3rdシングル「イツカノキオク／透明のペダル」が完成！和氣あず未インタビュー

今年1月に「ふわっと／シトラス」でアーティストデビュー。透明感のあるキュートな歌声で、カラフルな曲を届けてきた声優の和氣あず未が、早くも3枚目となるシングル「イツカノキオク／透明のペダル」をリリースする。3rdシングルのテーマは“ロック”。キラキラした輝きとピュアな温かさを閉じ込めた「イツカノキオク」は、今年10月より放送開始予定であり、自身もフィナ役として出演するTVアニメ『くまクマ熊ベアー』OPテーマ。一方の「透明のペダル」は、夢に向かって駆け抜ける少女の曲で、これまでとは違った声の表情を楽しむことができる。どんな思いを込めたのか話を聞いたところ、明るい笑顔で答えてくれた。――10月7日にニューシングルがリリースされます。今年1月のデビュー時には、アーティストデビューは思いも寄らないことだったとおっしゃっていましたが、早くも3枚目のリリースということで、和氣さんとしてはどういうお気持ちですか？和氣あず未 デビューから1年足らずで3枚もシングルを出せたことに驚いています。絶対に自分はアーティストデビューできないと思っていたので、まず、無事にここまで来られたことが嬉しいです。しかも毎作、4曲も入ってるっていうのが自分でもすごいなって（笑）。――今作含むと合計12曲を発表してきたことに。シングルに4曲収録は、サービス精神満点のボリュームです。和氣 本当に！（笑）。シングルに4曲も入ってるって考えたこともなくて。私自身も驚きですし、そんなにレコーディングしてきたんだなって。――様々な曲を歌ってきて、音楽に対する意識の変化はありましたか？和氣 最初はいろいろな気持ちがありすぎて、レコーディングでも緊張してしまって。でも最近はリラックスしながら歌えるようになって、前ほど緊張しすぎないようになってきました！良い意味の緊張感はありますが、「頑張らなきゃ歌えない！」という思いは少なくなりました。――歌うことを楽しめるようになってきた？和氣 そうですね。そもそも緊張するタイプなんです。だから、アフレコも1話目はすごく緊張するんですよ。でもレコーディングの場合は、毎回違うタイプの曲なので、常に1話目を録りに行くという心持ちでした。でもだいぶ落ち着いてきたなって。――では「イツカノキオク」は充実した気持ちで向かうことができたのでしょうか？和氣 はい！リラックスしながら歌うことができました。――楽曲について詳しく教えてください。最初聴いたときはどんな印象を受けましたか？和氣 最初は悲しい曲なのかなと思ったんです。でもずっと聴いていくうちに、儚さはあるけど、温かいものを感じるような優しさがある曲だなと思うようになって。歌詞が清らかなんですよね。純粋な気持ちで、ステキだなって思います。レコーディングのときは、そういう気持ちを大切にしようと思っていました。――サビは特にエモーショナルですよね。和氣 サビで盛り上がっていく部分がすごく好きです。初めて仮歌さんを聴いたときから、サビのフレーズの印象が強くて、頭から離れなくて……。サビのなかに“いつかあの場所で二人で話した思い出だけ残そう”という言葉があるんですが、昔の記憶って結構忘れやすいなぁって思っていて。昔は「この瞬間が思い出になる」なんて考えてもいないまま生きてたと思うんです。今もこうやって生きてて、「この瞬間が思い出になる」なんて思わないじゃないですか。しかも私、すぐ忘れちゃうタイプなんですよ（笑）。でもこの曲を聴くと、過去の一つひとつが大切な記憶なんだなって。歌詞にある“幼い頃のココロ失くさないで”という言葉を今からでも大切にして、おばあちゃんになったころに思い出して、微笑ましい気持ちになりたいです（笑）。――おばあちゃん（笑）。でもそういう意味では、過去、現在、未来まで繋がるステキな曲ですね。和氣 そうなんです。昔の大切な記憶を未来まで大切にしていこうと思いました。――そんな「イツカノキオク」は、和氣さんがフィナ役として出演しているTVアニメ『くまクマ熊ベアー』のOPテーマでもあります。和氣 そうなんです。この作品自体も温かくて優しい世界なので、この曲に合ってるなって。――ゲーマーのユナがクマの着ぐるみで異世界の最強冒険者になる、子供から大人まで楽しめるファンタジーで。アニメが今から楽しみです。和氣 私も楽しみなんです！疲れが一気に飛ぶ癒し系作品ですね。「イツカノキオク」のミュージックビデオも撮らせていただきましたが、私は見たので（笑）、それよりもアニメの映像を早く観たいなぁと。『くまクマ熊ベアー』の宣伝PVの第二弾で、バックに「イツカノキオク」が流れているんですが、それだけでもテンションがあがりました。――和氣さんが演じられるフィナちゃんは、ユナが異世界で最初に出会った女の子。10歳でありながら解剖スキルを持った、しっかりした笑顔の可愛い子です。和氣 本当に健気で優しい子で。最初は私も“しっかりしたかわいい女の子”って印象だったのですが、アフレコをしていくうちに監督さんから「もうちょっと腹黒い部分を出していいよ」って言われて。――腹黒い!? 計算高いイメージはなかったです。和氣 意外ですよね。その計算高さって性格が悪いとかではなくて、生活のための生き抜く術というか。大人っぽい性格なので、意外といろいろと頭のなかで考えている子なんだなと思いました。――ああ、なるほど。家族思いで、苦労もしてきた子ですもんね。今はアフレコの最中でしょうか。和氣 アフレコはすべて終わったんです。コロナ禍だったので、途中からは別録りだったのですが、最初の半分はみんなで一緒に録ることができました。メインキャストは別の作品で共演しているかたが多かったので、常に和気あいあいとしていました。ゲームが好きな女の子が多くて。その当時はみんなで『あつもり』の話をしていましたね（笑）。穏やかで、アフレコ現場も癒しでした。みんなキャラクターに合ってるなってイメージがあります。――では、さきほどサラりと話題に上がっていた「イツカノキオク」のミュージックビデオについても詳しく教えてください。和氣 曲のテーマが記憶・時間なので、ミュージックビデオにも時計や砂時計が出てきます。曲のなかに“静かに流れるモノクロな時間のなかで色づいてた”という言葉があるんですが、その言葉通り過去はモノクロに映ってて、現在の私は華やかな色で映っていて。そうした色合いにもこだわっています。過去にスポットが当たるように時計が逆にまわる場面もあり、オシャレで面白いミュージックビデオになりました。――今作のリリースにあたって「くまVSクマVS熊 どっちが好き!?大論争!!」というユニークなキャンペーンが行われました（詳しくはこちら）。和氣さんが書いた三種類のクマの中から、アンケートで最も支持された「一等くま」が、今作のCDジャケットのどこかに登場するということでしたが……1位を射止めたのは、“くまん”でしたが、これは和氣さんの予想通りでしたか？和氣 予想通りでした！ 撮影しているときにスタッフさんが「これがいいなぁ！」っておっしゃってたのが、いちばん不人気だった熊蔵だったんです（笑）。でもファンの方がちゃんと選んでくれてくまんになりました。わたしはくまが大好きなので、こういう企画ができて嬉しいです。――くまのどんなところが好きです？和氣 フォルムが好きなんですよね。パンダも好きなんです。ホンモノのクマとパンダはそんなに好きじゃないんですが（笑）、イラストになった瞬間がたまらなくて！だから『くまクマ熊ベアー』でクマ好きの女の子を演じられることもすごく嬉しいです。―― 一方の「透明のペダル」は、感情の起伏をあえて抑えたような無機質な質感の曲でこれまでのシングルのなかでも異色な曲ですよね。和氣 そうなんです。テーマは夢なんですけど「夢に向かって頑張るぞ！」ってモノではなく、抑揚をつけない歌い方で、のっぺりと歌っていて。サビは力強く歌っていいよって言われたので、サビだけ少し強く歌いました。音楽自体は明るくて爽やかなんですけど、歌い方がいつもとは違うので、不思議な楽曲になってると思います。――レコーディングはいかがでしたか？和氣 これまでは「もっと抑揚をつけて」ってディレクションをいただくことが多かったので新しい挑戦でしたが、楽しく歌えました！レコーディングのときと、曲の印象はガラりと印象が変わりましたね。レコーディングの時点で音はほぼ出来上がっていたのですが、完成したらさらに青春度が増していて面白いなって。夢に向かって駆け抜ける少女の歌なので、その思いがキラキラとした音に重なるんじゃないかなと思っています。――「イツカノキオク」もそうですが、ピュアなナンバーですよね。和氣 そうですね！前向きでキレイな曲だなと思っています。――3曲目「Girl’s Riot!!」は、「イツカノキオク」と同じく、宮崎まゆさんと高橋修平さんが作られた曲ですが、カラーが変わってガーリーでキュートな曲です。和氣 全然違う雰囲気の曲になっていて、本当にすごいなって。この曲は「女の子同士の友情最高！」って曲なのですが、“女の子が女の子を全力で楽しむ”って感じがすごく好きで。サビはメロディ通りに歌ってはいるんですけど、後ろで「klaxon！」って叫んでいて。だからもしライブで歌うとしたら、お客さんにも一緒に「klaxon！」と歌ってもらったら盛り上がるんじゃないかなと思っています。ライブ映えしそうな曲ですね。――4曲目「Break Theory」はガールズロックバンドの雰囲気漂う曲ですね。和氣 実は、3rdシングルの全体的なテーマがロックだったんです。なかでも「Break Theory」はまさしくロックだな、という曲で。歌い方も曲調も後ろにバンドさんがいそうな曲になってるなって。ロックってバチバチなイメージしかなかったので（笑）、最初にロックと聞いたときは「えーっ、できるのかなぁ……」って感じだったのですが……前の3曲は自分らしく、楽しく歌えたのですが「Break Theory」は苦戦しました。――なるほど！前の3曲はゴリゴリのロックというより、爽やかさやキラキラ感も散らばったロックナンバーですもんね。でも、苦戦したのはなぜだったんです？和氣 私自身、気持ちを前に出せない人間なんです。お芝居のときや、キャラクターになりきってるときはテンション高く声を出せるんですが、いざ自分自身の歌となると冷静になってしまって。常に第二の自分が俯瞰していて「落ち着けよ、自分」って言ってるんですよね。――常に冷静でいられるって私から見ると羨ましいことでもあります。和氣 自分としてはテンパることもあって、ライブもレコーディングもめちゃくちゃ緊張してるんです。ライブのときは緊張を抑えるために、普段通りでいるようにしてるんです。ゲームしたりとか（笑）。周りからは「緊張してないの？」ってよく聞かれるくらいで。だからこうやって感情的になれる（曲の）主人公が羨ましくって。自分とは正反対の人間すぎて、苦労した曲です。――“全力で叫べ” “魂込めて”など、感情的な言葉が多い曲ですもんね。和氣 ふわっと生きてきてしまっているので、お芝居以外でありったけの魂を込めたことってあんまり……ないんですよねぇ（笑）。でもライブ映えしそうな曲ですし、タオルを振り回しながら歌えそうだなって。そのころまでにはもっと感情的な自分になれたらいいな。――アーティスト活動をやっているからこその新しい挑戦ですね。和氣 たしかに！――（インタビュー時は）もうすぐ「和氣あず未 おたんじょうびかい～キキくんララちゃんといっしょ～」（9月5日）が開催されます。サンリオピューロランドで自身のイベントを行うのは初めてですよね？和氣 はい。去年も誕生日会をやらせていただいたんですが、想像以上のお客さんんが来てくださったんです。次はもう少し大きな会場でやりたいなと思っていたんですが、まさかサンリオさんで誕生日会ができるとは思わなくて！これまで公で話したことはなかったんですが、キキララちゃんがすごく好きなんです。それでキキララちゃんに来てもらうことになっています。一緒にステージに上がってお祝いしてくださるらしくて本当に楽しみです。――イベント直後の9月8日にはお誕生日を迎えられます。毎年目標が叶わないとおっしゃっていましたが、今年はいかがですか？和氣 あ、でも仕事じゃない目標は叶ったんですよ。毎年言ってた「引越ししたい！」っていう願いがついに叶ったんです！――ってことはペット可物件に引っ越されたんです!?和氣 そうです！実は新しいワンちゃんをお迎えしたんです。引っ越した一週間後に飼い始めて。こむぎちゃんってミニチュアダックスです。すっごくやんちゃなコで。芸はひととおり覚えさせています！まだ皆さんにはお知らせしていないんですが、自撮りにワンちゃんを載せて、ガッツリ匂わせました！一同 （笑）。――新手の匂わせですね（笑）。ファンの方々は気づかれてました？和氣 みんな気づくかなぁって思ったんですが……50件くらいコメントをいただいていたんですが、5人くらいの方が気づいていました（笑）。実家もずっとミニチュアダックスを飼っているので「実家のワンちゃんかな？」などのコメントはいただきました。――では改めて、新しい歳を迎えるにあたっての目標はどうですか？和氣 そうだなぁ……。自信に満ち溢れた女性になる！――素晴らしいじゃないですか！和氣 いや、でも叶わないって分かってるんで（笑）。引っ越しも何年も言ってきてやっと叶いましたし。――ちなみに、和氣さんの「ステキな女性像」ってどんなものですか？和氣 人に頼らない女性！私一人の時間が凄く好きなんです。でもその一方で、1人じゃなにもできなくて。物事が分からなすぎるんですよ（苦笑）。家族に頼っていることが今まで多すぎたので、自立した女性になりたいですね。――アーティストとしてはそろそろアルバムも視野に入れられているのでは……？和氣 12曲あるので、もうアルバムはできちゃうんですよね（笑）。どうなるんだろう！この勢いなら出せるかなと思うんですが……来年に出せたら出したい！また新しい曲を歌えるのかなと思うと嬉しいです。INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ●リリース情報和氣あず未 3rdシングル「イツカノキオク／透明のペダル」10月7日発売【初回限定盤（CD＋DVD）】品番：COZC-1679～80価格：￥2,000＋税【通常盤（CD only）】品番：COCC-17810価格：￥1,500＋税＜CD＞1.イツカノキオク（※イツカノキオク・・・TVアニメ「くまクマ熊ベアー」オープニングテーマ作詞・作曲：宮崎まゆ 編曲：高橋修平2.透明のペダル作詞：坂井竜二 作曲・編曲：坂部剛3.Girls Riot!!作詞・作曲：宮崎まゆ 編曲：高橋修平4.Break Theory作詞・作曲・編曲：鈴木裕明5.イツカノキオク（Instrumental）6.透明のペダル（Instrumental）7.Girls Riot!! （Instrumental）8.Break Theory （Instrumental）＜DVD＞「イツカノキオク」Music Video ／ Making Movie(C)くまなの・主婦と生活社／くまクマ熊ベアー製作委員会関連リンク和氣あず未 日本コロムビア公式サイトTVアニメ「くまクマ熊ベアー」公式サイト