
ずっとSMAPが好き♡ SMAP特集
1998年のSMAPは、シングルは2枚リリース。1月14日「夜空ノムコウ」、5月8日「たいせつ」。そしてはアルバム1枚。【前回レビュー】We♡SMAP #7|ツアー先でSMAP勢揃い「一緒に飲もうよー」5人で飲んだ思い出語った1997年
1998年1月14日リリースのシングル「夜空ノムコウ」でSMAP初のミリオンセラーを獲得。発売から3週目で売上枚数106万枚を突破。木村拓哉のギターに、メンバーの歌唱が重なるスタイルが新鮮だった。作詞はスガシカオ、作曲は川村結花。彼らもセルフカバーしている。
東京芸大作曲家在学中から早稲田大学モダンジャズ研究科に所属していたという川村。「『あの曲を作ってくれてありがとう。ああいう曲が流行って欲しい』って色んな人に言われて、それがホンマ一番嬉しかった」(AERA/1998年9月21日号)
SMAPのシングル27作目にして初のミリオンーーここにたどり着くまでにどんな苦労があったのだろうか。ファンからしてみれば、音楽チャートの順位も大切だけど、それよりも彼らの姿をみられることの方が何よりも嬉しい。一方で、ビジネスとしてチャートだけに着目すると、当時のレーベルのスタッフや関係者はどんな思いだったのか。
それでもこの当時、すでにドラマやバラエティと様々な活躍をみせていたSMAP。
SMAPと「笑い」
さて、1998年のSMAP。「SPA!」(1998年2月25日号/扶桑社)では「バラエティ史におけるSMAP登場の意味」と題して、SMAPの笑いに着目していた。リード文には「SMAP=平成のドリフ説がささやかれるほど、彼らの笑いを渇望するファン層は厚い。SMAPが笑いのアイドルとして登場した背景を探る」とある。トップバッターは萩本欽一。「今やコメディアンを作れるのはジャニーズだけかもしれないね」との見出し。かつて女性の番組プロデューサーからコントをやるときにもっとキレイな格好をしてほしいと指摘を受けた自身の経験を明かしていた。その理由は女性視点の「可愛い」。その助言から誕生したのが、たのきんトリオのパロディ“イモ欽”トリオだった。
ジャニー喜多川氏との交流から木村拓哉、草なぎ剛が一時萩本のもとに預けられたという。
その後、萩本が存在を知って驚嘆したというのが、最年少メンバーである香取慎吾。自身の番組『よっ!大将みっけ』に香取が出演、その笑いへの適応力に脱帽したとある。萩本もお笑い修行時代に最初にやらされたのがダンスだったと言う。
「SMAPは久しぶりに登場した、コメディアンって言えるんじゃないかな。やっぱり20代からじゃ遅いんだよね。小学生からダンスや演技を勉強するジャニーズっていうのは、コメディアンを生み出す最後の集団なのかもしれないよ」
コロナ禍で現在、開催が難しいようだが『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日本テレビ)も長らく続いていることを思うと、香取のセンスの凄さが伝わってくる。
記事では他にもリリー・フランキー、近田春夫、山田美保子ら識者たちがSMAPのお笑いについてコメントしているのだが、メンバー全員がダンスレッスンを通してリズム感が備わっていること、さらには彼らの観察眼を褒める言葉も記されていた。近田は木村拓哉の古畑任三郎のモノマネを例に観察眼の鋭さを高評価した。
『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)でみせてきた数々のコントやモノマネが妙にリアルであることが何よりの証拠だろう。この年のコンサートでも、中居正広の計算マコちゃんと、草なぎのつよちゃんによるイチャイチャコントを披露し、大いに盛り上がっていた。コンサートにバラエティ要素がたっぷり詰め込まれているのもSMAPのステージの特徴と言える。
また、リリー・フランキーは「エッチな話も、20歳の男のコのごく普通の感覚。“友達としても面白いヤツ”って感じだからSMAPは男でも嫌いな人っていないでしょ」と等身大の姿を評価していた。
誌面には中居も登場。「中居正広が語る、SMAP笑いの未来」と題してSMAPと笑いの出会い、可能性について語っていた。……アイドルが笑いを語る! きっとジャニーズ史上初だったのではないだろうか。ニット帽をかぶった中居が、マー坊が誕生した経緯、デビュー当時は音楽番組の衰退期からどう切り抜けてきたかと語っていた。
その中で中居はSMAPについて「SMAPを仕切るのが今でも一番大変(笑い)」としつつも、「SMAPのメンバーの場合は、ツッコんだらとんでもない返し方をするんです。予想がつかない分、大変なんだけど、それがSMAPの面白さ」。
58万人を動員、4大ドームを制覇
アルバム『SMAP 012~VIVA AMIGOS!』を引っさげておこなわれたツアー『SMAP CONCERT TOUR 1998 "VIVA AMIGOS!"』は7月21日仙台から、10月の東京ドーム3daysまで、全国8都市22公演、58万人を動員。福岡、名古屋、大阪、東京の4大ドームを制覇した。中居は東京ドーム公演前の会見でこう語った。「SMAP結成から10年になります。
SMAP結成から10年。ミリオンヒットに4大ドーム公演と、実りの時を迎えていた。
(柚月裕実)
※次回の更新は11月1日(月)21時予定! レビューを更新しましたら、エキレビ!のツイッターでお知らせします
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柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013