8月といえば納涼の季節。90年代末に誕生した日本のホラー映画の金字塔が『リング』シリーズだ。

同シリーズの代名詞的キャラクターが、白いワンピースに顔が隠れるほどの黒髪のロングヘアで、古井戸やテレビ画面から這い出てくる怨霊・貞子だった。今や日本を代表するホラー映画のアイコンとなった貞子は、これまでに多くの女優が演じてきた。今回はそんな“貞子を演じた女優”を振り返る。

【写真】貞子演じたあとに飛躍を遂げたトップ女優たち

 同シリーズは、“見たら1週間後に呪い殺される”という恐怖のビデオが登場する鈴木光司のホラー小説の実写化。1998年に中田秀夫監督、高橋洋脚本による『リング』、『らせん』の二本立てで公開されて大ヒットし、数多くの関連作品が作られているほか、ハリウッドや韓国でリメイクもされている。

中谷美紀

 のちに1999年スタートの『ケイゾク』(TBS系)シリーズで新たな刑事ドラマのヒロイン像を生み出すことになる中谷美紀は、その前年、『リング』、『らせん』(1998)に超能力を持つ高野舞役で出演。一方、『らせん』では復活した貞子も演じていた。そんな中谷は『ケイゾク』シリーズのほか、映画『電車男』、『嫌われ松子の一生』などに出演し、トップ女優へとなっていった。

木村多江

 劇場版2作の好評を受けて1999年には連続ドラマ『リング~最終章~』(フジテレビ系)が放送された。柳葉敏郎長瀬智也ら豪華キャストによって作られたリブート作だが、本作で注目を集めたのが、当時まだ無名だった木村多江演じる貞子だった。本作で貞子とその母・山村志津子の二役を演じた木村は、2008年公開の映画『ぐるりのこと。』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを受賞し、名実ともにトップ女優の仲間入りを果たした。


矢田亜希子

 そのほか、『リング~最終章~』とそのドラマ版の『らせん』には、高野舞役でまだ20代前半だった矢田亜希子が出演しており、劇場版の中谷同様に復活した貞子も演じていた。矢田はその後、『やまとなでしこ』、『僕の生きる道』、『白い巨塔』(全てフジテレビ系)など多くの人気ドラマに出演。最近では、『ラヴィット!』(TBS系/毎週月曜から金曜8時)の水曜レギュラーを務め視聴者に親しまれている。

貞子演じた数年後に大ブレイクした女優も!

仲間由紀恵

 続く2000年には、鈴木による原作『バースデイ』のエピソードに映画独自の設定を盛り込んだ『リング0 バースデイ』が公開された。貞子誕生までの前日譚を描いた本作で、映画初主演を飾ったのが当時21歳だった仲間由紀恵。仲間は本作の直後に、自称天才マジシャンを演じたミステリードラマ『トリック』(テレビ朝日系)で大ブレイク。その2年後の2002年には極道の一家に生まれた熱血教師“ヤンクミ”を演じた『ごくせん』(日本テレビ系)が大ヒットし、日本を代表する女優へと飛躍を遂げた。

橋本愛

 一連の映画シリーズから約12年後、石原さとみを主演に迎えて公開された映画『貞子3D』。本作で貞子役を演じていたのは、映画『告白』(2010)で一躍注目を集めていた若手女優・橋本愛だった。鈴木による小説『エス』を原作とし、約12年ぶりにスクリーンに復活した貞子が、人々を再び死の恐怖に陥れた。橋本は2013年公開の『貞子3D2』でも、貞子を続投している。

編集部おすすめ