「人生100年時代」と言われる今、20代からの資産形成は待ったなし。とはいえ「投資の目利き力、どうやって磨く?」と悩む人も多いはず。
年収1,000万円を超えたのに、なぜか「資産が増えている実感がない」。そんな違和感を覚えたことはないでしょうか。実はこのゾーンに入った瞬間、資産形成のルールは大きく変わります。それに気づかないまま同じ行動を続けると、収入が増えても資産は思うように残りません。では、何が分岐点になるのか——。
今回は、元外資系プライベートバンカーで、高所得準富裕層向けのアカデミー「HENRY’S Academy」と「Dual Academy Club」を主宰する斉木愛子氏にお話を伺いました。
年収1,000万円を超えると実感する変化
――斉木さんは年収1,000万円以上の高所得会社員や、世帯年収2,000万円以上のパワーカップルに特化したウェルスマネジメントスクールやコミュニティを主宰されていますが、年収1,000万円を超えたら、具体的にはどのような変化があるのでしょうか?
斉木愛子氏(以下、斉木氏):給与所得で年収1,000万円を超えたり、世帯年収で2,000万円が超えてくると、それに伴って所得税率が上がり、社会保険料などを支払った後の手取りが少なくなる感覚が強まる所得水準です。
ここで、NISA・iDeCo・ふるさと納税など最低限の税金対策や非課税制度など、最低限の制度を利用する人と、税理士の意見も取り入れながら積極的に税金対策する人で大きな手取り額に差が出てきます。
例えば、築古不動産や海外不動産などで積極的に償却をとりにいって税金対策をする人。
個人の所得をこれ以上上げても税金が増えるだけと気づき、資産管理会社などをつくって所得分散をしたり、副業で個人事業主登録をして一部を経費算入させるなど、経費を活用した税金対策をする人。
私が外資系の証券会社に勤務していた頃は、同僚や先輩は後者の選択をしている人が多かったのですが、周囲に実践している人がいないとなかなか情報も入ってこないのが普通だと思います。
ただ、個人的に一番の問題は、「よくわからないし難しいからなにもしない」という思考を停止している人が多いという点だと思っています。
確かに、金融の専門用語は難しかったり、数字ばかりで最初はとっつきにくいかと思いますが、インフレや円安という環境で円預金をしているだけで相対的に資産価値が目減りしていることや、「なにも資産運用しないリスク」も一度考えてみてほしいと感じますね。
政府の方針に乗っかって投資を推奨するわけではないのですが、自分自身の資産運用について考えることを放棄しないでほしいです。たくさんの選択肢を知った上で、「私はやはり安全資産が一番、節税対策もしない」という結論を出すのはいいんですけど、ほとんどの方は他の人がどういった資産運用をしているか知らないので、SNSなどの情報で一般的なことだけ知って自分の資産運用に落とし込めて最適化するまで至っていない。
選択肢を知らないまま何もしないとどうなるか、50-60代になった時に周囲に比べて資産がなく、子どもに十分な教育費をかけられないとか、定年後も生活費のために働き続けないといけないといったインカムリッチだけどウェルスリッチではない状態を迎えることを懸念しています。
また、私たち親世代のマネーリテラシーが子どもの金融教育やリテラシーにも差が出てくるので、お子さんがいる世帯の方にはもっと積極的に資産運用について学んでほしいですね。
HENRYとは? 「収入は高いけど資産は少ない」という状況
――米国で生まれたHENRY(ヘンリー)という言葉はどういった意味でしょうか?
斉木氏:「HENRY=High Earners, Not Rich Yet」は、文字どおり「稼ぎは高いがリッチじゃない」という意味ですが、私の主宰するアカデミーでは、年収が1,000万円以上または世帯年収が2,000万円以上でありながら十分な資産形成が出来ていない30-50代の方々と定義しています。
こうした方々に必要な情報は、NISAで何に投資するかなどの一般情報ではなく、自身のライフステージに合わせて個別最適化された資産運用の設計図です。子どもは何人いるのか、共働きなのか、シングルなのか、DINKSなのかという世帯構成から、ずっと日本で暮らすのか数年海外に移住するのか、地方で暮らすのか、といった居住地に至っても千差万別で選択肢によって将来必要なキャッシュフローや資産運用で目指すべき資産額目標は大きく変わってきます。
また、一般的なマネースクールや資産運用コミュニティでは金融商品の解説やマーケット情報の見方など、資産運用ど真ん中の知識について学ぶ機会が多いと思いますが、一定の年収がある30-50代の方だと本を読めばわかる情報ではなく、実際の事例や最新の制度情報を求めています。
具体的には、自分と同じ年収や資産クラスの人たちが何に投資しているのか、米国ETFであればどの銘柄で分散していて、暗号資産に投資する場合はどの取引所を使っているか。税制では毎年ルールが変わることもあり、今年から資産税でどんな変化があり、自分の税金対策は万全なのか等々。
ほかにも、資産運用だけではなく副業の始め方、それに伴う税制、兼業の選択肢などに関心が高い方が多いのもHENRY層の特徴だと思います。副業というとお小遣い稼ぎのイメージがあるかもしれませんが「複業(パラレルキャリア)」として、本業の勤務先以外に社外取締役や顧問、アドバイザーとして業務委託でコンサルをしたり、社団法人の理事やスクール講師としての登壇など老年期の社会との繋がり方と勤務先に依存しない収入構造の作り方には関心がある人が多いけれど、学ぶ場がない。
私の主宰するアカデミーでは、こうした生きた最新事例をもとに自分自身の資産運用やキャリアの設計図を作る伴走をしています。
お金を効率的に「増やす・守る・使う」戦略
――資産運用というと、何に投資すればよいかという議論に終始しがちですが重要なのはそこだけではないということですか?
斉木氏:そうですね。HENRY層にとって重要なのは、単に資産を「増やす」ことではなく、その手段や構造に多様性を持たせることです。
例えば、年収1,000万円・貯金1,000万円の方がNISAで年間上限の360万円を年利5%で運用した場合、得られる利益は約18万円にとどまります。一方で、同じ1,000万円でも特定口座で運用すれば、年利5%で税引後約40万円、10%であれば約80万円と、資産の置き方によってリターンは大きく変わります。
さらに、5,000万円の投資用不動産をフルローンで取得し、表面利回り5%で運用すれば、年間の家賃収入は約250万円になります。もちろん、ここから経費やローン返済が差し引かれるため手元に残る金額は別途精査が必要ですが、こうした比較からも分かる通り、同じ資産規模でも戦略次第でお金の増え方は大きく変わります。
重要なのは、「どの商品に投資するか」だけでなく、「どの構造で資産を持つか」という視点です。
資産運用以外にも、個人の所得基盤の多様化という観点は今後広まっていくと考えています。30-50代のビジネスプロフェッショナルの方であれば一定の業務経験やノウハウが溜まっているのでそれをKindle書籍にまとめてみるとか、有料noteで販売してみるとか、スポットコンサルでコンサルフィーを得てみるなど、月5万円・10万円の副収入って思ったより簡単に作ることができるんですけど、近くに実際やっている人や具体的にどうやるか聞いてみないとなかなか一歩が踏み出せない。
一概にお金を増やすといっても資産運用で増やすだけではなく、稼ぎ力を上げるとか多様化させることも「増やす」の戦略に入っています。
次に「守る」戦略ですが、冒頭でもお伝えした税金対策の部分は「会社員にできるのはiDeCoとふるさと納税くらい」と考えている人が多く、次なる一手についてハードルを高く考えている人が多いと感じます。
私自身も40歳になったタイミングでFP(ファイナンシャルプランナー)や税理士の方に個別に相続税評価額をしてもらったところ、富裕層レベルの資産規模ではなくても自分が亡くなったら夫には非課税枠で相続できるものの、小学生の子どもたちには数百万円規模の相続税が発生することがわかり、子どもへの生前贈与や子どもNISAや保険を使った相続対策は必要だなと感じたので他人事ではありません。
最後に「使う」戦略ですが、30-50代は最も支出も多くなる年代ということもあり、必要以上に貯金や節約をして手元キャッシュを厚くするのではなく、一定金額は経験に変換しないと豊かな人生は送れないと考えています。
資産運用は最大化を目指すのではなく、安心や選択肢の確保をゴールに見据えるものであって、そのゴールに最低いくら必要なのかわかれば、旅行や趣味、住居費や子どもの教育費なども適正な支出イメージがつかめるので漠然としたお金の不安は解消して人生を豊かにする経験や体験消費をしてほしいですね。そのためにも将来の支出計画をしっかり可視化して逆算して今使う戦略が大事です。
こうした「増やす・守る・使う」戦略は、自分だけだとなかなか決め切ることが難しいので、「HENRY’S Academy」や「Dual Academy Club」などのスクールやコミュニティを活用して有識者や同じ資産クラスの方と交流して学ぶ機会を検討してみてもらえたらと思います。
中島宏明 なかじまひろあき 1986年、埼玉県生まれ。2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の企業で顧問・アドバイザーを務める。新田信行氏との共著『働くこと、生きること、つながること ―ダイコクさんが教えてくれた仕事と人生のヒント―』(マイナビ出版)が発売中。











![[USBで録画や再生可能]Tinguポータブルテレビ テレビ小型 14.1インチ 高齢者向け 病院使用可能 大画面 大音量 簡単操作 車中泊 車載用バッグ付き 良い画質 HDMI端子搭載 録画機能 YouTube視聴可能 モバイルバッテリーに対応 AC電源・車載電源に対応 スタンド/吊り下げ/車載の3種類設置 リモコン付き 遠距離操作可能 タイムシフト機能付き 底部ボタン 軽量 (14.1インチ)](https://m.media-amazon.com/images/I/51-Yonm5vZL._SL500_.jpg)