オランダ代表に対して思い入れが強いがゆえに、スナイデル氏の見方はシビアだ(C)Getty Images

 やはり日本代表との大会初戦は、精鋭軍団にとって“運命”を左右する大一番となりそうだ。

 去る5月27日、オランダ代表は6月12日に開幕する北中米ワールドカップ(W杯)に向けたメンバー26名を発表。

主将のDFフィルジル・ファンダイク(リバプール)を筆頭に、フレンキー・デヨング(バルセロナ)、コディ・ガクポ(リバプール)、ジャスティン・クライファート(ボーンマス)、メンフィス・デパイ(コリンチャンス)など名手たちが顔を揃えた。

【動画】トッテナムを沈黙させた「“信じられない”ボレー」 英メディアも絶賛する三笘薫のゴラッソを見る

 今回のオランダは、負傷からの回復具合が懸念されたメンバーの状態を加味し、25日に発表予定だった正式発表を2日も延期。「より確実にいい状態の選手を選べる」(ロナルド・クーマン監督談)と熟考を重ね、長丁場の大会でも競争力を保てるチームを完成させた。

 智将クーマンの下で洗練された攻撃的サッカーを構築してきたオランダ。単純にネームバリューだけを考えれば、悲願である初の世界一も狙えるスカッドだ。しかし、他でもない国内では彼らに対する見方は厳しい。

「優勝は夢でしかない。準決勝進出すらも高望み」

 そう語るのは、元オランダ代表MFのウェズレイ・スナイデル氏だ。かつて同代表で栄光の10番を背負い、天才肌の司令塔として鳴らした名手は、自身がホストを務めるポッドキャスト番組『Ziggo Sport: Wes & Raf』において、母国が北中米大会で世界制覇をやってのけるかを問われ、「いや、ないね」とキッパリ。「準決勝進出すらも高望みしすぎだ。せいぜい準々決勝が目標だと思う。ただし、それも組み合わせ次第だ」と辛辣な意見を展開した。

 今回のメンバー選考についても、スナイデルには思うところがある。とりわけ問題視したのは、最前線の編成だ。

 選手選びについて「付加価値が必要だった」と経験を優先したクーマン監督は、今季のプレミアリーグで11得点を挙げたジアン・フレミング(バーンリー)を外し、33歳の大型FWボウト・ヴェグホルスト(アヤックス)を招集した。この決定にスナイデル氏は怒る。

「ヴェグホルストはあんなシーズン、ハッキリ言えば、良くなかったシーズンを送ったというのに、それでもワールドカップの代表メンバーに選ばれるなんて、自分には理解ができない。正直言って不思議だし、クーマンの説明も奇妙に感じたよ。『我々の望むスタイルなら彼をうまく活用できる』って。じゃあ、『我々のスタイル』って何だ? 4年前のアルゼンチン戦でちょっとゴールを決めただけの選手がなぜそんなにも必要なんだ? あのポジションなら、他の誰でもいいんじゃないか」

 以前から母国代表には厳しい眼を向け、「日本との初戦が重要になる」と説き伏せてきたスナイデル氏。勝ち上がるためには「運がいる」と皮肉るレジェンドの言葉は、大舞台に挑むイレブンの耳にどう届くだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

編集部おすすめ