2024年4月8日、中国メディアの環球網は「なぜ中国人には減塩がこんなに難しいのか」と題した記事を掲載した。

記事は、世界的な医学誌ランセットで以前、中国人の命を脅かす飲食上の問題で最も深刻なものが糖分を多く含んだ飲料ではなく、塩分の過剰摂取であることが明らかになったとし、世界保健機関(WHO)も以前より高ナトリウムの飲食が高血圧や心血管疾患と密接に関わっているとの見解を示し続けてきたと紹介した。

そして、中国では長年にわたる地道な努力によって、1人の1日当たり塩分摂取量が1992年の13.9グラムから15~17年には9.3グラムにまで減ったものの、国内のガイドラインに記載された5グラムの基準に到達するには現在のペースでは約30年かかると指摘。美食は中国人の幸福の源泉であるため、急激な減塩は消費者から受け入れられず、少しずつの減塩にとどまっていると説明した。

科信食品・健康情報交流センターによると、70%近い消費者が減塩が健康に有益であること、60%以上が減塩の必要性を認識し、70%程度の人が減塩にチャレンジしている一方で、過半数の消費者が「減塩の最大の壁は、味を捨てることになること」だと回答した。一方で、同センターの専門家は「実際のところ、人間の味蕾は塩味に対してそこまで敏感ではなく、5~10%の減塩では塩気に明らかな影響はないという試験結果が示されている。毎年5%減塩できれば、10年以内に1日5グラムの目標をクリアできるが、それには消費者と業界が共に努力することが必要だ」と述べたという。

記事は、塩分やナトリウム摂取を減らす有効な方法として、低ナトリウム塩を使用すること、トウガラシやコショウ、ネギやニンニクといった香辛料を上手に使うことを紹介する一方、専門家の指摘として「高齢者は味覚が退化して塩味に対する感度が下がっているため、塩分の取り過ぎには一層の注意が必要だ」と注意喚起した。

(翻訳・編集/川尻)