大阪大学や大阪健康安全基盤研究所などの研究グループは、下水中に含まれるインフルエンザウイルスの濃度から、その地域の患者数を予測できるようになったと発表しました。
これまでよりも約1週間早く流行状況が把握できるようになったということです。
インフルエンザの患者数を予測 その方法とは?
研究では、大阪府内の3つの下水処理場から、家庭のトイレなどからの排水が流れ込む『下水』を採取。
この下水には、患者の便から排出されたウイルスが含まれていることから、ウイルス濃度を測定し、同時期の患者報告数とつきあわせることで、患者数を予測する統計モデルを構築しました。
こうした予測方法は、すでに新型コロナウイルスで活用されていますが、インフルエンザについては、コロナ禍でマスクなどの感染症対策が進んだことによって、患者数が減り、研究に必要な患者数が足りない時期があったため、研究が遅れていました。
このため研究では、再び患者数が増えた2023年4月から2025年4月の下水サンプルを使って、統計モデルを確立。インフルエンザA型、B型それぞれについて、これまでよりも約1週間早く、流行の兆しをとらえることができるようになったということです。
下水サンプル活用で”潜在患者”の存在も把握!
研究グループによると、これまで医療機関の受診した人数や検査の結果から患者数を予測する方法はあったということですが、報告までに時間がかかることや、症状が出ていない患者については把握できないことから、実際の感染状況を十分反映できていないのではないかという指摘がありました。
しかし下水サンプルを活用することで、これまでの方法ではわからなかった症状がでていない患者の存在も把握できるようになったということで、研究グループでは「流行をより早くとらえることができるようになった」としています。
研究グループの代表で大阪大学の村上道夫教授は…
「今回の研究によって、これまで十分ではなかったA型B型を区別した患者数予測が可能になりました。測定値は下水をとってから2日以内に把握できるため、流行のきざしをいち早く捉えることができます。看護師や入院患者のベッドの確保など、医療体制の準備に役立ててほしいです」とコメントしています。

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