【テレビ局に代わり勝手に「情報開示」】
「どのニュースを何分扱うか」は、基本的にニュース番組のプロデューサーやニュースデスクの裁量で決められます。ごくまれに報道局長などの上層部から変更の指示があったりしますが、ほぼそういうことはなく、一義的には当日の担当ニュースデスクが「視聴率が取れるかどうか、やる意義のあるニュースかどうか」を自らの判断と良心に基づいて、責任をもって決定することになっています。
番組の数だけデスクがいるはずなのに、じゃあなんでどの番組もだいたい同じような内容をやっているのか? というと、多分それは「他の番組がやらないニュースをやるのは怖い」という心理と「他の番組がやっているニュースをやらないのは怖い」という心理がデスクやプロデューサーに働いているからだと思います。
「京都の行方不明」はまさに「各局やっているし、視聴率が取れるからやり続けよう」という心理が各デスク&プロデューサーに働いたから過剰に放送したのでしょう。
「辺野古」のほうは、かなりいろんな問題を含んでいると思います。「ちゃんとした業者ではなく、素人に近い人が操船する船に学生を乗せて事故になった」ことには大きな問題があり、その責任を学校と団体に問う報道をすべきなのに、「思想信条の問題」が絡んできたために話がややこしくなったと思います。
最近発生した「プロの運転士と車両を使っていない状況で高校生が死傷した」郡山のバス事故とほぼ同じ状況だと思いますが、「郡山と辺野古の間にも報道格差がある」という指摘が上がっています。たぶんそれも「思想信条が絡んでいるかどうか」が影響しているというのは否めないと思います。「炎上しそうな面倒な話は避けておきたい」というテレビマンにありがちな考え方が、辺野古には働いたのでしょう。
事故の責任追及は、再発を防ぐためにもきちんとやるべきですし、思想信条の問題、つまり「高校が修学旅行で思想信条的に賛否両論ありそうな教育をすべきなのかどうか」というテーマもちゃんと取り上げるべきだと私は思います。
ニュースデスクとして、炎上したり怒られたりしそうでも、扱うべきは扱うし、扱うべきでないものは扱わない、という「当たり前のように思えること」をするには相当勇気が必要です。僕は変人だったので、他局がやらないことをやりたいタイプでした。
上司に怒られるとファイトが湧くタイプなので。まあ、そういうタイプの人間が息苦しさを感じるような状況になってきたから、局をやめたわけですけどね。
(鎮目博道/テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人)
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今年の4月もたくさんの番組が始まった。関連記事【こちらも読む】4月スタートの情報・報道の新番組で評価の高い、または「どうなの?」と感じた番組はどれですか?…では、当該記事と同様、元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏が視聴者の疑問に答えている。

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