◆第21回ヴィクトリアマイル・G1(5月17日、東京競馬場・芝1600メートル)

 マイル女王決定戦、第21回ヴィクトリアマイル・G1は17日、東京競馬場の芝1600メートルで行われる。中心は前哨戦の阪神牝馬Sを制したエンブロイダリーと、2着で同馬の父アドマイヤマーズを管理した友道康夫調教師(62)=栗東=のカムニャック。

4歳両馬の一騎打ちムードが漂う。

 特別な思いがある。カムニャックを送り出す友道調教師にとって、エンブロイダリーは単なる同世代のライバルではない。父はアドマイヤマーズ。自ら手がけたG1・3勝馬の初年度産駒だ。「自分のところにいた馬は種馬でも牝馬でも、子供のことはやはり気になるものだよ」と口にする。

 いつも熱い視線を送っている。昨年の桜花賞は管理馬が遠征していた中山で観戦。レース後には馬主のシルクレーシング・米本昌史代表に電話し た。翌週には、あまり面識のなかった森一調教師にも声をかけた。「『おめでとう』と『ありがとう』の両方だけど、やはり感謝の方が強かったかな。種牡馬にとって、G1を勝つと勝たないでは全然違うから」。

 前走の阪神牝馬Sでは栗東滞在で調整する“孝行娘”の姿を何度も間近で見た。「雄と雌の違いはあるけど、ガッチリしていたマーズと違って、シュッとしている。似てないよね。レースぶりは似てるのに」。そんな父娘の比較を笑顔でできるのも、現役時代にG1・3勝へ導き、種牡馬として送り出しているからだ。

 カムニャックは今まで3度の対戦で1勝2敗。前走の阪神牝馬Sでは首差まで詰め寄った。「普段から前進気勢が出てきているし、以前よりも対応できる。東京の方が走りやすいと思う」。ともに歩んだDNAと真っ向から向き合う今年のマイル女王決定戦。感謝の思いを胸に、全力で立ち向かう。(山本 武志)

 ◆アドマイヤマーズとは 2016年生まれで現10歳のダイワメジャー産駒。

現役時代は18年朝日杯FSと19年NHKマイルCを勝ち、18年には最優秀2歳牡馬に選出された。19年12月には香港マイルを勝利。前月に亡くなった名物オーナーの近藤利一さんに捧げる追悼Vとなった。翌20年は4戦で3着が3回あったが未勝利。この年限りで現役を引退した。

 ◆エンブロイダリーVSカムニャック 過去3度対戦して、エンブロイダリーの2勝1敗。初対決は25年オークスで4番人気のカムニャックがG1初挑戦V。1番人気に推されたエンブロイダリーは9着に沈んだ。秋華賞で2度目の対戦。今度はエンブロイダリーが桜花賞に続く牝馬2冠目。1番人気のカムニャックは16着と大敗した。3度目は前走の阪神牝馬S。

先手を奪ったエンブロイダリーが、上がり最速タイ33秒2で迫るカムニャックを首差しのいで重賞4勝目を挙げた。

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