昼食後の眠気をなくすにはどうすればいいか。書評家の印南敦史さんは「ランチで目立つ、炭水化物系をたっぷり含んだ料理を食べると、血糖値は必然的に上がり眠気に襲われることになる。
私はお昼に食べるものをタンパク質を含む食材3個に改善すると、不快感なくおなかが満たされ、眠気を感じることもなくなった」という――。
※本稿は、印南敦史『先のばしをなくす朝の習慣』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■炭水化物たっぷりのランチに抗えない
ランチのあとに眠くなってしまうという方は、決して少なくないと思います。食後に眠気を感じるのは、体内で血糖値が上がるためだというのは有名な話ですよね。
ご飯やパン、麺類など、糖質を多く含む炭水化物を摂取することで、血液内の糖分が上昇することが原因だといいます。ですから、なるべくそれらを摂らないようにすれば、ある程度は改善できるのでしょう。
そこで、まずは食生活の改善を試みてみるのもいいかもしれません。
とはいえ現実問題として考えると、ビジネスパーソンにとって、それはなかなか難しいことでもあります。
飲食店のランチメニューには、炭水化物系をたっぷり含んだ料理が目立ちますし、店頭に出ているサンプルを目にした結果(午前中の仕事で疲れていることもあって)、ついガッツリ系のものを選んでしまいがちだったりもします。
また、そこに職場の人間関係が絡んできたりするのも難しいところ。
■結局カツ丼を食べて容赦ない眠気が襲う
たとえば、上司や同僚と外食するとき、周囲がカツ丼やハンバーグ定食などをチョイスしているなか、「僕は炭水化物を食べないようにしているので」などと公言してサラダだけにしたりしたら、なんとも微妙な空気が流れてしまいます。
必ずしも間違ったことをしているわけではないので、おかしな話ではありますが、仕事には多少なりともそういう事情が絡んでしまうもの。
そのため止むに止まれず、あるいは「食べたい」という欲求に抗えず、結局はカツ丼を食べてしまうなどということは充分に考えられるのです。
しかし、そうなると血糖値は必然的に上がるので、食後、すなわち午後の仕事が始まるころには、また自動的に眠気に襲われることになります。
すると、そこから数十分は地獄の時間です。なにしろ午後にも、やらなければならないことはたくさんあるので、なんとか集中しなければなりません。それなのに、眠気は容赦なく攻撃をしかけてくるのですから。
そうなってしまったら、もう逃げ道なし。眠気がぐいぐい攻めてくるので集中できるはずもなく、やるべき仕事だけが山積していく……。
そればかりか「○○の企画書はどうなってる?」などと上司に聞かれたとき、不覚にもうつらうつらと船を漕いでいたりしたら、信用すら失ってしまうことになりかねません。
■眠気と戦うのは時間のムダ
では、どうしたらいいのでしょうか?
答えはいたってシンプルです。仮眠をとればいいのです。もし周囲の視線が気になるのであれば、「少し眠ります」と宣言するのがいいと思います。
冗談ではなく、それは有効な手段。
食後に眠気を感じる人は少なくないので、大概の人は「そのほうが効率いいよね」と理解してくれるはずです。
だとすれば、いっそ午後の仕事の前に一斉に眠る「お昼寝の時間」をつくればいいのではないかという気もしてきますが、さすがにそれは難しい。ですから、眠りたい人が眠ればいいわけです。
僕も昔、上司が「いまからちょっと寝るからな。眠いときには10分でも寝たほうがいいから」と告げてから堂々と眠り始める姿を見たとき、強く納得できました。
同僚のなかにも、不満を表す人はいませんでした。それどころか、ゆっくり眠らせてあげようと全員が思ったからなのか、無駄な会話が減ったほどです。それ以来、僕も眠くなったらちょっと寝るようにしていて、その習慣は現在も続いています。
ですから経験的に自信を持っていえますが、昼食後など、どうしても眠気に耐えられないときは迷わず眠るべきです。仮眠室などで本格的に眠るのではなく、仕事をするときと同じようにデスクに向かって椅子に座り、楽な姿勢で集中的に眠るのです。
僕はラジオを流しながら眠ることも多いのですが、短時間とはいえきちんと眠ったほうがいいので、できればそういうことは避けるべきかもしれませんね。
あるいは、イヤホンをして環境音楽など、邪魔にならない音楽を小さく流すのも悪くはない気がします。

■昼寝するなら開きなおって集中して眠る
どのくらい眠ればいいのかが気になるかもしれませんが、少なくとも僕の場合は、不思議なことにピッタリ30分で目が覚めます。人によって差はあるでしょうが、たまたま僕にとっては30分がベストな睡眠時間なのだろうと思います。
ともあれ、昼寝を習慣化することができれば、おのずと自分にとって最適な昼寝時間は決まっていくはず。ポイントは、とにかく集中して眠ること。「みんなが働いているのに申し訳ない」などと考えず、いい意味で開きなおって眠るべきなのです。
短時間の集中睡眠を終えて目が覚めたときには、頭がスッキリしていることに気づくことでしょう。
この瞬間の、頭にかかっていた靄がサッと晴れるような感覚は非常に心地よいので、無理なく「さあ、午後もがんばって仕事をしよう」という気持ちにシフトできると思います。
■3個で不快感なくおなかが満たされる昼食
もうひとつ、ランチ後の眠気対策に有効な方法を発見しました。
きっかけは、知人に紹介されたパーソナルジムに通うようになったことだったように思います。
といっても、フィジカル面について偉そうに語れるほどのレベルには達していませんが、それでも食べものについての意識が多少なりとも(本当に多少ですが)変化してきたのは事実。
本当は好きな脂っこいものや味の濃いものをなるべく避け、体によさそうなものを食べるようにしようと心がけるようになったのです。
で、その一環として考えたのが、「ランチを改善できないか」ということ。
その結果、試しに「お昼はゆで卵を3個」ということにしてみたのです。
最初にお断りしておくと、これは単なる思いつきであり、個数にもまったく根拠はありません。「1個や2個だとすぐにおなかが空きそうだけど、3個ならなんとか過ごせるのではなかろうか」という、そんな程度の発想です。
ですから、専門家の方には「な~にをナンセンスなことを」と笑われてしまうかもしれません。それに、ゆで卵は(カロリーハーフの)マヨネーズをつけて食べているので、「意味ねーじゃん!」とツッコミが入る可能性すらあります。
が、結果的にはこれがとても効果的だったのです。もの足りなさを感じたことは一度もありませんし、それどころか腹持ちも抜群。不快感なくおなかが満たされ、眠気を感じることもなくなったのです。
ジムのトレーナーに話したら「それは当然です」と笑われましたが、どうあれタンパク質のポテンシャルを実感することができたのでした。
■夜の晩酌はノンアル1本とワイン1、2杯
ちなみに、朝食はトマトジュースと、豆乳をかけたグラノーラを少々、それからコーヒーが基本。秋冬にはグラノーラが焼きいもに置き換えられるケースも多いので、基本的には自然由来のものが中心になっています。
自然派を目指そうとしたわけではなく、あくまで「そうなっただけのこと」ですけれど。

ともあれ朝昼がそんな感じだと、「晩酌」がますます楽しみにもなります。
ただし、夜も爆食するわけではありません。何品かのおかずと一緒にノンアルコールビール(「常陸野ネスト ノン・エール」という銘柄が超おすすめ)を1本、そして赤ワインを2、3杯飲む程度。
そもそも白米が好きではないため、お米は食べません(食べるとしても玄米)。そのわりにハード系のパンは大好きなので、ダイエットのあり方としては矛盾がありますが、なにしろ朝昼が質素ですし、パンを食べてもダイエット的なデメリットを感じたことはありません。
あくまで主観に基づいたメソッドなので「絶対的におすすめします!」などと強調する気もありませんが、僕に限っていえば、現時点ではこのスタイルにとても納得しているのです。
Point どうしても眠いときは「少し眠ります」で、地獄の時間を回避する

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印南 敦史(いんなみ・あつし)

作家、書評家、編集者

最新刊「遅読家のための読書術」(ダイヤモンド社)がベストセラーに。書評家として「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「マイナビニュース」「Suzie」「WANI BOOKOUT」など多くの媒体に寄稿。

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(作家、書評家、編集者 印南 敦史)
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