唾液の成分を解析して膵臓(すいぞう)がんなど最大6つのがんの罹患リスクを調べる検査サービス「サリバチェッカー」を展開するスタートアップ、サリバテック(山形県鶴岡市)は、東京都内で4月27~29日開かれた、国内外のスタートアップが集まる投資家向けイベント「SusHi Tech Tokyo(スシテックトウキョウ)2026」に出展し、唾液の冷凍保管を不要にするなど検査手続きの簡易化や今後の海外事業の可能性など新たな事業の取り組みを来場者にアピールした。

 サリバチェッカーは各種がんの早期発見を目的に、サリバテックが2017年1月、検査料1回2万6400円(単品購入通常価格)の有料事業として提供を開始。

唾液約0.4ccを採取し、がんに罹患すると変化するとされるポリアミンなどの唾液中の代謝物を測定、人工知能(AI)の学習モデルで解析し、乳がんをはじめ、肺がん、大腸がん、膵臓がん、胃がん、口腔(こうくう)がんの計6つのがんの罹患可能性リスクを「低リスク」「やや低リスク」「やや高リスク」「高リスク」の4段階で評価する。

 この検査は、約1900社が福利厚生の一つとして導入したほか、全国1700以上の提携医療機関で利用されているという。またサリバテックのウェブサイトでは検査キットを個人らに販売している。同社によると、これまでに累計およそ11万人が受検したという。

 採取した唾液はこれまで冷凍保管が求められ、受検者は採取後、唾液を入れた容器を山形県鶴岡市のサリバテックに冷凍輸送する必要があったが、検査手法を改善し、4月からは常温保管の唾液で各がん種の罹患リスクを分析できるようになったという。このため受検者は採取した唾液を入れた容器を封筒に入れてポストに投函(とうかん)するだけでよくなり、検査に伴う受検者の負担が減るという。

 サリバテックの臼井翔・営業企画課長は「受検者の手間が減り、サリバチェッカーが利用しやすくなるので今後さらに受検者を増やしていきたい」と話す。

 サリバテックは2月、本社のある地元鶴岡市と「地域住民の健康増進に関する包括連携協定」を締結し、鶴岡市民を対象に割引価格(7700円)で、唾液で膵臓がんの罹患リスクを検査するサービスを7~8月に提供することを決めるなど、受検者拡大の取り組みを強化している。

 また2月には、唾液を用いたがんリスク検査の有効性の検証に向けた共同研究をスリランカで実施する覚書(MOU)をスリランカ企業と結んでいる。

編集部おすすめ