台湾の半導体大手TSMCは18日、台湾東部で発生した地震による同社の損失がおよそ30億台湾ドル(約143億円)に上ると明らかにした。台湾メディアの中廣新聞網が報じた。

記事によると、同社は台湾東部で今月3日に発生し地震関連の損失額について、保険請求を差し引いた額で約30億台湾ドルと見積もった。半導体業界では「一般的に自己負担額は10~15%であることから、TSMCの実際の損失は200~300億台湾ドル(950億~1430億円)に上る」との見方が出ているという。

同社によると、今回の地震の最大震度は、新竹、龍潭、竹南などの科学園区(サイエンスパーク)で5、台中と台南の科学園区で4だった。地震発生から10時間でファブ(Fab)施設の復旧率は70%を超え、3日目までに完全復旧した。工場に停電や構造的な損傷はなかったものの生産中だったウエハーや材料が一定数影響を受け、第2四半期の粗利益率は50ベーシスポイント低下すると見通しだという。(翻訳・編集/北田)