒットメーカーの凋落が世間を驚かせた。スポーツ紙記者は語る。

「被害額も大きかったため、実刑もあり得るという見方もあった。逮捕後、KEIKOが関係各所へ頭を下げて回り、エイベックスの松浦勝人会長と千葉龍平副社長(当時)などに保釈金や損害賠償金などの支払いのため約6億円を借りたといわれています。懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けて実刑は免れましたが、裁判で小室氏は、恥ずかしげもなく涙を流しながら『自分は何も知らなかった』『意図的なものではなかった』と世間知らずを装い、多くの関係者を呆れさせていました。その後は、エイベックスの支援を得ることで、音楽活動を続けていったのです」

 KEIKOにも不幸が訪れる。11年にくも膜下出血に襲われ、大手術の末に一命はとりとめたものの、高次脳機能障害が残り要介護の状態となったのだ。小室氏は献身的に介護をしていると思われていた18年、小室に看護師の女性との不倫疑惑が浮上。小室氏は釈明会見で不倫を否定したものの、その女性と深い関係になった原因について“介護疲れ”を挙げ、さらに当時のKEIKOの状況について「女性というより女の子」「リハビリのために小学4年生の漢字ドリルを勉強している」などと語った。

 前出の「文春」「ポストセブン」の報道によれば、この不倫疑惑が出た時期にはKEIKOは要介護状態を脱して普通に日常生活を送れるレベルまで回復しており、そもそも別居状態だったため小室氏はKEIKOの介護などしていなかったという。週刊誌記者はいう。

「詐欺事件の裁判でも不倫の釈明会見でも、小室氏は隠すことなく涙を流し弱々しい様子を見せ、自身の愚かさを後悔するかのような発言を繰り出していましたが、結局、すべては同情を買うための演技だったのだと、今となってはよくわかります。世間はそんな小室氏のマジックに騙されていたということです。

 釈明会見で芸能活動の引退を宣言したのも、“一般人”になれば自分のプライベートを報じられずにすむと考えた結果でしょうが、大きく目論見が崩れた格好となりました」

 小室氏にまつわる報道にネット上では批判が噴出しており、「どん底の時に支えてくれた妻にこの仕打ちですか。人間としてあまりにもひどい」「誰かを大切に思うという心情が決定的に欠けてるんだと思う」「結局小室さんは女を切らさず渡り歩きたいだけなのでしょうね」といった声が相次いでいる。

婚姻費用や養育費の額は科学的に算出

 ちなみに前出「ポストセブン」の報道によれば、小室氏はKEIKOとの「婚姻費用分担請求調停」において、年収が約1億円あるにもかかわらず税金や経費を引いた基礎収入が600万円ほどだと主張し、KEIKOへ婚姻費用として月額8万円を提示しているとのことだが、これについて弁護士法人ALG&Associates執行役員の山岸純弁護士は次のような見解を示す。

「実は、婚姻費用の額や養育費の額は、なんとなくこんな感じでいいやとか、いじわるしてこのくらいにしよう、といったように主観で決められるようなものではなく、これまで、東京家庭裁判所や大阪家庭裁判所の高名な裁判官が吟味して、科学的に算出する方法を導き出しています。

 したがって、小室氏が、いくら『基礎収入は600万円』と主張したところで、家庭裁判所に提出される確定申告書などの資料によって客観的・科学的に算定されるので、虚偽主張は通りにくいわけです。

 他方で、『基礎収入は600万円』という主張にもなんらかの根拠はあるのでしょうから、あとからその主張が認められなかったとしても、刑事事件などを問われる可能性は低いと考えられます。

 ただし、私は15年近く、夫・父親側、妻・母親側、どちら側でも離婚調停の弁護活動をしていますが、収入をごまかしたりして婚姻費用や養育費の額をいかに低くしようかと考えているような夫・父親側は、結局、“小さい人間”であり、聞けば会社や社会でもそういう人生を送っていると感じますし、また、たとえ離婚の話になったとしても、一度は愛した妻、子供のために科学的に算出されるおカネを支払うことを惜しまない(ケチケチしない)夫・父親側は、その収入や地位に関係なく、“大きな人間”であると感じております。

(月100万円と報じられている)小室氏の賃貸マンションの家賃は、自分の給与から支払っているのではなく、『会社の社宅』として会社の経費としているのでしょう。税務署から『この人のための経費として相応しくない』と判断されれば税務上の問題は発生しますが、『借金も返さず自分のための経費ばかり使っている』こと自体は、この方の人間性、徳、考え方に対する評価は別として、法的な責任を追及することは困難です。

 この意味では、離婚という人生の岐路にたった時、特に男性はその“人間性”が如実に顕れるということがよくわかります」

果たして小室氏が再び“涙の釈明会見”を開く日は来るのだろうか。

(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士)

●山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役員・弁護士

 時事ネタや芸能ニュースを、法律という観点からわかりやすく解説することを目指し、日々研鑽を重ね、各種メディアで活躍している。弁護士法人ALG&Associates執行役員として法律事務所を経営し、また同法人によせられる離婚相談、相続問題、刑事問題を取り扱う民事・刑事事業部長として後輩の指導・育成も行っている。芸能などのニュースに関して、テレビやラジオなど各種メディアに多数出演。また、企業向け労務問題、民泊ビジネス、PTA関連問題など、注目度の高いセミナーにて講師を務める。労務関連の書籍では、寄せられる質問に対する回答・解説を定期的に行っている。弁護士としては、企業法務、交通事故問題、離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験を離婚、相続、刑事弁護など幅広い分野を扱い、特に訴訟等の紛争業務にて培った経験をさまざまな方面で活かしている。

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