We♡SMAP #1|祝・デビュー30周年!「ファンの子の声援が一番のエネルギー」(中居正広)
イラスト/おうか

ずっとSMAPが好き♡ SMAP特集スタートします!

1991年9月9日。中居正広、木村拓哉、森且行、稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の6人組アイドルグループSMAPが1stシングル『Can't Stop!! -LOVING-』でCDデビュー。ここから長い長い旅がはじまった。


グループ名のSMAPは「Sports Music Assemble People」の略。その名の通りスポーツ、音楽の融合どころか、バラエティへの進出を皮切りに、俳優、司会としても活躍するなどアイドルの活躍の幅をぐんと広げた。

2021年9月9日、SMAPデビュー30周年を迎えたことを機に、本日より全19本のレビューによる集中連載『We♡SMAP』がスタートします。本連載では、SMAPがこれまでにリリースした音楽作品や当時の雑誌を踏まえながら、彼らの軌跡を綴っていきます。

SMAPの前身「スケートボーイズ」時代

●『POTATO』1988年4月号
「初見参!! 光GENJIに続け~っ!!」と題してスケートボーイズ12人の集合ショット。もちろんSMAPのメンバー6人を含んでいる。光GENJIの弟分として、「21世紀は、スポーツと音楽を愛する彼らの時代だ!」と、メンバー12人全員の顔写真とプロフィールを掲載。


将来の夢について、中居「歌手」、木村「俳優、歌手」、森「歌手」、稲垣「立派な人になること」、草なぎ「光GENJIのようになること」、香取「光GENJIになりたい」。

1988年4月、スケートボーイズから6人が選抜され、SMAPが結成された。

●『POTATO』1988年8月号
お題は「最近のニュース」について。稲垣が京都・奈良修学旅行に行ってきたと報告。木村からおもちゃを買ってもらったと香取。「マシンガンの音の出るやつ。
1980円!」。草なぎは身長を報告「いま159.5センチ!」。木村は『いつみ・加トちゃんのWAIっと集まれ!!』収録、取材とレッスンをこなし「家に着くのは10時か11時。それから夕飯、食べて、宿題やって……」。中居も「ボクは12時過ぎだな。レッスンは柔軟運動が、キツイね」。
森は「スケボーが上手くなったよ」。

まだあどけない6人の写真からは想像がつかないハードスケジュール。これでもまだデビュー前だ。

●『明星』1991年5月号
SMAPが単独で表紙を飾った。この頃の『明星』(集英社)の表紙には人気アイドルが男女混合スタイルが主流だっただけに珍しい取り組み。誌面向かって中央に中居、左下に香取、右下に稲垣、左上には草なぎ、右上に森。
二人の肩を抱くようにして木村。

SMAPのページは「今日の敵(ライバル)は明日のマブダチ!真昼の決闘・3本勝負!!」(P34~39)と題して2人ずつ3組に分れての撮影。木村と草なぎは剣道対決。「幼稚園から高校まで約10年間剣道を習っていた」という木村。中2で千葉県3位の実力。そして草なぎも、幼稚園から小5まで地元・埼玉の剣道クラブに通っていた。
市の金メダルをもらったこともあるという。

中居と森はバスケ1on1。中居は中学生のときに2カ月だけバスケ部に所属。その理由は「女の子にモテると思って」。一方の森は、“球技大会の鬼” 学校の休み時間はバスケをしまくっていたそう。上下グレーのスウェット姿の中居。
パーカーのフードをかぶっている。一方の森はリングをつかんでぶらさがる。長身で手足が長い! シュートと見せかけてフェイントをかます中居、ガードする森。

香取と稲垣はバドミントン対決。ケガをしていた香取は久しぶりの運動。稲垣が香取をおんぶする仲良しショットも。香取は学校ではバドミントンクラブに所属。家族でバドミントンをすることも。中学時代一瞬テニス部に所属したという稲垣。ラリーは5回も続かず、隣で遊んでいた子どもと遊びだす二人。

●『明星』1991年2月号
1stコンサートを前にした10月、足にケガを負ってしまった香取。SMAPメンバーが快気祝いがてら押しかける。いまでは考えられないけれど、当時はSMAPに限らずアイドルのプライベートショットが目立つ。兄弟や家族と一緒に登場したり、自分の部屋を公開したりすることも。

91年元旦、武道館でコンサートを開催。1回目の公演が11時スタート、3回目の公演が終了したのが夜9時すぎ。東山紀之、光GENJI、忍者が飛び入り参加。「ラップ、ユーロ・ビート、ロック…。ジャンルに縛られず、様々な歌を歌い、踊るメンバー。」(週刊明星/1月24日号)。この頃からSMAPは楽曲のジャンルを問わずに歌っていた。

シングル『Can't Stop!! -LOVING-』でCDデビュー

9月9日『Can't Stop!! -LOVING-』でCDデビューを果たした。前日、9月8日には雨のなか西武園ゆうえんちのプールにファン15,000人が集結、デビュー記念イベントを開催した。

2011年のデビュー20周年記念イベントも同会場で行われ、メンバーが顔を揃えた。また、25周年、2016年9月9日に訪れてみるとSMAPのファンの姿が。園内ではSMAPの楽曲をずっと流してくれていた。

午前9時すぎにスタートしたイベント。11時半からは握手会に。シングル購入者限定で、会場に用意した1万5千枚が即完売。握手会が終了したのは午後4時。(週刊明星/9月26日号)水着姿でずぶ濡れになりながら、ジャンプした6人。



●『明星』1991年10月号
本誌創刊40周年記念特大号。ゴールドの箔押しで「40th ANNIVERSARY」と豪華なタイトル文字。この号では、「6人がこれから、ますますBIGになること願って」と9月9日のデビューを祝して「SMAP超デカレジャーシートを応募者全員サービス!」を実施。372円分の切手を送るのが応募条件。サイズはタテ980mm、ヨコ680mm。本誌の10倍以上の大きさだった。

特集ページでは「今だ。風をつかまえろ!」と題し、九十九里浜でのロケ。「太平洋に叫んだ6つの決意」として結成から3年で掴んだ切符、舞台『聖闘士星矢』のリハーサル中に知らされたというSMAPのデビューについてメンバーが決意を語った。

草なぎは「やっとするんだ」と両親にデビューを報告したところ、「そんなに経ってない」と言われてしまった。稲垣は「1段1段階段をあがってきた感じ」と、デビューしても人間そのものは変わらないと宣言。二人の会話を踏まえて中居が「デビューが決まったからってSMAPが変わるわけじゃない。今まどおりがんばるだけだよ。今までは、マネージャーもついていなかったから、仕事の移動も、自分たちで、駅はどこで降りなきゃいけないとか調べてやってた」「6人ずぶ濡れになってスタジオ入りしたときに “この気取りなさが、SMAPらしさだ”ってね」。

続いて、香取、木村、森。デニムに上半身裸、砂浜で乗馬。香取は「Can'tStopをレコーディングしたあとにデビュー曲だと聞かされた」と語る。取材だと思って撮影したら、それがジャケット写真だった。さらに家族にデビューが決まったと報告したら、先の話だろうと信じてもらえなかったとある。「まあとにかくね、木村くん、中居くんの言うことをシッカリ聞いて、ついていくしかない!」。

森からは意外な言葉が。「まだ早かったかな、とも思うんだ。だって、もっともっと、カンペキにしてデビューしたかったんだもん。ダンスも、歌も。でもね決まったからにはウジウジしてられない」。聖闘士星矢の舞台で腕を磨くと意欲をみせた。最後に木村。「“ゲッ”って感じで実感わかなかった。今はね、基本的には中居と同じ思いだよ。今までのSMAPの良さを、保っていきたい。テングだけにはなりたくない」「最後にこれから少しでもいい方向に向かっていけるようにがんばる。まさに“Can'tStop”だよ」。

最後に6人のソロショット。
草なぎ「とりあえず気合、気合、気合、気合!!」
香取「今言えるのは、ひとこと やったるぜ!」
中居「とにかく、みんなの声援こそ命。ヨロシク!」
木村「“I do best!”これだけだね」
稲垣「気合一発、じゃない。気合二発だ!」
森「未来に向かって果敢にダイブだ!!」

隣のページには9月14日発売の明星VIDEO『HOP SMAP JUMP!』の告知。定価2,900円(税込)、VHS、ステレオHiFi。集英社販売部ビデオ係、書店注文カードもついていた。


●『明星』1991年11月号
表紙は再びSMAP単独。向かって左から稲垣、木村、香取。稲垣の上に草なぎ、中居、森。香取が木村の方にあごを寄せて、中居は草なぎと森の肩を抱くように写る。別冊で「SMAPパーフェクト図鑑」が付属。今号でも応募者全員プレゼントを実施。10月号とは別バージョンのレジャーシート。

TOKIOが初登場。モノクロページで、メンバーは長瀬智也ではなく小島啓の時代。「秘密兵器が嵐を呼ぶぜ!」と5人の集合ショット。平均年齢17.8歳。少年隊やSMAPのミュージカルのバックダンサーをつとめ、「全員バック転ができる。全員踊れる。全員楽器が弾ける…」と紹介されていた。

●『明星』1991年12月号
「多忙の日々と、一瞬リラックスするときはどんなとき?」の質問に、木村は「ロケが河原とかだと最高!」。仕事で行った河原が息抜きになっていたよう。森は「スリックカートにいけてない。カートにのりたい、5~6年先でもいいから車が欲しい」と、欲しい車種にベントレー、コルベットを挙げていた。

稲垣は読書してるときがほっとする瞬間。J.D サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』を愛読。香取は「読書にめざめた香取ゴローくんのマネじゃないけど」と前置きした上で、読書が気分転換と『もものかんづめ』(さくらももこ著)を紹介。中居も草なぎも仕事先に本を持参していると明かした。

中居は「ファッションの計画を立てるのが楽しい」「19歳になったので黒スーツでびしっときめたい、ライダースでショートブーツとあれこれ」。「授業中は眠くてしょうがない」と草なぎ。「遅刻ゼロだから許して」「時間が終わったら河原に行きたい。ボーっと眺めたい」。

デビュー後のコメントからはさらに多忙を極めた様子が伝わってきた。

12月6日に2ndシングル『正義の味方はあてにならない』をリリース。パナソニックのFAX「おたっくす」のCMソングに、カップリング曲「KISS OF FIRE」はワープロ「スララ」のCMソングにそれぞれ起用された。

●『POTATO』1991年11月号
1stシングルのリリースを経て、誌面ではこんなことを語っていた。

中居「ファンの子の声援が一番のエネルギー」、木村は握手会について「デビューして最初は“あやつり人形”かもしれない。でもオレたちはあやつる糸が切れたときに自力で立てる“人”でいたいね」、香取も「ハートを大切にしていきたいよね」。

デビュー当時のインタビューなのに、いまなおそのスタンスが感じられる。
(柚月裕実)

※次回の更新は9月13日(月)21時予定! レビューを更新しましたら、エキレビ!のツイッターでお知らせします

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Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013