もう病院に行けなくなる高齢者も出てくるのではないか。高齢者の医療費負担が大幅にアップされそうだからだ。


 財務省は28日、有識者でつくる財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、高齢者による医療費の窓口負担に関し、できる限り早く現役世代と同じ3割を原則とすべきだと提言した。


 窓口負担の原則3割の実現に向けて「制度改革の工程表を作成すべきだ」と、わざわざ念を押している。2026年度内の策定を促している。


 分科会後に会見した増田寛也会長代理は「若年層の保険料負担を減らし可処分所得を増やすことを加速したい」と強調していた。現役世代の保険料負担を減らすために、高齢者の負担を増やそうということだ。


 現在の窓口負担は原則、小学校入学前は2割、69歳までは3割、70~74歳は2割、75歳以上の後期高齢者は1割となっているが、70歳以上も一律3割にすべきだ、という提言である。


 高齢者の3割負担は、もともと日本維新の会が主張していたものだ。


 昨年10月、連立合意書をかわした自民党と維新は、医療費の窓口負担について「年齢によらない真に公平な応能負担の実現」を掲げている。自民と維新は、政府が6月に決める「骨太の方針」に、高齢者の3割負担を盛り込もうとしている。



壊れる「国民皆保険」

「高市政権を支持しているのは20代、30代、40代の現役世代です。高齢者は比較的、野党支持者が多い。政権としては、高齢者に負担させてでも現役世代の手取りを増やして支持基盤を固めたいのでしょう」(政界関係者)


 しかし、高齢者はどうしても病気やケガが多くなるものだ。

病院での窓口負担が重くなれば、必要な受診まで控える恐れがある。受診が遅れれば、症状が悪化し、大がかりな治療が必要になり、結果的に医療費が高額になるという悪循環にさえなりかねない。


 なにより、保険料を払い続けたのに、いざ病気になった時、窓口負担が重すぎて受診を控えなければならないようでは、保険の意味がなくなってしまうのではないか。


 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。


「医療費の自己負担3割は、年金生活者にとって、かなりの負担です。保険は、いざ使う時、無理のない範囲の負担で利用できなければ、保険の意味をなさなくなってしまいます。高市政権は、OTC類似薬の保険外しといい、国民皆保険の形を変えようとしているように映ります。本来、国民の命と健康を責任をもってサポートするのが政府の役割のはずです。膨らんだ医療費を削りたいのでしょうが、削るべきものは、他にあるはずです」


 高齢者が病気になった時、心配せずに病院に行ける国にすべきだ。


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 高市政権はついに「皆保険破壊」へ毒を盛ったのか、高市政権の「病人切り捨て」の横暴については【もっと読む】【さらに読む】で詳しく報じている。


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