京都・南丹市の「男児殺害事件」は、テレビの情報ワイド番組には久しぶりの大きな事件ネタだ。担当プロデューサーは「黄色い通学リュックが見つかったあたりから、数字(視聴率)が跳ね上がりました」と語る。


「新しい情報や動きが毎日あり、それが警察の規制線の向こうに見え隠れしながら展開する。さらに、遺体がなかなか見つからず、父親への疑念も初めからありましたから、視聴者はミステリードラマを考察するように追いかけた。話題性では最強です」


 男児の遺体が発見され、父親が逮捕された週の個人視聴率のトップ3は報道番組である。ワイドショーは番組アタマで扱い、その速報競争を支えていたのが刑事や科捜研職員のOBだった。捜査手法を解説したり、犯行の筋読みや犯人像を推理したり、時には現場まで足を運んでリポートしたりと大活躍した。みな堂に入っていて、お巡りさんってあんなにしゃべりがうまいのかと感心させられる。


■数字が取れるのは元刑事の推理・解説場面


「毎分視聴率で見ると、元刑事がしゃべっている時は間違いなく高い。それが番組全体の視聴率を引っ張るから、もう元刑事の争奪戦ですよ」(前出のプロデューサー)


 では、情報ワイドの報道合戦で勝ち組はどこか。埼玉県警捜査1課の元警部補・佐々木成三を多用した「ひるおび」(TBS系)は同時間帯でリード、警視庁の元刑事の小比類巻文隆を多く登場させた「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)もやはり強かった。 


 しかし、捜査の見通しなどで正確なのは「めざましテレビ」(フジテレビ系)だ。「NEWSカイトウ」コーナーで連日取り上げ、解説は元警察官ではなく、平松秀敏・フジテレビ解説副委員長。司法記者クラブや警視庁の記者クラブなどで取材してきた社会部出身だという。


「捜査員の動きなども現場の記者からタイムリーに上がってくるから、『きょう午後には大きな動き(逮捕)があるでしょう』『カギは父親の乗用車の走行記録です』など的確でした。元刑事のコメントはまゆつばの臆測が少なくないですが、平松さんはさすがに信頼度が高い」(ワイド番組ウオッチャー)


 それにしても、どこで探してくるのだろうかと思うほど、次々と“新顔”の元刑事が登場してくる。多くは各テレビ局や系列新聞社の警察担当記者たちの知り合いだ。芸能事務所とエージェント契約している元刑事もいて、1回の出演料は数万円らしい。


(コラムニスト・海原かみな)


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