港の景観を損ねるだけでなく、強風で飛ばされれば二次被害を引き起こす恐れもある。対症療法にとどまらず、根本的な解決策が求められる。

 竹富町の港で、物資を輸送する際に使う荷役台(パレット)の放置が深刻化している。
 町は九つの有人離島があり、それぞれ港がある。各港の4月末時点での放置パレット数は黒島が最も多く約8千枚。竹富島約千枚、西表島上原約800枚、同大原500枚、波照間島約200枚で計1万枚以上だ。
 畜産農家が多い黒島では飼料などの輸送でパレットの使用頻度が高い。一方、島外に運び出される荷物は少ないため回収されずに増え続けている形だ。
 竹富島では2018年、放置された木製パレットが燃える火災が発生し、安全面でも課題となっている。
 町議会でもたびたび取り上げられ、町は21年に町指定以外のパレット持ち込みを禁止する条例を施行した。
 しかし、罰則がないこともあり効果は出ていない。
 背景にはそもそも回収の予定がない「ワンウェイパレット」の存在がある。経年劣化で廃棄が前提となったパレットで、折り返しの荷物が少ない離島などで使用されることが多い。
 こうしたパレットは所有者を突き止め回収を依頼しても、回収されないことがほとんどだ。

 町は一般財源などを充ててパレットを処理している。22年度には4870枚の処理に2152万円かかった。島の輸送に使われたとはいえ、税金を投じるというのは釈然としない。
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 町で放置パレットが問題となったのは20年前ごろから。以前は木製が主流だったため、住民が燃やして処分するなどしていたという。野焼きを禁じる産業廃棄物処理法が周知されたことや、プラスチック製パレットの普及に伴い問題が顕在化した。
 一般的にパレットの所有者は発送を依頼する荷主だ。
 だが、運送料への回収コスト上乗せなどを嫌い、海上輸送業界では長年、回収責任があいまいになってきた経緯がある。
 安価なパレットは港から港へ荷物を移し替える際に横流しされることも。離島のように荷物が少ない場合は、一つのパレットにさまざまな荷主の物資が積まれることも責任の所在が不明確となる一因だ。
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 放置問題を解消するには、こうした業界の長年の慣習にメスを入れ、適正にパレットを回収させる必要がある。
 まず罰則付きの条例への改正が急がれよう。

 並行して、誰が責任を持って回収するのか。回収コストをどう分担するのか。荷主と運送会社、荷受人の話し合いも欠かせない。
 海上輸送は県内の離島にとって欠かせないインフラである。
 放置パレットは社会問題ともなっており、解決へ県の積極的な関わりも求められる。 
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