「帰るよって声かけたらちゃんと集まって来るうちの牛たち可愛い」

そんな呟きと共に披露された映像が、X上で多くのユーザーを和ませた。

30秒ほどの動画では、10数頭の牛がのんびりと放牧されている。

最初はそれぞれが好きな場所で草を食んだりしているようだが、「帰るよ」という男性の声が響くと、牛さんたちは「うん?」と振り返り、一斉に移動を始めるのだ。

2026年5月13日、この動画を投稿したのは、「ましこ牧場」(@mashikobokujo)さん。

プロフィールには、「北海道の酪農家。茨城県出身。2010年 新規就農」と記されている。

この素敵な動画には、X上で9万1000件を超えるいいねのほか、こんな声が寄せられている。

「めっちゃかわいいね」
「モ~そんな時間ですか」
「可愛いですね。 牛さんはとても賢い生き物ですね」
「すごい。うちの園児たちに見せたい」
「動物とのこういう絆を見ると、心が温かくなります」

主の掛け声で、放牧された牛さんたちがそろって帰り始めるなんて、なんともかわいい。いったいどんな訓練をしているのだろうか。Jタウンネット記者は、投稿者(以下、ましこさん)に詳しい話を聞いた。

呼んで来てくれれば、やっぱりかわいい

ましこさんによると、動画を撮影したのは、5月10日の夕方5時過ぎ。場所は「ましこ牧場」の放牧地だ。

牛さんたちはとても賢いようだが、特に訓練されたのだろうか? ましこさんは、次のように答えた。

「基本的に、牛は習慣で行動するので、この時は牛舎に帰ってエサを食べたいと思っていたと思います」
「毎日の行動をパターン化させるという意味では、訓練と言えるかもしれません」
「なので私の声に反応したのはそうなんですが『帰るよ』じゃなくても、同じ行動をしたと思います」(ましこさん)

「毎日のことなので特別な感情はないのが正直なところですが、呼んで来てくれればやっぱりかわいいですね」と、ましこさんは語った。

酪農は、楽しく。

ましこ牧場の所在地は、北海道新冠郡新冠町。日高地方のほぼ中央にあり、北は日高山脈、南は太平洋に面している。

面積は、農地24ヘクタール(うち放牧地10ヘクタール)で、牛の頭数は40頭(親牛23、仔牛17頭)。牛の種類は主にホルスタインで、2頭だけジャージーがいる。

輪換放牧という形態で、乳牛を育て、絞った良質の牛乳を出荷している。

「作業は基本的に一人で、妻が経理をやっています」と、ましこさん。つまり、まったくの個人経営だ。

北海道で酪農を始めたきっかけを聞くと、ましこさんはこう答えた。

「茨城出身で地元で就職しましたが、会社の人間関係で悩み退職し、30年前に北海道に移住し、牧場で働きはじめました」
「はじめはちょっと体験だけして地元に帰るつもりでしたが、やってるうちに酪農が楽しくなり、自分で牧場をはじめて17年目になりました」(ましこさん)

脱サラして、北海道移住、酪農に従事するうちに、やがて独立。

「目標は明日も楽しく酪農を続けること」「夢は死ぬまで楽しく酪農を続けること」だという。

放牧中の牛たちに「帰るよ」と声をかけたら→「すごい」「とても...の画像はこちら >>

X上の反応については、「酪農に対して肯定的なコメントや、応援してくれる反応が多く、ありがたいと思っています」、「鳥の声や水や風の音についてのコメントが多かったです。自分は気にしてない(聞こえてない)けど、他の人には印象的なのですね」と語った。

広大な放牧地で乳牛を育て、酪農を続ける、ましこさん。

「帰るよ」の声に素直に従う牛さんたちが生産するミルクは、さぞかし健やかで美味に違いない。

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