NordVPNは2026年5月19日、世界22ヵ国・22,000人を対象に実施したデータプライバシー意識調査を発表した。本調査は2026年2月10日から4月8日にかけて、18歳から74歳の日本1,005名、グローバル22,000名を対象に、NordVPN・Cintパネル等を通じて実施されたもの。


○世界最下位は日本、トップのメキシコと大きな差

22ヵ国の平均スコアは71%である。上位はメキシコ(81%)、香港・台湾(ともに79%)とラテンアメリカ・東アジア勢が底上げする一方、下位はベルギー(66%)、そして最下位は日本(53%)となった。次点のベルギーとの差は13ポイントと、他国から突出した低さとなっている。
○データ侵害通知の需要が高く、日本と北欧は制度に依存する傾向

データ侵害時に即座に知らせてほしいという通知のニーズはグローバル平均で87%と全指標中最高であり、22ヵ国共通の傾向である。なかでもノルウェーは96%でトップとなり、日本(77%)はこの指標でも最下位圏にある。

ブラジル・アルゼンチン・メキシコ、台湾・香港はリスク対策スコアが特に高く、心配なことがあれば自分で行動するタイプであり、ラテンアメリカ・東アジアが自分で守る意識が高い傾向にある。全22ヵ国で知識や通知と比べ、自信やコントロールは一貫して低い値である。知っていることと守れている実感の間には構造的なギャップが存在している。

スウェーデン・ノルウェー・デンマークの北欧諸国の通知ニーズは世界最高水準でありながら、リスク対策行動は世界最低水準である。制度や法規制側に対応を期待する文化的傾向が反映されており、日本も同様の傾向を示す。
○日本は全5指標で最下位、コントロール感と知識の低さが顕著

5つのプライバシー指標の平均スコアで比較すると、日本は53%で22ヵ国中の最下位である。次に低いベルギー(66%)を13ポイント、22ヵ国の平均(71%)を18ポイント下回り、突出した位置にある。


特に低い指標として、オンライン上での個人データの取り扱いをコントロールできていると感じる割合であるコントロール感が39%となり、全指標中最低水準である。オンラインサービスやSNSが自分のデータをどう収集・利用しているか理解していると答えた割合である知識は44%にとどまる。
○通知ニーズとコントロール感の乖離、日本は世界3位の深刻さ

日本人の77%が個人データが侵害された場合はすぐに通知してほしいと回答した一方、自分でデータをコントロールできていると感じる人は39%である。この38ポイントという乖離は、スウェーデン(46pt)・ノルウェー(41pt)に次ぐ世界3位の深刻さである。

この危機感はあるが自分の行動では守れないという心理構造は北欧と日本に特徴的であり、セキュリティ意識は高いにもかかわらず、自分の行動よりも企業・行政側の制度整備に解決を委ねる制度依存型のプライバシー観が背景にあると考えられる。
○「わからない」回答率も最多、リテラシーの底上げが不可避

今回の調査で日本は、すべての設問においてわからないと答えた割合も22ヵ国中で最も高くなった。これは単なる意見の対立ではなく、データプライバシーというテーマそのものへの不慣れを意味している。強い意見を表明しにくい文化的背景に加え、デジタルプライバシーに関する基礎リテラシーの底上げが社会的に急務であることを示している。
○シニア層の強い不安と若年層の自己効力感、世代間の格差

各指標で属性による差が明確に現れた。即座に知らせてほしいという通知の指標において、最も強い層は65~74歳(団塊世代)・退職者であり、不正アクセスや詐欺への脆弱性不安が最も強く表れている。最も小さい層は18~44歳(Z世代・ミレニアル世代)・学生・低学歴層であり、誰かが守ってくれるはずという受動的な意識や、具体的なセキュリティ改善の効果を実感した経験の乏しさを反映していると考えられる。

自分で守れているというコントロールの指標において、高い層は18~34歳の若年層、または修士・博士号取得者、あるいはフリーランス・経営者である。
低い層は55~74歳(X世代・団塊世代)・退職者であり、自分のデータの管理はプラットフォームに委ねるしかないという感覚が広がっている。

プライバシー設定を定期的に見直しているというリスク対策の指標において、最も行動している層は男性、または18~24歳のZ世代、子どものいる世帯、自営業者・経営者である。最も行動していない層は65~74歳・退職者であり、デジタル操作自体が難しいことや設定画面の場所が分からないといった障壁が行動の低さに繋がっていると見られる。

年代、学歴、職業のどの軸で見てもデジタルリテラシーの格差がプライバシーに対する安心感の格差にそのまま現れる構造が鮮明であり、知っている人が必ずしも守れているとは限らない事実がデータから読み取れる。
○権限見直しや二要素認証など、今日から実践できる5つの習慣

プライバシーを守るには日々の利用シーンで小さな判断を積み重ねる必要があり、月に一度の権限見直しとURLの確認、二要素認証の徹底という基本動作を習慣化してほしいとして、以下の5つの対策を推奨している。

・不要な位置情報・連絡先・カメラ・マイク・写真へのアクセスを即削除するため、アプリの権限を月に一度見直すこと

・万一パスワードが漏えいしても不正ログインを防げるよう、パスワードは使い回さず多要素認証(2FA)を必ず有効化すること

・サービス側のアップデートで設定が変わることがあるため、SNS・ショッピングサイトのプライバシー設定を定期的に確認すること

・URLを必ず確認し、初めて使うお店にカード情報を残さないよう、支払い情報の保存は信頼できるサイトに限定すること

・NordVPNの「脅威対策Pro」のような機能で、悪質サイト、トラッカー、広告、マルウェアを一括で遮断できるよう、セキュリティツールで不要なトラッキングをまとめてブロックすること
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