株式会社CAQNAL(カクナル)のメンバー対談シリーズ第3回。今回は、代表取締役の中島 篤(ナカシマアツシ)と、カクナルの「制度設計」の要であり、社会保険労務士の資格を持つエグゼクティブコンサルタント・細谷 真司(ホソヤシンジ)の対談をお届けします。


大手人材紹介会社で約10年間、採用支援/転職支援双方のコンサルティングを経験してきた細谷が、なぜ個の支援から組織・制度というマクロな視点へと転身したのか。そして、社労士としての専門性を持ちながら、なぜ現場で伴走する泥臭いコンサルタントであり続けるのか。組織変革に効果をもたらす質の高い価値提供を追求し続ける二人が、組織を変える制度設計の真髄を語り合いました。

対談メンバー紹介

中島篤 ナカシマアツシ(写真左)

株式会社CAQNAL(カクナル)  代表取締役

iU情報経営イノベーション専門職大学 客員教授 / 地方創生アドバイザー

1976年福島県生まれ。東北学院大学第二部経済学科卒業。在学中は株式会社紀伊國屋書店で契約社員として勤務し、昼間就業・夜間就学という二足の草鞋で過ごす。卒業後、2001年にスターバックス コーヒー ジャパン 株式会社に入社。その後、株式会社ユニクロをはじめ、複数の業界・企業で現場責任者、人事部長およびコンサルタントとして従事。2011年、東日本大震災を機に働き方改革や地方創生に関心を持ち、フリーランスとして活動後、株式会社CAQNAL(カクナル)を創立。

細谷真司 ホソヤシンジ(写真右)

株式会社CAQNAL エグゼクティブコンサルタント / 社会保険労務士

2008年新卒でインテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。キャリアアドバイザー/リクルーティングアドバイザーとして500名以上の転職・採用支援実績を持ち、社内表彰も多数。その後コンサルティング部門を経てカクナルへ参画。現在は人事コンサルティング部門の責任者を担いつつ、企業の人事制度設計構築を中心とした数多くのプロジェクトにおけるマネジメント・コンサルティング実務を担当。


500名の採用支援から制度設計へ。視点を変えた「一撃のインパクト」

カクナル広報:

新卒入社の会社では、人材紹介部門でCA(キャリアアドバイザー)とRA(リクルーティングアドバイザー)を経験し、転職・採用実績で社内殿堂入りするほど活躍されたとお聞きしました。そこからなぜ、人事制度コンサルティングという領域にシフトされたのでしょうか?

細谷:

確かに人材紹介の仕事は非常に面白かったですし、採用・転職という一大イベントを通じて、個人の人生の節目・変化や企業の命運を握る採用に関われるといったやりがいもありました。一方で、自身が30代に入った頃、「働き方改革」が本格化し、大手クライアントから、採用した人材の定着やパフォーマンス向上のため、長時間労働の是正やテレワーク・フレックスタイム制の検討等、組織の在り方や就業環境について相談されることが増えたのです。しかしながら、当時の私はその道に詳しい人材を探して紹介することしかできず、根本的な解決に踏み込めないもどかしさを感じていました。そんなときにグループ会社内で「働き方改革」に特化したコンサルティング部門立ち上げの話を聞き、すぐに公募にエントリーし、面接を受けて自らの意思で異動し、コンサルタントになりました。

カクナル広報:

そこから人事制度設計に興味を持ったきっかけはなんだったのでしょうか?

細谷:

異動して初めて担当したプロジェクトが偶然にも人事制度設計だったのですが、そのときのインパクトの大きさですね。人材紹介は一人の転職、一人の採用の積み重ねですが、人事制度は一つのプロジェクトで、500人、1000人のキャリアパスや報酬、働きがいを一度に変えることができる。 「人事制度設計・改定という仕事は、なんて影響範囲が広いのだろう。」と魅了されたのが、今のキャリアの原点です。

カクナル広報:

中島さんは、ご自身と細谷さんの前職である大手人材会社グループのコンサル時代からの付き合いだそうですが、カクナル参画の経緯を教えてください。

中島:

当時、私は大手人材会社グループのコンサル会社で部長をしながら、個人事業として組織人事も手がけていました。細谷さんは大手人材会社における僕の配下メンバーでした。
細谷さんは出会った最初から「人事の上流、制度設計をやりたい。」という意欲にあふれていました。しかし当時のコンサル部門は人事制度をベースとした働き方改革から生産性向上・業務BPRコンサルにシフトしつつあり、細谷さんが求める規模の人事制度のプロジェクトに参加してもらうことが難しいという背景がありました。

細谷:

当時はそうでしたね。正直自分のやりたい道筋と組織の方針がずれていくことに悩んでいました。そんなときに中島さんが「細谷さんが人事制度の経験・実績を積みたいと思うなら、私の個人事業(カクナルの前身)の組織人事制度コンサルを一緒にやってみない?」と声をかけてくれました。個人事業というリスクの中で、ほぼ未経験でやる気だけの私に機会を用意するのはとても勇気の要ることだったと思います。あの時強く感じた、中島さんが仲間のWill(意志)を気にかけ尊重する姿勢は、今のカクナルにも風土・文化として色濃く受け継がれていると感じますね。

「絵に描いた餅」で終わらせない。仕組みに魂を込めるカクナル流の制度設計

カクナル広報:

一般的に人事制度は「型を作る、型にはめる」といった印象もあるのですが、カクナルが設計において大切にしているポイントはどこでしょうか。

中島:

カクナルの制度設計において、僕が細谷さんに絶大な信頼を置いているのは、精度の高い言語化とクライアント毎に合わせた仕組みのチューニング力です。私たちは日頃から一般的なコンサルタントが作るような、形としては整っているけれども、誰も現場で運用できないような制度には絶対にしたくないと考えています。細谷さんの設計する制度や推進するプロジェクトには、魂が宿るというか独特の雰囲気があります笑

細谷:

言語化は一番力を入れているポイントですね。
昔はクライアントに伝わって欲しいという思いから一文にいろんな要素を入れすぎてしまい、中島さんやクライアントから「文章が長い」「リスクヘッジしすぎ」とフィードバックをいただいたこともありました。そのため、今は相手に「読み解き」という負荷をかけない、洗練された言葉選びを意識しています。例えば、一般的に「主体性」と表現するところを「オーナーシップ」と表現を変えたり、「裁量自律」という言葉が多用される会社には、その言葉を制度設計指針に取り入れ、身近に感じてもらったりするなどといったことを心掛けています。クライアントが普段から使っている、そして自分事として本気になれる言葉を意識し、「自分たちらしさ」という魂を制度に宿らせるよう、極限まで考え抜くのです。

中島:

運用が大事と口で言うのは簡単ですが、現場の社員がその一文、一字一句を読んで求められていることをズレなく理解し、「よし、明日からこう動こう!」と具体的に行動変容に移れるかどうか。 そのゴールまでをイメージして設計し、導入や運用まで伴走するのが、カクナルの制度設計の真髄です。

細谷:

だからこそ、カクナルは初期のインタビューを非常に大切にしています。単に人事制度を設計したり改定するだけなら、インタビューは必須ではありません。しかし、経営陣と現場が考える会社・組織のあるべき姿や課題認識は、残念ながら必ずしも一致してはいません。そこを丁寧に紐解き、共有し、認識を合わせるプロセスにこだわり、泥臭くパワーをかけることで、全社で機能する人事制度が出来上がっていくと確信しています。

法とリアルのブリッジ。コンサルティングでの社労士の知見の活かし方

カクナル広報:

細谷さんは社会保険労務士としても活動されているとのことですが、いわゆる労務相談や手続代行を中心とした顧問型のスタイルとは立ち位置が少し違うように感じます。
コンサルタントとして、どのように専門家の知見を活かされていますか?

細谷:

社会保険労務士は労働法の専門家ですから、実際のコンサルティングの場面では、制度改定する箇所とその内容が違法にならないかどうか、仮にグレーな運用をされてきたケースではどのように改善・収束させるべきか、実際の裁判例から見たリスクヘッジ策の提言等でクライアントから非常に頼っていただけている実感がありますね。ですので、攻めと守りのバランスを取った実行策を提案できることが強みになっていると思います。

中島:

例えばインパクトのある制度を作ろうとした時、それが労働関連の法令からみて実施可能か否か。法律を遵守した上で、その組織ならではの柔軟な働き方をいかに実現させるのか。細谷さんのように蓄積したケーススタディの多さはもちろん、労働法規や裁判例といった裏付けを持って、経営と現場をつなぐことができるプロフェッショナルがプロジェクトマネージャーを務める安心感は、カクナルにとってもクライアントにとっても非常に大きいと思います。

細谷:

経営陣の思い、現場のリアル、そして法的根拠。この3つをつなぐブリッジになることが、私の社労士としての、そしてコンサルタントとしての存在意義だと思っています。

時には「耳の痛いこと」をあえて外部が言うことも。内部の信頼を守るための役割分担

カクナル広報:

外部から関わるコンサルタントとして、組織に深く入り込む際に意識されていることはありますか。

細谷:

特に意識しているのは外部のプロフェッショナルだからこそ果たせる役割を全うすることです。人事という仕事は、経営と現場の社員の方々との間で、長く良好な関係を築いていかなければなりません。そのため、現場に対して耳の痛いことを伝えたり、厳しい決断を促したりするのが簡単ではないことも多々あります。
そんな時こそ、我々コンサルタントが第三者としてあえて厳しい役回りを引き受けます。社内の方では直視しにくい組織や制度の課題を、プロの視点から率直にお伝えすることで、これまでのしがらみやぼんやりとしたイメージを超え、具体的で本質的な変革をスムーズに進めていくことが我々の役目だと思っています。

中島:

言いづらいことを伝え、あるべき姿に向かって伴走していく役割を、細谷さんは本当に絶妙な塩梅で果たしてくれるようになりました。クライアントから自社の社員のようだ」と言われるほど深く入り込みながらも、プロとして締めるところはシビアに指摘してくれています。この「親身さ」と「客観性」の両立ができるのは、細谷さんならではの強みと言えますね。

細谷:

プロジェクトが難航する局面ほど、我々が矢面に立って経営陣と現場をつなぐ必要があります。まるで自社の社員のような親身さと、外部のプロフェッショナルとしての客観性。このバランスを維持することが、カクナルのプロジェクトマネジメントにおける私のこだわりです。

中島:

単発的に制度を作って終わり、ではなく実際の行動へと組織が変容するまで徹底的に伴走すること。細谷さんの覚悟と実行力があるからこそ、お客様からの信頼も厚く、非常に高いリピート率につながっているのだと感じています。

Will(意志)を尊重し、「高次元の知」を共有し合うチームへ

カクナル広報:

最後に、今後カクナルで共に働く仲間へメッセージをお願いします。

細谷:

労働環境が激変している今、企業が労働者から選ばれ続けるためには、単なる給与計算給与決定の道具ではなく、経営理念や方針と現場が連動する、確かな思想が宿った人事制度が不可欠です。
カクナルは、時代がどう変化しようとも、クライアントと共に粘り強くそこを創り上げていけるチームでありたいと考えています。

カクナル広報:

そのチームを維持・拡大していく上で、ますます仲間が必要だと思いますが、今のカクナルのチームで働く面白さはどのようなところにあると感じますか?

細谷:

やはり「個人のWill(やりたいこと)」を応援・支援してくれる安心感、つまり心理的安全性があることですね。そして、お互いに学び合える密度の濃さです。カクナルには多様な専門家が集まっていますが、年齢や役職に関係なく、お互いの強みから学び合う文化があります。新卒メンバーの成長が非常に早いのも、知の集合体に日常的に触れているからではないでしょうか。

中島:

私は、個人の「Will・Can・Must」と組織のそれを、高い次元でレベリングさせたいと考えています。人生の大切な時間を預けてもらっている以上、カクナルでの仕事を通じて、メンバー自身の人生もより豊かなものになってほしいと強く願っています。

細谷:

私には妻とまだ幼い3人の子供がおり、カクナルへ転職することには実は大きな決断が伴いました。それでも、その背中を押してくれたのは、まさにこの個人の実現したいことに真剣に向き合ってくれる組織文化があったからこそです。

中島:

2030年に向けて、私たちはさらに強い組織を目指していきます。これまでの人事の実務経験・知見を応用して、「人のチカラで場を興す」ことに本気でワクワクできる、そんな熱量を持った仲間をもっと増やしながら、これからも未来を創っていきたいです。
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