張本はまだ課題はあるものの、ハマった時の爆発力は中国勢を凌駕するものがある(C)Getty Images

 卓球世界選手権(以下世界卓球)の男子団体戦決勝が現地時間5月10日に開催地ロンドンで行われ、中国が日本を3-0で下し、通算24回目の優勝を飾るとともに、2001年の大阪大会から続く連覇を12にまで伸ばした(2020年の釜山大会は中止)。

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 今大会の中国は調子が安定せず、予選リーグで韓国、スウェーデンに相次いで敗れた。

中国の世界卓球での敗戦は2000年のクアラルンプール大会でスウェーデンに敗れて以来26年ぶりの「怪挙」だった。世界ランク1位の王楚欽こそ盤石だったが、次世代の主力と目される林詩棟(同6位)、梁靖崑(同21位)が不調で、チームとしての強さを発揮できなかった。

 一方の日本も決して万全とは言えなかった。予選初戦のドイツ、最終戦のフランスにいずれも競り負けた。予選リーグを通じて張本智和(同3位)が2敗、松島輝空(同8位)3敗と調子が上がらないまま。中国、日本ともステージ1aに属していたため、今大会から採用されたルールで予選通過は確定していたが、「普通」の予選リーグなら敗退していてもおかしくない状態だった。

 決勝トーナメントに進んでからは両チームともに持ち直し、日本はドイツ、中国は韓国といういずれも予選リーグで敗れた相手に準々決勝でリベンジを果たし、決勝まで駒を進めた。

 決勝は1番手の張本が梁靖崑を相手に2ゲームを先取したものの、最後は押し切られた。王楚欽に挑んだ2番手・松島も1ゲームを先取する健闘を見せたが、ゲームカウント1-3で敗戦。3番手の戸上隼輔(同18位)は林詩棟に2ゲーム先取され、3ゲーム目をなんとか取り返したものの、そこで力尽きた。一頃の全く歯が立たない、という状態からは脱したようには見えるが、まだまだ実力には開きがあると言わざるを得ない。

 中国の優勝を受けて、中国の大手メディアは祝福する記事で賑わった。

しかし一方で絶対的な強さが失われたと、危機感を露わにした論調も数多く見られた。実際に、韓国とスウェーデンには敗れたし、日本との決勝戦も、スコアこそ開いたものの、一時期の圧倒的な強さは失われ、日本の選手たちに食い下がられたと感じさせる内容だった。

 SNSにも、韓国、スウェーデンに連敗したことにショックを受けているという内容の投稿が数多く見られ、「王楚欽に頼りすぎ」「林詩棟の起用は不安」「世代交代が進んでいない」と将来を憂う声が飛び交っている。日本を警戒する声もあり、エース張本への賛辞の他に松島に対して「日本次世代の星」「最も脅威を感じる選手」とのコメントが寄せられている。

 次回の世界卓球は2028年に福岡で開催される。敗戦後、張本は「自信にするところと課題を明確にして、どこの国にも勝てるように、家に帰って練習します」とのコメントを残した。張本をはじめとした日本選手たちの「課題の解消」が勝るのか、中国の新戦力が台頭してくるのか。今後の日中両国の戦いからは目が離せなくなりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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