2月24日、元KAT-TUNの田中聖(36)が覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された。
田中といえば、5年前にも大麻所持の疑いで逮捕されていた。
何かと注目されることも多いジャニーズ独立組たち。だが退所後の活躍ぶりには、かなり個人差がある。その違いは、いったいどこから生まれるのか。以下、コラムニストのおおしまりえさんに分析してもらったーー。
■個人の人気とグループの人気を見誤る
ジャニーズに限らずグループに所属していると、自分の人気とグループの人気を混同して、自分の実力を高く評価しすぎるケースが多いように思います。
人がアイドルやバンドなど、個人ではなくグループを好きになったとき、そこには作品への好感とグループへの好感、そして個人への好感の3つが混ざっています。
ファン側も、この心理を細かく分けて自覚しているわけではありません。作品が好きだと思っていたのに、グループの変化(すごく売れたり、特定のメンバーが脱退したり、結婚したりすること)やメンバー個人の不祥事によって好きの熱量が変化するということもよく起きます。
田中さんの場合だとKAT-TUNとしてはヒットを飛ばしていたけれど、田中聖としてのファンはそこまで多くなかったということ。またKAT-TUNのなかでは成立していた破天荒キャラも、独立して収集がつかなくなった状態で見せられると、ファンには魅力として映らなかったともいえそうです。
■俳優の独立とアイドルの独立が大きく違う点
近年は多くの俳優が事務所からの独立を決意し、時代の流れも相まって順調な滑り出しをみせるケースも多いようです。
1つは“独立前から個人名で勝負していたかどうか”という点です。先程もお伝えした通り、グループでの認知や好感度を自分の力と思っていたため、独立後に苦戦するアイドルは男女限らず多いといえます。
もう1つは“方向性とマネジメントをどこまで現状と変わらない状態で独立できるか”という点でしょう。
俳優だと、長年のマネージャーとともに“より自分らしい働き方”を模索して独立するケースも多いです。この場合は今と大きく活動の方向性が変わるわけではなく、さらにはバックアップ体制にも大きな変化がないと言えます。
いっぽうでジャニーズアイドルの場合、独立と同時に自分がしたい方向性へと大きく舵を切るケースが少なくありません。同時に、マネジメント体制も一新ということになります。こうなると表の変化もさることながら、裏側の大変さも一般的な芸能人の独立とは違って“よりハードなもの”になります。
近年は俳優や芸人、アイドルの独立が増えています。ただ今までの人気と合わせて、活動の方向性と基盤がどの程度変化するのかも、その後の活躍には大きな影響を与えるといえそうです。
■ジャニーズ独立後の成功と失敗を分けるもの
田中さんと同じく、19年に大麻取締法違反で逮捕された元KAT-TUNの田口淳之介さん(36)も“独立成功組”とはいえないでしょう。
いっぽうで山下智久さん(36)や赤西仁さん(37)などは、それぞれのフィールドで今なお輝いています。
この違いは独立までの個人の知名度やファンの多さ、そして独立後の努力の長さをみていくとはっきり分かります。
ジャニーズ時代の山下智久さんはNEWSに所属してはいましたが、個人としての活動で多くのファンを獲得していました。
そして独立後は拠点を海外に移ししつつも、アンバサダー起用やCM出演など順風満帆。4月からは『正直不動産』でNHKドラマ初主演を務めることが発表されています。
また赤西さんはKAT-TUNに所属していましたが、ブレイク後はすぐに個人での歌手活動をスタートしていました。
そして独立後は海外での展開も強化しており、中国企業などから3億円ものオファーがあったと報じられたこともありました。実際、中国のSNS『ウェイボー』でのファンの数は今では316万人を突破しています。また独立から6年たった2020年には自身初のベストアルバムもリリース。さらには、ファンクラブの会員数も5万人に達していると伝えるメディアもあります。
さらには、19年にジャニーズ事務所を退所して独立した錦戸亮さん(37)と共同プロジェクト「N/A」をスタート。YouTubeチャンネル「NO GOOD TV」は多くのクライアントとのコラボを実現させるなど、たびたび話題を呼んでいます。
彼らに共通しているのはジャニーズ時代から個人としても人気を得ていたということ、そして独立後も努力を継続しているということです。現状に甘んじることなく、常に新たな道を模索しているのです。
そうなると、今気になるのは2020年にNEWSを脱退してジャニーズから独立した、タレントの手越祐也さん(34)の存在です。「テイッ!」の挨拶でおなじみの彼ですが、独立直後はYou Tubeを主戦場に移し「成功間違いなし」とも言われていました。
しかし最近になって、彼のYou Tubeチャンネルは登録者数や再生回数が落ちつつあります。また経営に携わっていたとされるエステサロンが経営不振に陥っており、すでに手越さんは経営に携わっていなかったとの報道も出ています。
ポジティブな勢いそのままに手広くやりすぎたのか……と多くの人が思うような昨今の手越さん。タレント・手越祐也が目指す先はYouTuberなのか、それとも事業家なのでしょうか。
以上のようにジャニーズ独立組たちのその後を見ると、1番は自分自身が納得できる活動を続けることなのでしょうが、だからといって応援するファンをいろんな意味でがっかりさせていいはずがありません。
二度目の逮捕(1回目は不起訴処分)となった田中聖さん。彼の目指す先は、いったいどこにあるのでしょうか。
(文:おおしまりえ)