8月29日と30日の両日、鳥取県米子市で開催されたSFファンダムの夏の祭典『第54回日本SF大会 米魂(こめこん)』。SF大会では参加者が自由にマスカレード(コスプレ)をすることができます。

親子連れの参加者が親子でコスプレをし自由に企画を見て楽しむことも多いものです。

日本SF大会では、大会中にコスプレコンテストが行われていますが、コンテストにも種類があり、現在は主に2つ。日本におけるコスプレイヤーの元祖として知られる小谷真理氏が主催する『コスプレコンテスト小谷杯』と、星雲賞のパロディの自主企画のひとつで大会期間中に参加者の投票によって選ばれる『暗黒星雲賞 コスチューム部門』とがあります。このほか大会形式にもよりますが、ワールドコンを模して寸劇等を含むコンテストを行うことも。

実は筆者自身、SF大会では2007年ごろからSF女装をメインテーマに本格的にSF大会でのコスプレ参加を嗜むようになり、その後コスプレコンテスト小谷杯は2009年(マクロスF『ランカ・リー』)と2011年(魔法少女まどか☆マギカ『鹿目まどか』)の2度受賞したことがある立場。また、ダンス企画を主催する立場でダンス曲と衣装の関係から、今回は未だ1度も受賞していない『暗黒星雲賞 コスチューム部門』を(もちろん期待することなく)記事ネタ用に密かに狙ってみることにしたのでした。

暗黒星雲賞は期間中に良い意味または悪い意味で注目されたり話題になったりすることがある意味ではキーポイントになるため、かなり目立つことが必須条件に。 そのためにはまずは衣装の選定ということで、直近にダンス企画を実施した2011年以降で話題になっていたダンスのあるSF作品の曲で、話題性のありそうな衣装のある作品から、今回は『ガールズ&パンツァー』の『あんこう音頭』を選定。あんこう音頭を踊る際に着用するピンクの衣装を今年のコスプレ衣装にすることに決定。

コスプレ衣装をどう準備するか。コスプレイヤーそれぞれがそれぞれの方法で準備をするもの。布から自作するコスプレイヤー、既製品を購入するコスプレイヤー、既製品を加工するコスプレイヤーなどなど。

今回は他のコスプレイベントでの着用に不向きということで今大会限りを前提に出来るだけ安く済ませる方向で準備を実施。 あんこうの衣装はピンクの全身タイツをベースにヒレと提灯を付けるだけというシンプルな構造。材料も使い切り前提でできるだけ安く済ませるため、100円ショップで揃うものを中心に準備。 さあ、裁縫の時間だ!!!(※すべて手縫いしました)

また、全身タイツでシルエットがはっきりと分かる女装という立場上、衣装製作とあわせシルエット補整用下着等も準備し、万全を期すのでした。 この他メイクもよりそれらしくインパクトが出せるよう、アイメイクを中心にメイク用具を揃え直しています。ガルパンの主役である西住みほのように見えるかどうかは勘弁いただいて、「なんとか女性には見える」程度のメイクとシルエットの完成度を得ることができたわけです。

2日間とも昼頃からずっとあんこうの衣装で全日程を過ごしたわけですが、参加者の仲間内でもよく目立っていて探すのに苦労しないと言われる始末。うん、いかにもよく目立っていたようだ。 Twitterの公式ハッシュタグ #comecon2015 でもそこそこ話題になっていることを確認。少し安堵したものの、念のため、空き時間は入口ロビーなどの目立ちそうなところに居てささやかながらロビー活動を展開(笑)

そして結果ですが……。なんと受賞しちゃいました。編集部とは「今年はチャレンジだけで落選のオチだろうねー。

そして来年を目指そう」と話し合っていたぐらい想定していなかったので、この受賞は周り含め驚愕の出来事。

でもこれにより、晴れて日本SF大会の2つのコスプレ関連の賞を得ることができました。今回の衣装は封印の予定でいるのですが、リクエストがあればいつか復活があるかも? そして来年はコスプレ方面でまた何か新しいチャレンジに取り組んでみたいと思います。また来年、お会いしましょう!

(文:y3sei/ヤスベェ3世!@ピンクアンコウ)