南海電鉄の新観光列車「GRAN 天空」

 4月24日から運行している南海電鉄の新観光列車「GRAN 天空」。大阪の難波駅から和歌山の極楽橋駅まで、約1時間半かけて走ります。

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 列車は4両編成の座席指定。

座席や空間演出、ロビーラウンジ、お土産販売など車両ごとに特色があり、南海電鉄として約100年ぶりの試みだという、車内での食事提供も。ゴールデンウィークの予約は「ほぼ埋まっている状態」だと言います。

 もうすぐ大型連休。今盛り上がりを見せる観光列車の魅力とは?鉄道各社の戦略とは?鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏に聞きました。

大きめシートでゆったりと…1~4号車それぞれ違った魅力

【増える観光列車】背景に鉄道会社の“懐事情”か「毎日は乗ってくれないが…」 鉄道ジャーナリストの関西イチオシ列車『お手軽』『グルメ特化』な2本とは?
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 4月24日にデビューした南海電鉄の「GRAN 天空」。走行区間は大阪の難波駅~和歌山の極楽橋駅(※極楽橋~高野山はケーブルカー)で、先代の天空(橋本~極楽橋)から大幅に延長されました。

 列車は4両編成で、車両ごとに異なる魅力が。
 ▼1号車 大きめシートでゆったりと…
 ▼2号車 車窓に向けられた座席で外の景色を…
 ▼3号車 軽食・お土産を買えるロビーラウンジ…

 特に4号車は…

4号車では「約100年ぶりの試み」が

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 4号車は、沿線の工芸品などもあしらわれたラグジュアリーな空間

 ゆったり座れるソファー席で景色を見ながら、大阪・和歌山の食材を使った食事を楽しめます。また、運行時間帯に応じて、モーニングやアフタヌーンティも。

 南海電鉄として、車内での食事の提供は約100年ぶりの試みだということです。

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 難波から1時間も走れば、窓から見える景色は一変。日常のあわただしさを忘れて、旅気分が存分に味わえます。

 ゴールデンウィークの予約は「ほぼ埋まっている状態」だということです。

 運行初日の乗客は…

「外もよく見える大きな窓で座り心地も良かった」

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 (運行初日の乗客)
 「名古屋から来ました。車内が豪華なのですごく乗っていて楽しかったですね」
 「木をたくさん使っている座席、ワイドビューの席に座った。外もよく見える大きな窓ですごく良かった。座り心地も良かった」

「観光列車」の始まりは?

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 そもそも「観光列車」とは何なのか?鉄道ジャーナリスト・梅原淳氏によると、正式な定義はないそうですが、基本的には次の3つの特徴があると言います。

 <観光列車の特徴(梅原淳氏)>
 ▼観光地に向かう
 ▼専用車両で運行
 ▼列車に乗る楽しみを提供

 梅原氏は「(諸説ありますが)観光列車の始まりはSLだった」と指摘。1975年、国鉄で消えたSLを翌76年に大井川鐵道が復活させる形で運行したそうです(※2029年ごろまで黒いSLは運休中。現在はきかんしゃトーマス号などを運行)。

バブル期に人気「豪華お座敷列車」

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 また、バブル期には「豪華お座敷列車」が社員旅行で大活躍。

 JR東日本の「お座敷列車」などがその例で、列車そのものを楽しむものではないものの、豪華なしつらえの団体客専用列車が人気になったと言います。

今の観光列車人気の源流は?

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 今に続く観光列車人気を決定づけたのは、JR九州の「特急 ゆふいんの森」(1989年~)。

 それまで知る人ぞ知る存在だった由布院が、この列車の登場により人気爆発。他社も「それに続け」と観光列車を始めたそうです。

観光列車は増加傾向…背景に鉄道会社の“懐事情”

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 梅原氏は「この10年ほどで、全国で観光列車は増加傾向」にあると指摘。増加の背景には鉄道会社の“懐事情”も関係していると言います。

 そもそも、鉄道利用者の約6割は「定期券利用者」。毎日乗ってくれる“大事なお客さま”です。

しかし、割引が大きいため売り上げで言えば4割程度。特に地方は割引率の大きい高校生が多いそうです。

 一方、観光列車の利用者は、毎日は乗らないものの、「特別料金を払ってくれる」「グッズも買ってくれる」「沿線にお金を落としてくれる」という特徴が。

 さらに、観光列車はだいたいどこも“成功”していると言います。

関西オススメ観光列車「お手軽編」

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 梅原氏オススメの関西の観光列車を聞きました。まずは、お手軽編…

 近鉄「あをによし」はいかがでしょうか?「難波~奈良や京都~奈良を30分余りで結ぶお手軽旅」(梅原氏)です。

 <近鉄 あをによし>
 ▼大阪難波~近鉄奈良~京都 2270円
  京都~近鉄奈良      1490円
  ※普通運賃+特急料金+特別車両料金
   ツインシートを2人・サロンシートを3~4人で利用
   予約状況はご確認ください

 車内では、ほうじ茶&レーズンのバターサンドや、奈良のクラフトビール、柿の葉寿司などを販売しています。

関西オススメ観光列車「グルメ特化型編」

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 続いて、グルメ特化型編…オススメは、今年11月デビュー予定の近鉄「Les Saveurs 志摩」

 フランス語で「味・風味」を意味する「Saveurs(サヴール)」の名の通り、“味覚”に特化していて、三重の食材を使ったフレンチを味わいながら名古屋~賢島を移動します。

 <近鉄 Les Saveurs 志摩>
 ▼フレンチコース
  平日  3万3000円
  土日祝 3万6000円

 梅原氏は「ここまで食事メインの観光列車も珍しい。どれだけ人気が出るか期待」と述べています。

 (2026年4月24日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)

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