本作は、『湯を沸かすほどの熱い愛』以来10年ぶりとなる中野監督の完全オリジナル脚本による長編作品。日仏共同製作で描くヒューマンサスペンスで、“家族”というテーマを軸に、愛と罪、そして赦しを問いかける物語となる。
坂口が演じるのは、天涯孤独の青年・西山夕平。家族という幸せを求めるあまり、愛する人を殺めてしまった過去を抱える男だ。封印された記憶と向き合いながら、13年前の事件の真相が徐々に明かされていく。
公私ともにルーティンをこなすだけの日々を送る天涯孤独の青年・西山夕平(坂口)が職場で出会い、心を寄せるシングルマザー・東浜紗月役に堀田真由。坂口とは大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(2022年)、ドラマ『CODEー願いの代償』(23年)に続き3度目の共演となる。堀田は「10年前、映画館で『湯を沸かすほどの熱い愛』を観た時から、中野量太監督の作品に出演することが一つの夢でした」と熱い思いをコメントを寄せている。
先日出演が発表された早瀬憩が演じる紗月の娘・東浜朝子の幼少期を演じるのは、わずか4歳にしてananのグラビアを飾った人気子役・倉田瑛茉。腕を振って走るシーンのために「お休みの日はお姉ちゃんたちと公園で走る練習をしました」と役作りに奮闘した様子を明かしている。
罪を犯した夕平の弁護を担当し、事件当時の様子を朝子に伝える役目を果たす弁護士・町村善一役に滝藤賢一。中野監督の劇場長編デビュー作『チチを撮りに』(2013年)にも出演していた滝藤は13年振りとなる監督とのタッグに「あの頃と変わらず現場の中野さんは激熱でした(笑)。求めるハードルが非常に高く、明確で、妥協がない」とコメント。
娘の交際相手としての夕平をいぶかる紗月の母・東浜道代役に原田美枝子。娘・紗月との不仲を修復できず、突然紹介された夕平にも不信感を抱いたまま事件が起き、残された孫・朝子を一人で育てることになる。そのほか、稲垣来泉、和田光沙、片山友希、畦田ひとみ、田牧そら、渡辺真起子、足立智充、黒田大輔などが出演する。
あわせて解禁された特報映像には、夕平の「このサボテン、花が咲くんだって」と幼い朝子と二人でサボテンを眺めながら優しく語り掛ける穏やかな表情、紗月と朝子と共に食卓を囲むぎこちない様子、遊園地で朝子と楽しむ様子、自転車の後部座席で眠ってしまった朝子を優しく抱き上げる姿、そして階段から倒れていく女性の姿などが映し出される。
「覚えてる?お母さんが亡くなる前の半年間だけ、父親のような人がいたことを」。死を目前にした祖母から告げられたその人は“母を殺した男(ひと)”だった。しかし、成長した朝子の記憶の中に夕平は存在しなかった。当時の事件を知った朝子は記憶を呼び戻すかのように、過去の事件について調べ始め、そしてついには刑務所へ出向き、面会室のガラス越しに聞く。「私のこと、あなたは覚えてますか?」
13年ぶりに会ったその男は微笑んだようにも見える表情で、こう答える。「私はあなたを知らない、」。手をつないで歩く夕平と朝子の後ろ姿が印象的なラストシーンのその先で何が起きたのか?
また、夕平が黄色い風船を持った幼い朝子を優しく抱きかかえながら歩く温かみのある場面写真も解禁となった。やがて訪れる悲劇を予感させない温かな時間が切り取られており、そのコントラストが物語の切なさを際立たせる。
■堀田真由(東浜紗月役)のコメント
10年前、映画館で『湯を沸かすほどの熱い愛』を観た時から、中野量太監督の作品に出演することが一つの夢でした。
この度、ご一緒させていただけたこと。そして、監督自身の手で大切にされてきた物語の一部になれたことは本当に幸せな経験でした。
監督は、発する言葉一つ一つを心から湧き上がる感情まで丁寧に掬い上げてくださる方で、私にとって、演じることを改めて見直す大切なタイミングとなる作品になりました。
撮影期間中は、紗月という人物を演じることに迷いもあり、分からなさを抱えていました。託していただいた彼女の人生をうまく表現したいという思いが強まるほど、複雑で苦しい気持ちになることもありました。しかし、それは一人で乗り越えるものではなく、話し合いを重ねながら日々、監督への信頼を胸に歩む時間でもありました。
完成した作品からは、初めて台本を読んだ時の感覚とは全く違う感情が湧き上がり、登場人物全ての気持ちがゆっくりと理解できるように感じられました。人生の儚さに触れつつ、それでも光に手を伸ばす強さを持つ温かな愛を、私自身も受け取ることができました。
決して人ごとではなく、他の誰かの人生と静かに響き合う瞬間が、観てくださる方にも届きますように。
■倉田瑛茉(幼少期・東浜朝子役)のコメント
東浜朝子役の倉田瑛茉です。早瀬憩さんが演じる朝子の幼少期を演じました。
はじめに監督さんから「朝子は元気な子だよ」と教えてもらったので、とにかく楽しくお芝居しようと思いました。
難しかったシーンは、腕を振って上手に走らないといけないシーンです。
私は「ペンギンさん走りだね」ってママによく言われるので、上手に走れるように、お休みの日はお姉ちゃんたちと公園で走る練習をしました。
楽しかったシーンは、3人で川の字になって眠ったシーンです。
カットがかかっている間、夕平役の坂口さんやお母さん役の堀田さんにたくさん遊んでもらったのがとても楽しくて、本番で寝ていなくちゃいけなかったのですが、思い出して思わずニヤニヤしてしまいました。
監督さんにたくさん教えてもらっていろんな表情にも挑戦したので、ぜひそこにも注目して見てほしいです!
■滝藤賢一(町村善一役)のコメント
中野量太監督と初めて出会ったのは
新藤兼人監督の戦争体験を語ったドキュメンタリー・ドラマ『丘に上がった軍艦』でした。サードの助監督をされていたと記憶しております。明るく穏やかな中野さんと現場でお話しするのはとても楽しかったです。あれから20年。ご自身の作品を丁寧に大切に紡いでいく中野さんのご活躍が嬉しく、いつも新作を拝見する度に、またご一緒できたらいいなぁ、なんて勝手に片思いしておりました。『琥珀色のキラキラ』『チチを撮りに』以来13年振り、3本目になります。あの頃と変わらず現場の中野さんは激熱でした(笑)。求めるハードルが非常に高く、明確で、妥協がない。何度も何度もトライさせていただき、坂口さん、早瀬さんはじめ、共演者、スタッフの皆様に助けられながらシーンを経験していったように思います。台本を初めて読んだ時、これは難しい題材だなぁと感じましたが、中野監督らしい愛おしい作品になったと私は思います。ぜひ多くの方に観ていただけたらうれしいです。
■原田美枝子(東浜道代役)のコメント
紗月のお母さんを演じました。ちゃんと自立させようと、厳しく娘を育てたけれど、親子の関係はあまり良くなかったようです。
その娘を殺されて、孫の朝子を育てることになって、その苦労は、並大抵ではなかったでしょう。
みんな愛情は深かったのに、伝えるのが不器用なひとたち。
でも、お母さんが、この映画のラストシーンを見ることができたなら、それまで背負ってきた重荷を、そっと降ろすことができるでしょう。と、思いました。
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