高い技量を持ち、自由闊達に描いた横浜生まれの日本画家、今村紫紅(いまむら しこう)の大回顧展『没後110年 日本画の革命児 今村紫紅』が、6月28日(日)まで横浜美術館で開催されている。1984年に山種美術館で個展が開催されてから実に42年ぶり、公立美術館では初の大規模な紫紅の個展となる。
明治13年(1880)年に横浜の提灯問屋に生まれ、17歳で上京した紫紅は、歴史画の大家・松本楓湖に入門し、古画を吸収。日本美術院の有望な若手として、創立者の岡倉天心や先輩画家の横山大観、下村観山、菱田春草に刺激を受ける。さらに俵屋宗達ら琳派や中国の明清時代の古画にも注目し、創作の幅を広げていく。また、文展に出品した《護花鈴》が実業家・原三溪の目に留まり、その後支援を受けるようになる。同展では、この《護花鈴》が、期間限定で公開される。
今村紫紅「比良」(《近江八景》より) 紙本着色・八幅対のうち 大正元年(1912)165.0×56.9cm 東京国立博物館 ※国指定重要文化財(展示期間:6月5日~6月28日)Image: TNM Image Archives
三溪の支援で生活が安定した紫紅は、琵琶湖周辺を旅して写生をもとに描いた《近江八景》を発表。さらに病後にもかかわらずインドへ行き、道中で見た光景を《熱国之巻》として絵巻に描いた。この作品が日本画のジャンルに収まらない問題作として賛否両論を巻き起こす。
今村紫紅《熱国之巻(朝之巻)》 紙本着色・一巻(図は部分) 大正3年(1914) 45.7×954.5cm 東京国立博物館 ※国指定重要文化財 (展示期間:4月25日~5月20日) ※《熱国之巻(暮之巻)》は5月22日~6月3日の展示 Image: TNM Image Archives
しかし、その後も後輩たちとの研究会「赤曜会」を結成するなど、日本画の革新を試みる。一方で、古臭いとされていた江戸期の「南画」を再評価し、「新南画」ともいうべき作風を展開。明清絵画の研究にも打ち込んだ。
同展では、古今東西隔たりなく美術を吸収したうえで、芸術の「自由」や「新」は「我」の中にあるとした紫紅の画風の変遷を初公開の作品約40点を含む約200点で辿っていく。
〈開催概要〉
『没後110年 日本画の革命児 今村紫紅』
会期:2026年4月25日(土) ~ 6月28日(日)
会場:横浜美術館
時間:10:00~18:00(入館は~17:30)
休館日:木曜(※ただし4月30日(木)、5月7日(木) は開館)
料金:一般2,200円、大学生1,600円、中学・高校生1,000円、小学生以下無料
公式サイト:
https://yokohama.art.museum/exhibition/202604_imamurashiko/

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