新生活や引っ越しのシーズン。荷物を運び込んでバタバタと生活を始める前に、ほんの少しの手間をかけるだけで、その後の掃除が格段にラクになる「予防掃除」のコツをご存知でしょうか。


 掃除における最大の時短は、「汚れてから落とす」のではなく「汚れる前に防ぐ」ことです。後編となる今回は、西日本で2.7万件以上の清掃実績を持つ株式会社ダイキチにてマーケティング部に所属し、国家資格「ビルクリーニング技能士1級」を持つ清掃のプロフェッショナル・杉本絢哉さんに聞いた「入居初日にやっておくべき予防掃除」や「中古家電のリセット術」などについて解説します。

新生活・引っ越しシーズン必見!「入居初日」にやるべき予防掃除

 新居で気持ちよく過ごすための「最初のひと手間」。荷物を運び込む前や、本格的に生活を始める前に、以下の場所をしっかり保護しておきましょう。

●お風呂の防カビ燻煙剤


 お風呂場は、水を使う前(入居初日)に防カビ燻煙剤を使用し、天井に潜む原因菌をブロックしましょう。これだけで今後のカビ取りの手間を大きく減らせます。使用後は必ず換気を行い、ペットや小さなお子さんがいるご家庭は事前に成分をご確認ください。

●鏡のくもり止め(撥水・親水コート)



入居初日にこれをやらないと“数万円”の損!? 掃除のプロが教...の画像はこちら >>
 鏡の水垢は放っておくと、拭いただけでは落ちない硬いウロコ汚れに変化してしまいます。そのため、入居初日から汚れを防ぐコーティングが重要です。鏡の水分やホコリを拭き取った後、市販の「鏡用くもり止め剤」などをムラなく塗り広げて乾燥させるだけで、水滴が残りにくくなり、ウロコ汚れを防ぎやすくなります。

●脱衣所からお風呂場への境界線


 脱衣所とお風呂場の境界線の隅(コーナー部分)は、ホコリや毛髪が非常に蓄積しやすく、カビも発生しやすい場所です。前編でも触れた「掃除用のマスキングテープ」をここにあらかじめ貼っておくのがおすすめ。汚れが目立ってきたら剥がして新しいものを貼るだけで、手軽に清潔な状態を保てます。

●冷蔵庫内の汚れ防止


 冷蔵庫の野菜室の底には「新聞紙」を1枚敷いておきましょう。野菜から出る汁などの汚れを防ぎ、湿気も吸収してくれます。また、ドアのサイドポケットの底面に「シリコンシート」などを敷いておくと、調味料などの転倒防止になり、万が一液ダレしても掃除が簡単です。


賃貸物件の「退去時トラブル」を防ぐ最初のステップ

 賃貸物件の場合、将来の退去時トラブルを防ぐために、入居時に行っておくべき大切なステップがあります。

●入居時の状態を「写真」に残す


 入居した際に部屋全体をチェックし、最初からある傷や汚れ、塗装の剥がれなどを写真に撮って残しておきましょう。「ちょっとした傷だからいいか」と放置すると、退去時に自分の責任にされて修繕費を請求されるなど、不利になるケースがあります。最初の証拠写真は、自分を守る保険になります。

●「メラミンスポンジ」の多用に注意



入居初日にこれをやらないと“数万円”の損!? 掃除のプロが教える「退去トラブル回避」と「汚さない一手間」とは
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 前編でもお伝えしたとおり、トイレの便座など光沢のあるプラスチック部分へのメラミンスポンジの使用には注意が必要です。メラミンスポンジは細かい網目で汚れを「削り落とす」ヤスリのような仕組み。そのため、柔らかいプラスチックに使うと細かい傷がつき、表面が「つや消し状態」になってしまいます。これも退去時に原状回復を求められる原因になるため、使用場所はしっかり選びましょう。

中古家電をもらったら?リセット清掃&予防術

 新生活のタイミングで、中古家電を知り合いからもらう方も少なくないでしょう。パッと見は綺麗でも、内部の汚れが気になる場合は、使い始める前にしっかりリセットしておきましょう。

●電子レンジは「蒸らし拭き」



入居初日にこれをやらないと“数万円”の損!? 掃除のプロが教える「退去トラブル回避」と「汚さない一手間」とは
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 庫内の焦げは、食品の飛び散りが加熱を繰り返されて炭化してしまったことが原因です。まずは、重曹水を使った「蒸らし拭き」を行いましょう。

 水200mlに対して重曹15gを入れて混ぜた重曹水をマグカップに入れ、ラップをせずに500Wで5分加熱します。
その後、扉を開けずに10分放置して蒸気で汚れを浮かせ、庫内をキッチンペーパーで拭き取ります。
※重曹水を加熱する際は、突沸(急激な沸騰)にお気を付けください。

 それでも取れない炭化した頑固な汚れには、「重曹ペースト」が有効です。重曹大さじ2に対して水大さじ1を混ぜ合わせてペースト状にします。これを汚れに直接塗り込み、上からラップをかぶせて10分放置し、汚れをふやかします。その後、キッチンペーパーなどでしっかりと拭き上げてください。

●洗濯機のリセットとカビ予防


 洗濯槽の裏側にカビが発生する主な原因は次のとおりです。「洗剤の溶け残りがカビのエサになる」「水分が残ったままになっている」「脱いだ服を洗濯かご代わりに入れると空気の通り道がなくなる」「洗面所自体が湿度の高い環境である」といった点が挙げられます。

 カビを防ぐには、「洗剤は規定量を守る」「こまめに換気する」「使わない時はフタを開けておく」といった日々の小さな習慣が大切です。

新生活に買い足したい「汚れ防止」アイテム

 最後に、新居の汚れを定着させないために、最初から揃えておきたいおすすめのアイテムをご紹介します。


●基本の洗剤3種

  万能に使える「住居用クリーナー」、キッチン向けの「油汚れ用洗剤」、水回り向けの「水垢除去用洗剤(クエン酸配合のものなど)」の3種類を用意しておきましょう。日々こまめに掃除して汚れが「軽度」な状態を保てていれば、100円ショップなどの手軽な洗剤でも十分に効果を発揮します。

●車用「撥水剤スプレー」の活用

  汚れを定着させないアイテムとしてプロがすすめるのが、車用の「撥水剤スプレー」です。入居前の清潔な状態の洗面所のシンク・キッチンのシンク・トイレの便器などに吹きかけて「初期施工」をしておくと、水弾きが良くなり、水垢や汚れが流れやすくなります。

 ただし、賃貸物件での使用は退去時トラブルにつながる可能性があるため、慎重に判断してください。また、素材によっては変色や劣化が起きる場合もあります。使用前には必ず目立たない場所で試し、自己責任のうえでお使いください。

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 新生活のスタート時は荷解きなどで何かと忙しいものですが、入居初日の「予防」の手間を惜しまないことが、その後の家事負担を大きく軽減してくれます。ぜひ今回のプロの技を取り入れて、快適な新居での生活をスタートさせてくださいね。

<取材・文/女子SPA!編集部>

【女子SPA!編集部】
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