俳優の浅野忠信が1日、都内で行われた映画『すべて真夜中の恋人たち』(13日公開)東京国際映画祭舞台あいさつに登壇。岨手由貴子監督から絶賛された。


 今作は、岨手監督にとって『あのこは貴族』以来、約5年ぶりの長編映画。共に登壇した浅野、岸井ゆきの、森田望智の印象を明かした。

 人との関わりを拒み孤独に生きてきた役を演じる岸井に対しては「準備段階からずっと一緒に駆け抜けて、戦友という感じで、今もずっと捉えています」と語った。また、「岸井さんはすごく映画が好きで、俳優という感じで現場にいるというより、俳優部のチーフとしてスタッフと同じように一緒にいるという感じの俳優さんです」と印象を告白した。

 物理教師を演じる浅野については「スクリーンの申し子」と表現。岨手監督は、これまでの浅野の役をたくさん見てきたといい、「自分が見ていない浅野さんを演出できるかすごく不安だったんですけど、浅野さんがカメラの前に新鮮に、フレッシュなたたずまいで立ってくださっていたので毎シーン驚かされました」と振り返った。編集中には、同じテイクを100回以上見ることもあるそうで、「100回見るごとに新しい発見があるくらい、全く飽きさせない。本当にスクリーンに映るために生まれてきたんだなと感じさせる、強烈な体験でした」と目を輝かせると、浅野は恐縮する様子を見せた。

 誰にでも物おじせずに自分の意見を言う役を務める森田には、性格が良すぎて「聖、大丈夫かなと」と感じたこともあったそう。「森田さんじゃなければ聖って愛しにくい登場人物になってしまうんじゃないかなと思うくらい、森田さんの持っている切実さとか正直さとか、そういうものがスクリーンに映っているなと思います」と明かした。

 同映画祭のガラ・セレクション部門に出品となった同作は、川上未映子氏による同名恋愛小説の映画化。人との関わりを拒み孤独に生きてきたフリーの校閲者・入江冬子(岸井ゆきの)が年上の物理教師・三束(浅野忠信)と出会い、そこから冬子の日常が少しずつ変化していく。
冬子のみならず、三束や石川聖(森田望智)、誰もが抱える孤独を描き出し、現代的でいて普遍的なテーマを、静かに繊細に差し出す。小さな心のさざ波を、息を止めて見つめるようなラブストーリーとなっている。

 イベントにはほかに、岸井ゆきの、森田望智、川上未映子氏が登壇した。
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