レビュー

今から約半世紀前の1971年、米が主食だった日本にアメリカからハンバーガーを持ち込み、日本マクドナルドを創業、大当たりさせた天才起業家・藤田田によるビジネス直言集である。
1974年刊行の『頭の悪い奴は損をする』、1983年の『天下取りの商法』を底本として加筆修正を施した一冊だが、内容にはほとんど古さを感じさせない。

マクドナルド商法の要諦が惜しげもなく開陳されるかと思えば、すぐにでも使えそうな起業ネタが披露され、日本人が欧米人に学ぶべき点、人間の見方・付き合い方、商売の感覚など、起業に関する森羅万象が説かれる。いずれも長すぎず短すぎず、129ある小気味よい啖呵で全編が構成されている。
その中に、「“勇気”ある者が儲かる」というトピックがある。そこには「有力者に会いたいと思ったら、“勇気”を出して、直接たずねてみることである。アポイントメントを取らない限り、十中八、九まで玄関払いを食うかもしれないが、1パーセントでも可能性があれば、出かけてみるべきだ」という記述がある。
1974年、アポなしで藤田田に会いに来たのが、当時17歳の孫正義(現・ソフトバンクグループ代表取締役会長)だった。藤田の著書『ユダヤの商法』に感銘を受けた孫は、何度も訪ねて面会にこぎつけたという。
起業志望者や現役の経営者はもちろん、新規事業担当者から一般のビジネスパーソンまで、「これは自分のために書かれたものだ」と感じる箇所が必ずあるはずだ。

本書の要点

・商売の成否は出店場所で決まる。「銀座三越」1階のマクドナルド1号店は、1年で売り上げ世界記録を更新した。これが10メートル離れていたら、成功しなかっただろう。
・これからの時代は「時間を節約する商品」が売れる。

マクドナルド江の島店は、独自開発した「ドライブ・スルー」によって、1ヵ月で9500万円を売り上げた。
・アメリカ本家は、店名を英語読みの「マクダーナルズ」にしたかったが、日本人の特性を考慮した著者は「マクドナルド」に決めた。これが成功の大きな要因となった。



フライヤーでは、話題のビジネス・リベラルアーツの書籍を中心に毎日1冊、10分で読める要約を提供(年間365冊)しています。既に3,300タイトル以上の要約を公開中です。exciteニュースでは、「要約」の前の「レビュー」部分を掲載しています。

編集部おすすめ