モーニング娘。

OGメンバーでタレントの藤本美貴が、今年デビュー20周年を迎え、10月8日には節目を記念したソロライブを開催する。自身のYouTubeチャンネルでの歯に衣着せぬ発言や物怖じしない姿勢が“鋼メンタル”と称されるミキティだが、波乱万丈だった芸能生活20年の振り返りとともに、その強さの秘けつを聞いた。

【写真】デビュー20周年! 37歳・変わらずかわいいミキティ インタビュー撮り下ろしカット

■レッスン生時代にOLを経験→ソロから異例のモー娘。加入→交際発覚で脱退…“怒涛の展開”のアイドル時代

 2000年に行われたモーニング娘。オーディションで落選したが、将来性を買われてデビューを前提としたレッスン生になった藤本。2002年3月に『会えない長い日曜日』でソロデビューをするまでの期間に、芸能活動の準備をする傍ら、所属事務所の“電話番”を任されていた逸話もある。

 「レッスン生時代は、毎日10時頃に事務所へ向かい、事務仕事をして17時になったら帰るOLさんのような生活でしたね。ボイストレーニングとダンスレッスンが週2回ほどありましたが、芸能界へ入った実感はなくて、北海道から上京してきたので『東京に来れた!』ぐらいの気持ちでした。『いつデビューできるのだろう』という不安もありましたが、電話番の生活も充実していました(笑)。スタッフさんが優しかったし、お父さんやお母さんのように見守ってくれた人もいて。仕事帰りに『お腹が空いちゃって…』と言ったら『ご飯行く?』みたいな毎日で楽しかったです」

 ソロデビュー1年目の2002年に4枚のシングルをリリース。年末には「NHK紅白歌合戦」のステージにも立ったが、その直後、突如モーニング娘。
への加入を告げられる。年を明けてソロライブツアーを決行したあと、5月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで行われたグループの公演で、6期の亀井絵里田中れいな道重さゆみと共にモーニング娘。としてステージに立った。

 「ソロで1年間バタバタと慌ただしく活動をして、気がついたらモーニング娘。に入ることになってて…。空気感ができあがっているグループへ入るのは抵抗がありましたね(笑)。私も新人だけど全くの新人ではなかったので、当時のメンバーも複雑だったのかなと思います。“6期”ではあったけど、スタッフさんから『6期集合!』と呼ばれたので行ってみたら『藤本は大丈夫だよ』と言われたこともありましたね(笑)

 パフォーマンスの面でも苦労しました。ダンスの場位置(ステージ上の立ち位置)も細かくて、フォーメーションや歌割りもあって…。すでにいるメンバーが何百回と披露してきた曲を、いきなり一緒に歌って踊れるようになるのは難しかったけど、もうやるしかない状況だったですからね」。

 グループで約4年活動をし、2007年1月にモーニング娘。のリーダーへ就任するも、お笑いコンビ品川庄司庄司智春との交際が発覚してグループを脱退。
まさに怒涛(どとう)の展開だったアイドル時代だが、モーニング娘。への感謝も抱いている。

 「自分1人では見られない景色もたくさん見せてもらえたし、ソロではできない経験を本当にいろいろさせてもらえたので、振り返ると良かったなと思います。集団行動は苦手でしたけど、あのメンバーとだからできたと。家族よりも密な時間を過ごして、友達ではないけど、なんかまとまってるっていうか…不思議な関係性ですよね」。

■「自分のことで悩んだ記憶はあまりない」 称賛される“鋼メンタル”の理由

 2009年に庄司と結婚して三児を授かった藤本は、現在もタレントとして第一線で活躍。さらに自身のYouTubeチャンネル「ハロー!ミキティ」は、登録者数26万人(2022年9月末現在)を誇る。YouTubeでは、ハロプロメンバーとのコラボ共演などアイドル時代からのファンにうれしい企画はもちろん、子どもとの日常を撮影した動画や夫・庄司との仲睦まじいデート動画など、母として妻としての顔が垣間見えることから、新たなファンからの支持を集めている。

 人気の理由にあるのが“鋼メンタル”とも称される、藤本自身の歯に衣着せぬ発言や何事にも物怖じしない姿勢だ。ファンから寄せられる悩みにバッサリ持論を展開するミキティの潔さは気持ちがいい。

 「よく“メンタルが強い”と言われますけど、あまり自覚はありません。自分に対してまっすぐな気持ちでいるだけで(笑)。
YouTubeで悩みや相談に答える企画をやっているんですけど、『世の中の人はみんな悩んでるんだなぁ』と感じますね。私自身は楽観的だし、自分のことで悩んだ記憶はあまりないんです」。

 「今までの人生で一番悩んだことは?」という質問に「なんだろう…思いつかない」というミキティ。もしや「モーニング娘。を脱退した時?」と尋ねると、「いや、その時は逆に悩んでないんです。全く別れる気はなかったので、事務所には『別れないですけどどうします?』みたいな感じでしたね」とキッパリ答える。

 唯一挙げるとすれば育児だと明かすが、それも「子どものことで『もっとこうしたらいいのに』ともどかしく思うことはありますけど、その子ごとの性格があるので、私の考えを無理強いすることはしないです。結局私の人生ではなく、私が最後までどうにかしてあげられるわけじゃないので」と“肝っ玉母さん”っぷりを見せる。

 そんな藤本に“ポジティブに生きるための秘けつ”を聞くと、自身の人間関係に関する考えが返ってきた。

 「まず、みんなに好かれようと思わないのは大前提。人間いろいろですから、合う人もいれば合わない人もいる。合わなければ一緒にいなければいいし、固執しない。
人間関係や環境の選択肢はほかにもあるはずなので、もっとまわりを見られるようになれば気が楽になると思いますね」。

 厳しい芸能界を20年生き抜いてきたことにも「ラッキーというか強運みたいなもの」と豪快に笑うが、「無理しないということが私の中で一番にあります。時代に抗(あらが)わないというか、どこかで時代に合わせてしまうと、その先苦しくなってしまうと思うので」と冷静に分析する。

 最後に10月8日に行われる「藤本美貴20周年記念!大感謝ライブ!~ミキティアイドルやります!秋の大集会!~AGAIN!!!!!また来てね~」への意気込みを聞いた。

 「(5年ぶりのライブで)一応緊張はすると思うんですけど、すごいギリギリで緊張して、すぐ緊張が解けるタイプ。歌も振りも案外できると思います(笑)。17歳でソロデビューした当時の曲もたくさん歌いますけど、年齢を重ねて経験を積んだ今の変化を楽しんでもらえたら。私も年を取りましたけど、ファンの方もお同じだけ一緒に年を取っているので、お互い無理せず盛り上がりましょうね」。(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)

「藤本美貴20周年記念!大感謝ライブ!~ミキティアイドルやります!秋の大集会!~AGAIN!!!!!また来てね~ 」

10月8日(土)
第一部 14時30分開演  トークゲスト:大沢あかね篠田麻里子
第二部 18時30分開演  ライブゲスト:後藤真希飯窪春菜
※イープラス「Streaming+」にてライブ生配信

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