【科目】介護✕認知症  【テーマ】良いケアマネージャーの条件

【目次】
  • 介護保険外サービスに理解がある
  • 利用者の情報をしっかり共有する
  • 利用者の生活支援を重視している

介護保険制度における要は間違いなく、ケアマネージャーです。

ケアマネージャーは介護を受ける本人やその家族などと話をして、必要な介護保険サービスを結びつける役割を担っています。

私が運営する介護保険外サービスの事業所にとっては、介護保険サービスの利用を考えている方と私たちとの橋渡し役でもあり、欠かせない存在です。

今回は介護保険外サービス事業所を運営する私の立場から、良いケアマネージャーとはどのようなものか考察します。

介護保険外サービスに理解がある

超高齢社会を迎え、介護保険外サービスは、高齢者の生活を支えるサービスとして利用が進んでいます。

既存の介護保険サービスだけでは十分な対応ができない買い物や通院の付き添いなどといった日常的な支援は、ますます必要性が増していくでしょう。

支援が多岐にわたる介護保険外サービスについて、ケアマネージャーがどの程度理解しているかは、事業者と利用者にとって大切なポイントになります。

最近でこそほとんどありませんが、起業当初はケアマネージャーに理解してもらえないことがよくありました。

事業の説明に訪問したとき、「介護保険サービスがあるのに、わざわざ高いお金を払う人はいないでしょう」と少なからず言われたことがありました。

高いかどうかは利用される人が決めるべき。私はやろうとしていること自体を否定された気がして辛い気持ちになったのを覚えています。

ただ、住み慣れた地域で最期まで暮らすことを目指す地域包括ケアシステムの気運が高まっています。少しずつ介護保険外サービスへの理解も深まってきたように感じます。

まだ介護保険サービスには及びませんが、ケアマネージャーの理解度が深まることによって、利用者の方にもさまざまなサービスを知ってもらう機会が増えていると感じています。

介護保険外サービス事業者から見る良いケアマネージャーの条件と...の画像はこちら >>

利用者の情報をしっかり共有する

介護保険外サービスでも利用者の方の置かれている状況や健康状態を事前に知っておくことは大切です。

しかし、ケアマネージャーによっては、利用者に介護保険外サービスを紹介だけして、その後はまったくかかわらない人もいます。

「サービスの利用希望者を紹介をするので後はこちら(ケアマネージャー)に関係なく、直接やり取りをしてくれて良い」と言われ、複雑な気持ちになることがあります。

事業者側の立場から紹介してもらったのはありがたい一方で、どこか他人事のように思えてしまうからです。

利用者の方の詳しい情報までは難しいまでも、最低限の情報を提供するのが良いケアマネージャーだと思います。

本来、ケアマネージャーは介護保険サービスの事業所にこのような情報提供を当たり前のようにしています。こうした情報提供を介護保険外サービスでも行うことで、利用者の方にとっても質の高い支援につながると考えます。

介護保険外サービスの事業者から申し出をすれば、情報提供を断られることはありませんが、ケアマネージャー側からのアプローチはまだ少ないのが現状です。

利用者の生活支援を重視している

良いケアマネージャーは、介護保険サービスと介護保険外サービスにとらわれず、利用者の方の生活を支えていくことを重視しています。

サービス提供が始まると、毎月の介護サービスの予定が書かれた提供票と呼ばれる書面が送られてくることがあります。

また、こうした書面の中で、日々の状態の変化などを詳しく連絡してくれると、私たちも利用者の方の認知症の進行具合などを考慮して、適切なサービスを提供できます。

さらに、介護サービスを提供する事業者などが集まって話し合いをする「サービス担当者会議」と呼ばれる会議に参加させてもらうことができると、とても大きなメリットがあります。

サービス担当者会議は、ケアマネージャーが中心となって、介護事業者や利用者本人、家族などが意見を出し合って、ケアプランの内容や目的を話し合う場です。

例えば、利用者の細かい健康状況や、各事業者がどのような目的でサービスを提供しているかなどを把握することができます。

私としても、この会議に参加することで対象となる方を支えるチームの一員として認められたことを実感します。

介護保険外サービス事業者から見る良いケアマネージャーの条件とは?
利用者の生活を支援することを重視できる

介護保険外サービスを、高齢者の生活を支える一つの事業所として捉えられるケアマネージャーが求められていると思います。

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