(台北中央社)東京電力は11日、福島第1原子力発電所の処理水海洋放出で、初回分の約7800トンの放出を完了したと発表した。行政院(内閣)原子能委員会(原子力委員会)は同日、現在の海水の放射性物質トリチウムの濃度は検出限界値を大きく下回ったとし、台湾周辺海域で採取した海水サンプルや海産物にも異常は見られなかったと明らかにした。


原子力委によると、処理水が排出された8月24日以降、日本の排出状況や国際原子力機関(IAEA)の監視情報などを厳密に把握し、農業部(農業省)や海洋委員会と協力して、海水サンプル14件と海産物76件を採取し、トリチウムとセシウムの濃度の検査を行ったという。

処理水の海洋放出について、政府は省庁の垣根を越えた協力により、科学的かつ専門的な監視と評価、国際基準に沿った厳格な監視、国民の安全と健康の確保を原則に、日本の排出状況の把握や監視強化、情報の公開などを実施していると強調。また毎週最新の情報を提供しているとして、国民に安心するよう呼びかけた。

(曽智怡/編集:齊藤啓介)