〈あなたの命と、そこにある小さな命を、今日まで守ってきてくれてありがとう〉
 親として、これほどうれしい言葉があるでしょうか。発信者は『働く親のためのサバイバルガイド』(2026年3月 文響社)の著者で助産師の岸畑聖月さんです。
(〈 〉は同書からの引用、以下同)

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子ども、仕事、そして自分も大切

 岸畑さんは〈14歳での難病により妊娠・出産ができなくなったことをきっかけ〉に助産師になりました(大阪の総合病院、愛仁会・千船病院勤務)。

しかし〈多くの方が、“仕事とのバランス”に悩み、自分の健康を後回しにしたり、不妊治療で苦労されたり、育児に取り組んだりすること〉を目の当たりにして起業し、企業向けの伴走型従業員支援サービス「THE CARE」を開始。〈働きながら育て、生きる人〉をサポートし続けています。

「私って仕事も育児も中途半端」「夫だけ自由でズルい」…働く親の悩みをこじらせないコツとは
働く親のサバイバルガイド
 尊い命を育むには、愛と時間とお金が必要不可欠。どうバランスを保つべきか、本書にヒントがあります。2500組以上の「両立支援」をしてきた著者のノウハウを、ほんの一部ですがご紹介しましょう。

「私って仕事も育児も中途半端」「夫だけ自由でズルい」…働く親の悩みをこじらせないコツとは
働く親のサバイバルガイド


「私って仕事も育児も中途半端」「夫だけ自由でズルい」…働く親の悩みをこじらせないコツとは
働く親のサバイバルガイド

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働く親のサバイバルガイド

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働く親のサバイバルガイド

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「はた親(働く親)の航海5原則」とは

 人生とは航海にもたとえられますが、親になった瞬間から〈育児もキャリアも「共に舵をとる2人の船」に変わる〉と本書。〈育児でもキャリア面でも「相手の役割は自分の役割でもある」と心から思っておくことが2人の船をつくる第1歩〉と指南しています。私達はつい、父親と母親でやるべきことを分けがちですが、それこそが船の航路を危うくする一因なのかもしれません。

 子どもが生まれてから成人するまで20年、日々の荒波を乗り越えるため、本書が提案するのが、働く親が心にとめておくべき5原則です。

原則1〈はた親のキャリアはWカーブ〉
キャリア形成はアップダウンを繰り返しながら、結果的に上昇していればOK。

原則2〈家族会議は航海の基本〉
話し合いの習慣が航海には必須。

原則3〈時間オバケには「選択」が効く〉
 瞬く間に過ぎ去る時間の使い方。

原則4〈受援力は、はた親の必須スキル〉
 子育て支援は惜しみなく利用する。


原則5〈価値観は変わっていい〉
 価値観の変化を受け入れよう。

 ここでは、原則3をピックアップしてご紹介します。

なぜ子育てには時間がかかるのか

「朝は毎日、戦争です」「夜、寝落ちして何もできない…」――子育て中に聞こえてくるのは、こんな声ばかり。なぜ子育てには時間がかかるのでしょう。

「私って仕事も育児も中途半端」「夫だけ自由でズルい」…働く親の悩みをこじらせないコツとは
働く親のサバイバルガイド
本書によると〈“タスク”に時間がかかるだけではなく、子育てにおいて“待つ”ことが大切な場面も多いから。ご飯を食べるのを見守る、イヤイヤ期のこだわりを尊重する、登園前の「自分で靴を履く」までの5分を待つ…。これらは効率化ではなく、“一緒にいること”そのものに価値がある時間です〉。

それを踏まえた上で、時間と付き合うコツは〈“スキル”ではなく“選択の積み重ね”です。

時間オバケに惑わされない4つの言葉

 ここで自問自答してみましょう。

〈あなたにとって「この時間は手放せない」と思えるのはどんな瞬間ですか?〉
〈一方で、「実はこだわらなくてもいいかも」と思える時間や習慣はありますか?〉

 時間オバケに惑わされないよう、本書から4つの視点をお伝えします。

1.これって“やらなきゃ”じゃなく“やりたい”?
2.やると決めたら、前向きに
3.“悩む、迷う“は、時間を食べる大敵
4.分担には効率性も考慮する

 子どもにとって、自分にとって、重要度をはかるべく、「こだわる」or「手放す」の判断はどうすべきでしょうか。〈子どもへの影響、自分の価値観、得意不得意・心地よさ、時間・お金のコスト感、代替手段の有無〉を基準にして決めていくのが得策です。

「やること/やらないこと」を仕分けしてみる

 今抱えているタスクを書き出して〈こだわり仕分けシート〉を作成すれば、時間オバケを撃退できます。
〈「タスク」は日々の細かなことも対象に(保育園の連絡帳を書く、おもちゃを毎晩片付ける、など)、重要度を3段階で評価し、★を塗りつぶしましょう。
「こだわる/手放す理由」には、自分の気持ち・価値観・疲労度・子どもへの影響など、思いつくまま書いていきましょう〉。

 1日は24時間、誰にでも平等です。子どもも仕事も、自分も相手も尊重して労わっていきたい。人生の荒波に翻弄されるのではなく、うまくリズムに乗って軽やかに超えていく、そんな知恵とやさしさが詰まった本書。あなたの心身が、ホッとゆるむはずです。

<文/森美樹>

【森美樹】
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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