今春から千葉県柏市などの各地で「電子母子健康手帳」の無料サービスがスタートした。妊婦健診の結果や子どもの成長をインターネット上で管理でき、育児日記や写真の保存もできる。
また、情報の記録だけでなく、母親学級や集団検診などのお知らせや子どもの予防接種の時期を確認でき、お風呂の入れ方や離乳食の作り方の動画まである。インターネットで検索すれば、子育ての疑問を解決してくれるような便利なサイトが多数ヒットするが、サイトによって情報がまちまちだ。子育てに正解はないとはいえ、自治体が発信する情報であれば安心にも繋がるだろう。
インターネット上のサービスとなると、個人認証やプライバシー保護が気になるところだが、柏市はFacebookやTwitterなどのIDとパスワードを使う「オープンアカウント」を採用することで、個人情報を管理するリスクを負わず、利用者への情報提供を可能にした。
一方、3月から試験的に導入した前橋市の「母子健康情報サービス」は、マイナンバーカードの読み取り機器をパソコンに繋げることで利用できる。市や病院のネットワークに繋がっているため、健診や予防接種の結果が反映される他、群馬大病院で撮った母子のCT画像を登録して、かかりつけの病院で活用することもできるという。
しかし、各自治体で運用が異なると転居した時に使えなくなるため、電子母子手帳の標準化を目指し、日本産婦人科医会がシステムや表記のあり方を検討。議論を踏まえて、NTTドコモ<9437>とNPO法人ひまわりの会がソフトの共同開発に着手している。
従来の母子手帳は紛失するリスクがあるが、母子手帳とセットでもらえる「妊娠健康検査受診票」については、災害や盗難などの特別なケースを除いて再発行に応じていない自治体が多い。受診票がないと検査費用の助成を受けられず、全て自己負担になってしまう。また、出産後は母子手帳の出番が減るため、紛失しやすい。
東日本大震災では、津波で多くの母子手帳が失われた。岩手県は周産期医療の電子カルテネットワークを持っていたため、医療機関の妊婦の受け入れや母子手帳の再発行が比較的スムーズであったという事例がある。
医療情報のクラウド化を母子手帳から始めることで、非効率な重複医療がなくなり、どの病院にかかっても病歴・治療歴に沿った適切な診療と治療を受けられるようになるかもしれない。(編集担当:久保田雄城)











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